龍泉洞旅行記(2000/3/21〜3/23)

 
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3月21日
〜早朝〜

 前日の深夜にふと始めてしまったゲームが面白く、7時間半かけてクリアしてしまった。(爆) よって8時過ぎに寝る。

〜昼→出発〜

 起きたら14時。予定では11時半くらいに起きるつもりであったのだが…。

 食事をしてから、旅行の準備をはじめる。2泊2日の旅行だから特に大掛かりな荷物は必要ないので、持っていくものは時刻表と地図、予定表・切符などの入ったケース、財布、着替え、CDプレーヤー&CDだけ。少し時間があったので、旅行用にCDを1枚焼く。

 一通り用意したところで、CDケースが壊れていたので買いに行く。途中で「電Go!3」をやったりしていたので、結構時間がかかった。

 家に帰ってきて夕食を食べて、テレビを見ながらまったりして、21時少し前に家を出て、新川崎駅まで歩いていたら、橋の上で電車が出発していくのを確認。うぐぅ…。しょうがないので次の電車に。少し時間があったので、駅のコンビニで烏龍茶2リットルと、メロンパンを購入。そして、切符の開始区間である東京都区内までの切符(160円)を買って駅に入る。

 5分ほどで電車がきて、品川で京浜東北線に乗り換え、上野に22時少し前に到着。「はくつる」出発ホームに行くと、まだ入線していない。

 しばらくして列車が入線してくる。いつもの事ながら、車両ごとの整備状態に差が多く、ぴかぴかの車両もあれば、ぼろぼろの車両もある。私の乗った5号車はちょっと塗装が剥げていたりした。

 22時23分。「はくつる」は青森に向けて出発した。40%くらいの乗車率で、しばらくして車内改札が回ってきて、それからベッドに潜り込む。
 
3月22日
〜寝台特急はくつる〜

 眠れない…

 理由は
 1.隣の客のいびきがうるさい
 2.暖房が暑い
 3.運転が荒い
 4.…というか眠くない(起きたの14時だし)

 大宮を出てから4度目に止まった駅で外を見てみると、福島駅であった。そのあとは少しだけ眠ったらしく、仙台は覚えていない。次に気が付いたら、一ノ関に着く少し前であった。一ノ関を出てから少し寝て、5時30分着の盛岡で起きる。ここから寝ると乗り過ごしそうなので、寝ないでいることにした。

 CDを聞きながら外を眺めていると、盛岡から2駅目くらいで雪が降り始めた。最初は霧か何かで霞んでいるように思ったが、よく見ると雪だった。ここはひとつ雪に合うCDに変えようと、「anemoscope」に交換する。1曲目の「pure snows」を初めとして、、すごく雰囲気に合っていていい感じ(^^。

 一戸、二戸、三戸に止まって、相変わらず雪が降っている八戸6時59分着。ここで私は降りる。私のほかにもたくさん人が降りたが、同じくらいの人がここから乗り込んで行った。

〜八戸線 425D〜

 次に乗るのは7時11分発、八戸線久慈行き列車。列車はすでに入線していたが、昨日の夜からメロンパン1個だけではさすがにきつかったので、乗る前に蕎麦をかきこむ。列車は学生の通学で3両編成の座席が全部埋まる程度に混んでいたが、鮫駅でどっと降りる。人がいなくなったので、海側の席に移って久慈まで雪の太平洋を見てすごす。八戸でCDを別のに変えてみたのだが、あんまり雰囲気に合わない。失敗。

 途中何度かタブレット交換をしながら列車は進み、久慈着9時5分。次に乗る盛岡行きのバスまで45分あったが、結構強い雪が降っていて町を歩く気になれず、蕎麦を食べて駅でうろうろと待つ。発車10分前になってバスがきたので、さっそく乗り込む。観光バスタイプの車両で、盛岡までの3時間をゆったり過ごせそう。9時50分、半分くらいの座席が埋まり、定刻に発車。

〜JRバス平庭高原線 白樺号〜

 一応特急バスなので、いくつかの停留所を飛ばしながら国道281号線を進む。しばらくすると、山間に入って行く。まだ雪が降ってはいるものの道にはさほど積もっておらず、チェーンは装着しないでも大丈夫らしい。途中工事で片側交互通行のところがあったりしたが、バスはゆったり走って行く。

 「道の駅山形」を過ぎたころから交通量が減り、路面が雪に覆われて白くなっている。しかし、まだバスの通行に支障はないらしく、普通に走ってゆく。やがて峠に差し掛かり、平庭高原のバス停に到着。

 平庭高原を出ると急な下り坂&急カーブがしばらく続き、一気に山を下る。まだまだ道が雪に覆われており、なかなかスリリング。急坂が終わるとバス停が増え始め、ほどなくして10時56分葛巻駅に到着。待合室と売店があり、ちょっとしたターミナルになっていた。ここでバスは時間調整のため5分間停まった。

 葛巻から買い物帰りの地元のおばさんたちが乗り込んできて、しばらくにぎやかになったが、2つ3つとバス停を過ぎてゆくうちにおばさんたちはバスから降りてゆき、再び峠を上り始めるころには元に戻る。さらに雪がやみ、道路も乾いてきた。

 このあたりからうとうとし始める。

 気が付くと沼宮内駅前に到着したところであった。ここでも3分ほど停まって時間調整。停まっている間に下りの特急電車「スーパーはつかり」が駅を通過していった。

 バスは12時01分に発車し、国道4号線を盛岡に向かって進む。ひたすら冬の田園風景が続き、40分ほどで盛岡の市街地に入り、12時50分、定刻に盛岡駅前に到着。

〜盛岡駅〜

 21日朝に出発して津軽線や大湊線を乗ってくる予定だった友人Sと盛岡駅で待ち合わせており、このあとはいっしょに行動することになっている。S君は13時01分着の「スーパーはつかり12号」で来るはずなので、到着ホームに行って待つが、降りてくる人が多く、また2箇所ある階段に人が分かれてしまったためか結局出会えず、とりあえず改札を出て携帯に電話をかけてみるが、11回鳴らしても反応なし。乗り遅れたのかなぁ?とか思いながら、これから乗るはずの列車の出発ホームに向かって歩いていると声をかけられ、なんとか会うことができた。携帯は2回しか鳴らなかったらしく、出ようとしたら切れたとのこと(^^;。

 とりあえず食事をしようと思ったが、発車まで十分な時間がなかったので、駅弁を買うことにする。改札外ではたいした弁当がなかったため、ここで初めて見つけた「雪苺娘」を買っただけで、新幹線改札の中で本命の弁当を見繕い、私は牛めし弁当(820円)を買い、彼は鮭のはらこめし(1000円)を買った。

〜山田線 快速リアス号〜

 13時41分に発車してから、とりあえず弁当を食べる。私のはいたって普通の牛丼で、筍が入っているのが変わっているといえば変わっているくらい。着色剤が効きまくった生姜と蓮根が印象的でした(爆)。一方、S君のはらこめしのほうは、いくらの塩味に対してご飯が少ないとのこと。

 食事が終わったところで「雪苺娘」を食べてみる。写真などでは大福っぽいものを想像していたのだが、実際は牛皮でクリームと苺を包み、粉砂糖をまぶしたもので、やわらかくて手で持って食べるのは少しつらいが、おいしかった。

 盛岡から4つ目の上米内駅を発車すると、列車は1時間以上止まらずに走りつづける。途中の行き違いもなく、本当に止まらない。この間私たちは落ち合うまでのお互いの行程や出来事を話して過ごす。時々キロポストを見て現在位置の確認をしたりもした。

 15時06分、久しぶりの停車は陸中川井駅。少し人が乗り発車。次の停車駅は岩泉線との分岐駅である茂市。茂市には蒸気機関車時代の給水塔が残っており、歴史を感じさせる。跨線橋をわたったホームには岩泉線の列車が待っていた。

 茂市から最後のラストスパートをかけ、宮古着15時40分。

〜宿&夕食〜

 今夜の宿はまだ決めていないので、宮古についたところで前もって目星をつけておいたビジネスホテルに電話してみる。が、満室だったので断られる(−−;。しょうがないので、観光案内所でたずねて何とか宿を確保。こじんまりしたビジネスホテルで、駅から歩いて5分。1泊5000円。とりあえず、チェックインしてから夕食の場所を探しに出かける。

 観光案内所でもらったグルメマップを眺めてみたものの、どれも今ひとつ魅力に欠けるので、適当にぶらつきながらついでに買い物をすることにした。とりあえず「るるぶ」を見てみようということで、本屋を探しに駅の目の前にあるSATYに行ってみる。が、SATY宮古店には本屋が入っておらず、一通り店内を回って確かめた後、外に出て駅前に行く。S君が明日の昼に「まるごとあわび弁当」(1900円)を食べたいというので、駅前の売店によって予約するついでに、本屋の場所を聞いてみる。意外とあっさりとこぎれいな本屋が見つかり、るるぶを立ち読み(ォィ。しかしあまり魅力的な食事どころはなく、仕方ないので結局適当にぶらついて店を探すことに。

 適当にぶらついては見たものの、あるのはどこにでもありそうな中華料理屋とか、ラーメン屋、高級料亭など。どれも「新鮮な海の幸」は特色になってはいるけど、いまひとつ決め手がない。また、よさげな店であっても休みだったりしてなかなかいい店が見つからない。

 一回りして駅前に戻ってきたところで、「蛇の目本店」の店頭看板が目に入る。そこに並んでいるものは大体値段が4桁のものばかりで、そのなかでひとつ「天ぷらそば 800円」があり、なんとなく安く感じてしまったというのもあるが、「魚介類を扱う店の天そばはうまいはず!」と思えたので、少々高いかもしれないが結局そこに入ることにした。

 店内メニューを見ても、そば系統以外は安くても1000円はする。1500円のうな丼が安く感じるような店で、学生の財布がかろうじて許せるかどうかといった値段のものが半分もなかった。私は予定通り天ぷらそばを頼み、S君は「磯丼」(1500円)を頼んだ。そして、もうひとつ「いちご煮」(2000円)を二人で金を出し合って食べることにした。(ちょっと自棄)

 しばらく待っていると、まず私の天ぷらそばが来て少し驚いた。まず器が大きくそばの量が多い。そして何よりも新鮮な海老の天ぷらが2つと野菜のかき揚げが乗っており、食べてみると、なかなかにうまい。つゆが天ぷらにあっていて、衣につゆのしみた天ぷらをかじると、ぷりぷりした海老の食感がたまらない。これで800円は安いと思う。

 次にS君の磯丼が来る。これもまたなかなかにボリュームがあり、深いどんぶりにいっぱいに盛られたカニやあわびなどなど。それにあら汁がついている。

 さらにいちご煮が来る。アワビ・カニ・ウニ・ホタテ貝・イカなどを煮込んだもので、これもどんぶりいっぱいに入って来た。この汁がまたいい出汁が出ており、おいしい。ウニが苦手な私でもあまり抵抗なくいけてしまった。なかなかに値段が張るが、それに見合うだけの質と量が出てくる店だ。

 少しはみ出そうなくらいに食べて満足して店を出て、SATYのパン屋で明日の朝食用にパンを買って、本屋でしばらく暇つぶしの材料を漁ったが、結局何も買わずに宿に戻る。

 宿でシャワーを浴びて、S君と少し話をしたあと、明日が早朝起きであり、寝不足気味であったこともあって20時過ぎには寝てしまう。

 
3月23日
〜朝〜

 岩泉線に乗るため5時40分に起きる。が、さすがに冬の朝の冷え込みはきつく、エアコンのスイッチを入れてしばらく布団の中で待つ。部屋が暖まってきたところで布団から出て身支度をし、荷物の整理などをやらかしてから6時15分に宿を出る。

〜岩泉線〜

 駅につくともう駅そばの店が開いていたので、冷えた体を温めるためにとそばをかきこむ。そして、宮古発6時35分発の川内行き列車に乗る。この列車で昨日来た道を茂市まで引き返すことになる。そして茂市着6時56分、7時01分発の岩泉線列車に乗り換える。

 岩泉線は山の中を進んでゆく。線路の脇の林の中をを渓流がうねりながら流れていくのを見ていると、なんとなく日本庭園の中を進んでいるような気分になる。昨日買ったパンをかじりながらそんな風景が流れるのを眺めていると、やがて押角駅に到着。この駅では、去年の冬に友人N氏が駅ネをやらかしたというので、どんな駅かと思ってみたのだが、待合室も何もなく、周りに民家があるわけでもないところで、こんなところで駅ネをしたN氏をいたく尊敬してしまった。

 押角を出ると長いトンネルを抜ける。そのトンネルを抜けてからもしばらくトンネルが続き、次の岩手大川駅に着くまで12分かかる。この駅から通学客が乗ってきて、一気に車内がにぎやかになる。終点岩泉までの残り2駅でさらに客が増え、7時54分岩泉着。

〜龍泉洞〜

   
龍泉洞のあらまし

 龍泉洞は、山口県の秋芳洞・高知県の龍河洞とともに日本三大鍾乳洞といわれております。
 昭和13年12月14日「岩泉湧屈及びコウモリ」が国指定天然記念物となり、昭和36年龍泉洞と改名して現在にいたっております。
 ウサギコウモリなど5種類のコウモリが生息する洞内は、1cm伸びるのに50年を要する鍾乳石、百年もかかるといわれる石筍の千変万化の造形美や世界に類のない水深120m、透明度41.5mの大地底湖は大自然が幾万年の間、営々として築きあげた悠久の芸術品です。
 洞内の長さは2500mまで確認されておりますが流水量が毎秒200リットルということから少なくとも5000mはあるものと推定されております。
 洞内の清流は年中水温7〜10℃、温度は10℃です
 
 龍泉洞入洞券 裏面説明文より抜粋  
 
 岩泉から龍泉洞に行くバスが無いものかと、駅前のバス停を見てみたが途中のバス営業所までのものしかない。駅から3kmくらいだし雪が降ったり積もったりしてるわけでもないし、龍泉洞が開くのは8時30分なので、歩いて行ってもよいだろうと考え歩き出す。しかし、駅前の橋を渡ったところで道を渡るために信号を待っていると、「龍泉洞前」行きのバスがやってくる。駅前には入らず直行するバスがあったらしい。

 が、道を渡らないとバスには乗れないし、信号は青にならず、結局見送ることに…(;; しかも、バス停に行ってみると朝に龍泉洞に向かうのはそのバスのみ。結局歩かなきゃダメらしい(−−;。

 気を取り直して歩いてゆく。龍泉洞までの道は川に沿って上ってゆく道で、特にきつい勾配はなく40分くらいで龍泉洞に到着。S君は結構きつい坂だと言っていたが…(^^;

 さっそく龍泉洞に入ってみる。入洞料1000円で、龍泉洞と川の対岸にある龍泉新洞に入れる切符が買える。自動販売機で買ったら写真入りの切符が出てきたので驚く。今の時期はオフシーズンのためか、順路の1/3くらいが工事中で入れないとのことだったが、中に入って見れるところだけでも歩いてみる。同じ鍾乳洞としては秋芳洞に行ったことがあるが、秋芳洞は大きな空間が広がり、巨大な鍾乳石・石筍・石柱や鍾乳皿(?)がで〜んと広がっているのに対し、龍泉洞は洞窟があまり広くなく、さらにその洞窟内に大量の水が流れており、観光経路はその川の上に作られた足場を伝って回ってゆく形になっている。洞内には鍾乳石が頭すれすれのところまで伸びてきていたり、壁面に流れた水によって形作られた鍾乳石の壁、底まで見える水深38メートルの地底湖などを間近に見ることができ、地球の歴史の一片を感じることができ、感動した。残念ながらコウモリには逢えなかったが。

 30分ほどで一回りし、感動したところで次は龍泉新洞に入ってみる。が、こちらは安っぽい見世物になっていて、龍泉洞で湧き出てきた水が川の下をくぐって新洞に流れ出してくるところを見る以外は、なんだか興ざめしてしまうものばかりだった。

 これらをめぐって来た所で、時間は10時少し前で、次に乗るバスの時間まで1時間近くある。シーズンオフの早朝ということもあって、観光センターの店もほとんど閉まっており、少し歩き回ってみたものの、結局龍泉洞の入り口にある休憩所に落ち着く。私たちのほかに客はおらず、お茶を飲みながら龍泉洞のパンフレットを眺めたり、テレビをまったり眺めたりして時間をつぶす。しばらくしたら、お土産コーナーに店員がやってきたので、研究室に持っていくお土産のお菓子を見繕う。人数が多い研究室なので、1個づつ袋詰になっているような菓子は避けたい。探していると「くるみ甘納豆」(630円)というものを見つけ、よさげなので購入。S君は龍泉洞の水で作った酒に興味持っていたみたいだったが、財布と相談した結果龍泉洞の水で作った「龍泉洞コーヒー」(120円)にしたらしい。

 バスの時間が近づいたので、バス停に移動。バスを待っていると、1台の小型観光バスが着く。この時期でもツアー客がいるらしい。10時57分、定刻にバスがきて乗り込む。こちらは普通の路線バスで、三陸鉄道の小本駅に抜ける。

〜三陸鉄道〜

 小本駅での接続はかなりよく、ホームに上がるとすぐに列車がやってくる。これから乗る11時32分発の宮古行き列車はレトロ調の気動車で、「サーモン」という愛称がついている。座席にはそれぞれテーブルがあったり、イベント列車で使用するときのためのカラオケセットがあったりとなかなか豪華な内装。三陸鉄道の車窓はトンネルばっかりでつまらないので、それをカバーするためにはこれくらいの設備がないとつらいのかも。

〜昼食〜

 宮古着12時15分。S君は昨日頼んだ「まるごとあわび弁当」を受け取る。私はというと次の列車までは1時間くらいあるので、SATYで昼食を買い込むことにする。食品売り場に行ってみると、サーモンと穴子の押し寿司が6個で398円、バッテラ寿司が6個で298円となかなかお買い得なので、二人分ということで一つずつ買い込む。S君はさらに巻き寿司を買い込んでいた。よく食うやっちゃなぁ…(^^;

 買い物が意外とあっさり終わったので、発車まで暇を持て余す。出発時刻が近づかないと改札が行われないので、駅の待合室で待つ。

〜山田線 642D〜

 13時過ぎに改札が始まり、列車に乗り込む。発車は13時13分。トンネルでリアス式海岸を越えながら、トンネルとトンネルの間に駅があるような感じで、各駅に停車しながら進む。S君は「まるごとあわび弁当」を食べている。私は眠かったのでうとうとしながらCDを聞いている。

 S君が食べ終わったところで、「そういえば箸をとっておかないとあとで寿司食べるのに必要だね」と言う。そのとき、弁当を買ったときに箸を持ってくるのを忘れたことに気づく。このままでは私は最悪の場合手で食べることになってしまう。さてどうしようかと考えた結果、釜石の駅そば屋で1本いただいてこようという結論に至る。問題は釜石での乗り換え時間であるが、3分しかない。駅のホームにそば屋があればいいが、なかった場合かなり大変そうだ。

 14時24分釜石到着。ホームを見てみるが駅そばはおろか売店すら見当たらない。とりあえず席取りはS君に任せて地下道を通って改札口のほうへ行ってみると、地下道の出口に駅そば屋発見。しかしそこは柵に区切られた改札の外側。改札は右側に少し行った所にあり、そば屋まで結構迂回しなければならない。時計を見ると25分。これならいけると思い、一回改札を出てそば屋に行き、おばちゃんに変な顔をされながら割り箸を1本取って、改札を入ってホームに駆け上がり、何とか発車に間に合った。

〜釜石線 急行陸中6号〜

 というわけで14時27分に発車。私は何とか手に入れた箸で昼食開始。なかなかに美味しい寿司。さすがにS君もこれを食べたらいっぱいになったらしく、巻き寿司は夜に回される。

 釜石ではそれほど混まなかったが、まだ食事中(というか隣の駅)の小佐野で団体客が乗ってきて一気に混む。

 15分ほどで陸中大橋駅に到着。駅到着の少し前から進行方向左手の上のほうを眺めると、これから通る線路が見える。この先で線路は180度曲がり、さらに坂を登って一気に峠越えに挑むためにこのような線形になっている。結構急な坂ではあったが、ディーゼルカーはエンジン音も高らかに力強く登ってゆく。

 やがて峠を越してからはエンジン音も低くなり、ほとんど惰性と位置エネルギーの消費でまったりと下ってゆく。そのまま15時12分遠野に到着。ここでも結構人が乗ってくる。

 このあとさらに、まったりと山を下り、宮守、小山田、新花巻に停車し、16時02分花巻に到着。列車はここで進む向きを変えて盛岡に向かうが、私たちはここで降りる。

〜東北本線1546M→544M〜

 花巻駅で「温泉そば」(430円)なるものを見つけてちょっと気になったので注文してみる、なんと言うことはなく、山菜そばに温泉卵が入っただけのものだった。ちなみに、「龍泉洞コーヒー」はなぜかここでも売っていて、しかも値段は110円であった。

 ここから東京に向かって帰途につくが、花巻から仙台まで普通列車の旅。夕方の帰宅時間に重なる列車で結構混みあうが、何とか座れる。私は途中で岩切―利府間の東北本線の支線に寄り道するため、私は車掌に寄り道区間の精算券を出してもらう。S君は仙石線の新規開業区間を乗るとのことで、仙台へ直行。しばらく別行動になるがとりあえず岩切までは一緒。仙台発20時10分の新幹線の自由席乗車位置で待ち合わせることにする。

 定刻ならば岩切には19時23分到着で、利府行きの電車が19時25分発。ところが、一ノ関からの電車の運転士が新人で、まだブレーキの扱いになれていないらしく、岩切の2つ前の塩釜で2分半くらいの遅れ。危ないかな?と思いながら乗っていると、次の駅ではちょっとがんばったらしく2分の遅れ。結局岩切には1分半の遅れで到着。隣のホームを見ると利府行きの電車が到着するところだった。とりあえず走ってみるが、降りる人がたくさんいて、乗れるまで少し時間がかかった。また、車掌が無線で連絡してくれたらしく、ちゃんと接続を取ってくれた。

〜東北本線 利府支線〜

 利府支線に沿って東北新幹線の車両基地&整備工場が広がっており、新幹線の車両を横に見ながら電車は進み、19時32分、定刻より1分遅れて利府に到着。このあたりはベッドタウンになっているらしく、かなりの人が電車から降りる。一人しかいない改札口はしばし混雑。

 いったん改札を出て自動販売機で岩切までの切符を買う。改札口の脇に利府支線の模型があったのを少し眺めてから、改札を通る。駅員は部屋の中で何か作業中だったので、切符を見せるだけで改札を通ってしまう。(つまり入夾されてない)

 折り返しの19時46分発の電車で仙台に向かう。仙台到着は20時03分。しかし、乗換え案内では20時10分の新幹線は案内されず、次の20時16分発を案内されたのでちょっと焦るが、仙台駅で走ってなんとか間に合う。しかし、自由席にはかなりの人が並んでおり、S君が並んでいなかったら座れなかったかもしれない。

〜やまびこ・こまち26号〜

 まだS君はお腹がいっぱいらしく、巻き寿司を分けてくれたので戴く。食べ終わると特にすることもなくなって、少しうとうとしながらCDを聞き始める。1時間ちょっとで大宮到着。この辺から東京の夜景が見え始め、埼京線の隣を走りながら「馬車道」もちゃんと確認して、赤羽、田端と通過してゆく。日暮里から地下に潜り上野に到着。上野を出ると秋葉原から再び地上に出てきて、間もなく終点東京。

 京浜東北線or山手線で帰るS君と別れ、私は横須賀線ホームへ。そして22時10分発の久里浜行きに乗り、22時31分新川崎着。小雨が降る中、歩いて家に帰り、22時45分帰宅。