雑感 17

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 サンショウモ

中学から高校にかけての話。
夏休みの大半は、友人たちと犀川で過ごした。泳いだり、魚を釣ったり、キャンプをしたり‥。とにかくおもしろかったなあ。
捕れる魚はウグイ、ニゴイ、コイ、オイカワなのだが、あるとき初めて見る魚を捕まえた。ナマズに似た黄土色の魚で、体長は10cmほど。後でわかったが、アカザという魚である。特別珍しいというほどでもないが、どこにでもいるという魚ではない。今もいるのかな。
違う日、長野市松代の清野の小川でフナを釣っていたら、小魚がかかった。体長4cmほどのタナゴである。そのきれいなことといったら‥。タナゴ、今もいるのかな。

場所は長野市の小松原。道路脇の小さな池を覗いたら、初めて見る浮き草がびっしり。なんという名前だろう?中学校の図書館の植物図鑑で調べたが、とうとう名前はわからなかった。その浮き草の名がサンショウモだと知ったのは、それから10年後のこと。シダ植物図鑑を見ていたら、このサンショウモが出ていたのだ。なるほど。サンショウモはシダの仲間だったのか。普通の植物図鑑に載っていないわけだ。10年来の謎が解けて(ちょっとオーバーかな)、なんかうれしかったことを覚えている。


先日新潟県柏崎市に行ったとき、このサンショウモを見つけた。なんと40年振りの再会である。あらら、珍しや。このサンショウモも、特別珍しいということもないのだろうが、どこででも見られるというものでもない。
上の写真は、柏崎市の大きなため池。ハスやヒシに混じって、たくさかのサンショウモが浮いていた。下の写真はサンショウモのアップ。


弱い生き物が、少しずつ消えているんだね。寂しい限り。

2006.8



 大渋滞

7月19日、朝の9時に飯田に行かねばならない。ということで、5時半に家を出て松代ICへ。
どうして早出かというと、豪雨で中央自動車道の岡谷と駒ヶ根間が通行止めだからだ。小雨の中、順路を考えながら高速道を南下。渋滞を避け、とりあえず塩尻ICを出た。善知鳥(うとう)峠から辰野に行こうとしたのだが、土砂崩れのため通行止め。仕方なくUターンし、塩尻峠から岡谷市へ。

案の定ものすごい渋滞。止まっては動きののろのろ運転だった。
途中、家の回りの土砂をスコップなどで取り除いている光景をあちこちで見た。また、ところどころで道路が川になっていた。すごかったんだなあ。
対向車のトラックの兄さんに声をかけられた。
兄さん「これ、どこまで続いてんの?」
お れ「諏訪までさ」
兄さん「ほんとかよ!」
岡谷から辰野町まで普通20分のところを2時間近くかかってしまった。回りのドライバーを見れば、メールをしているか、マンガ本を見ているか、ふてくされているか、あくびをしているかだった。

辰野から天竜川を渡らず、東側の山麓を駒ヶ根目指して南下。当初「駒ヶ根」という案内板があったが、だんだんあやしい道になり、気がついたら急に細い道になっていた。引き返そうとも思ったが、急いでいたのでもうイケイケである。しまいには車がやっと通れる崖道。宮田村のどこか。右手下には濁流の天竜川。直径30cmほどの石が道路にいくつも落ちていて、もうヒヤヒヤ。崩落があったら、そのまま川にドボンである。ああ、怖かった。
宮田村から駒ヶ根に入り、再び高速道路へ。飯田に着いたのは結局11時近くだった。

さて、帰りのルートに困った。善知鳥峠は通行止め。権兵衛峠からR19に出ようと思ったら、こちらも通行止め。なら、伊那から高遠に行って、峠を越して茅野に出よう。地方事務所に電話すると、こちらは通れるという。ラッキー!
駒ヶ根からは国道を避けて、車の少ない脇道をスイスイ。殿島橋を渡り、そのまま東へ。
高遠から北上して杖突峠に向かう。このルートは何年ぶりだろう。ひょっとしたら15年ぶり?前は石置き屋根の土蔵とか物置があちこちに残っていたが、今日は見ることはできなかった。もうないんだろうなあ。

山を下って、諏訪ICに向かった。ルート選びは大正解の二重丸。あはは。鼻歌交じりで左折したら、ギョエ〜!料金所の手前で、なんと大渋滞。引っ返すにも引っ返せず、ただ車の波に乗ったまま、のろのろのろのろ。すさまじい渋滞。時速3kmくらいかな。歩いたほうが、はるかに速かったと思う。大失敗だった。茅野からそのまま北上して白樺湖の大門峠を越すべきだった。
ドライバーはイライラ。少しでも早く着こうと、諏訪SAに入って先回りする車が何台もあった。せこいよなあ。ジャンクションの少し手前では1車線になり、ますます渋滞。こんなときに工事かよ!信じらんねえ!そう思って腹が立ったが、岡谷市湊の土砂崩れの災害復旧のための工事だった。茶色の斜面には黒のワンボックスカーが転がったまま。端の2軒はなんとか残っていたが、中央にあったであろう家は跡形もなかった。行方不明者を捜索している方々の姿が見えた。合掌。

岡谷のICを過ぎてからは、平常の走行。夜の8時前には帰宅できた。
お疲れさま。

2006.7



 写真展

気がつけば、7月も半分過ぎてしまった。あれよあれよという感じ。

飯田市の平安堂での写真展が無事終了してほっとしたのもつかの間のこと。飯田市のM設計のMさんの紹介で、やはり飯田市のアートハウスというところで写真展をやることになった。平安堂での写真をそのまま展示するのだが、なかなか忙しい、期間は今月20日から28日まで。アートハウスは緑に囲まれた閑静なところだ。


普段撮っている写真は展示しないの?数人からそんなことを聞かれた。考えてもいなかったことなので、返答に困ってしまった。普段撮っている写真なんか、一般の人が見ておもしろいだろうか‥。
でも、一度くらいは仕事関係の写真展をやってみようかな。たとえば、長野県の設計士10人の作品を並べるとかね。やはり一度くらいはしてみたい。それにしても、だれが対象なんだろう。関係業者かな。新築を計画している人かな。結局知人だけだったりして‥。
そんな余裕なんかないのに、近ごろそんなことをひそかにいろいろ考えている。

いつがいいだろう。やはりヒマな二八だろうな。来月は無理だから、来年の2月あたりか。さてさて、実現は。

2006.7



 名刺の裏

いやな会社というのがときどきある。そういうところへは、もちろん行きたくはない。行きたくはないのだが、貧乏カメラマンとしては仕事も会社も選んではいられない。

いやな人間がいるところが、つまりはいやな会社である。どういう人間がいやかというと、おれの場合、威張るヤツと見下すヤツだ。
以前付き合いのあった某印刷会社の社長もそうだった。支払いは銀行振込ではなく、毎回集金(小切手)。金を払ってやるから、取り来いという感じ。まあそれも我慢していたが、あるとき集金に行ったら、請求書の書き方が悪いと頭ごなしに怒鳴られた。結局それは印刷会社のミスということで、後日謝ってくれたが、なんとも腹が立った。
そういえば、集金のみという会社がもう1社あった。集金のたびに腹が立ったが、この会社は数年前倒産してしまった。無理ないなあ。あんな会社だもん。数万円の売掛けがあったが、なんかすっきりしたことを覚えている


今日の夕方、長野市内の某設計事務所に納品に行った。そこの中年の女性職員(設計士)の感じの悪いことといったら‥。
話はこうだ。まず、「ごめんください」とドアを開けて、事務所の中に入ったと思いねえ。すぐ左手が簡単な応接室(ちゃんとした応接室は別にある)になっていて、そこでその中年女性と若い男が女性客と打ち合わせをしていた。2人の職員はこちらを無視。「あのう‥」と声をかけたが、こちらをチラッと見ただけ。しばらくして、「あのう。‥すいません」と再び声をかけた。そしたら、その中年女性はいやそうな顔で外を指さし、「チャイムを押して!。う〜ん、まっ今日はいいけど」。おれは「すみません」と謝るしかなかった。そうならそうと入り口に「チャイムを押してください」の張り紙ぐらいしておけよ!二十数人もいる会社である。個人の家じゃあるまいし、チャイムを押すのが常識なんだろうか。
市内には設計事務所がいくつもあるが、どこもおれなんかにも普通に親切に応対してくれる。どういうんだろうねえ。

きちんとした、ちゃんとした挨拶は大切だ。とはいっても、おれはがさつな人間。するのもされるのもどうも苦手だ。だからバカ丁寧だったり、やたら世辞をいう人間も好きになれない。でもだ。あの女性職員のようなタイプは大嫌いだ。
あの女性はいつもああなのかな。それとも虫の居所が悪かったんだろうか。そりゃ、おれは汚い格好で髪はボサボサ。どうでもいい人間というのは一目瞭然なのだが、あんまりだよね。どうせ上得意にはぺこぺこして、下の業者にはいつも威張ってんだろうなあ。

「バカ野郎 名刺の裏に 書いておく」というサラリーマン川柳があったけど、いろいろ大変だよなあ。「酒でも飲まなくちゃ、やってらんねえよ」というのは、とにかく名言である。

2006.7



 日本一あやしい温泉

日本一○○の温泉と聞いても食指は動かないが、日本一あやしい温泉とくれば話は別だ。それはどこかというと、古い集落の中で200年もの間守ってきた大谷地鉱泉である。知る人ぞ知る温泉で、その筋の人には絶大な人気がある秘湯(違うかな?)なのだ。

場所は、軽井沢町の西隣の御代田町。R18三ツ谷東の交差点を300mほど北上すると、左手に看板が見える。そこを左折してすぐのところにこの鉱泉がある。回りは水田と畑。少し離れたところに民家も見える。
外観は茅葺きの農家。チャボが家の回りで餌をついばんでいるし、だれがどう見てもただの農家である。

茅葺きの農家と温泉というミスマッチに戸惑うが、初めての人でまともな人なら、建物の前でたじろぐか、ひるむか、びびるか、怖じ気づく。場合によっては、Uターンするかもしれない。この手の建物に免疫がないからだ。やはり戸を開けるにも、かなりの勇気が必要だ。見ず知らずの他人の家を訪問する感じ。
外もすごければ、中もすごいぞ。覚悟して突入したとしても、必ずショックを受ける。小さな玄関の向こうは、農家の普通の居間だからだ。その居間にはこたつがあって、おばあさんがテレビを見ている。奥には黒光りする板戸や仏壇などがあり、やはり一昔前の農家の光景。どうすればいいんだろう。普通の人なら一瞬混乱してしまいそう。おばあさんはこたつから出ないから、こちらからたちひざで恐る恐るすりすりと行かなければならない。支払いはこたつでするのである。テーブルの上には湯呑み茶わん、漬物、醤油などがのっているが、プラスチックのレジ皿もちゃんと置いてあるので一安心。入浴料は340円。

なら、浴室はどんなだろう?いろいろ想像して心配するが、写真の通りいたって普通。ちょっと拍子抜けしてしまう。浴室の床は御影石張り。浴槽の回りは南佐久産の大理石張りになっている。その浴槽は、大人3人くらいが入れる大きさ。正面の壁には富士山ならぬ浅間山のタイル絵があって、まるで銭湯のよう。事実、この大谷地鉱泉は銭湯なのだ。
「あやしい」といっても、それも湯に入るまでのこと。風呂上がりには、ついおばあさんに話しかけてしまう。そんな普段着のいい温泉である。その昔、川端康成夫妻も訪れたとか。

久しぶりに寄ったら、建物の西側で大掛かりな工事をしていた。なんの工事だろう。建て替えるのかな。南相木村の茅葺きの村役場もそうだったけど、名物建物が消えるって寂しいよね。

温泉ではなく鉱泉銭湯というべきだろうが、イメージ的には「もらい湯」である。近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りを。湯の効能は絶大で、万病に効くとのこと。

2006.6



 写真展の計画

7月の上旬、写真展をやることになった。場所は、なんと飯田市。長野からだと、かなり遠いんだよね。聞けば、平安堂(書店)飯田店のギャラリーとのこと。どんな会場だろう。写真は、30点から40点必要らしい。準備から始まって、いろいろ大変そう。気が重いなあ。

面倒なことが大嫌いで、今まで写真展なんかしたことがない。もちろん考えたこともない。そりゃ、何度か写真展の話はあったけどね。いつも、アハハとお断りした。
でも今回は、
「とにかくプリントだけしてもらえれば、いいです。額も会場にありますから。期間中も、ずっと常駐してなくてもかまいません。ねっ。ねっ」とそそのかされた。借りがあるんで、どうしても断れなかった。
でも引き受けたからには、最低限のことはしなくちゃ。それに、おれみたいな人間にはいい機会だからね。とはいっても、ここだけの話、おれって写真展なるものにあまり足を運んだことがないんだ。写真展って、どうやるんだろう。
なんとも情けない。

2006.6



 おやき

長野には「おやき」なるものがある。世界に誇れるような代物ではないが、郷土料理とてしてはかなり有名だ。小麦粉を練った皮の中に季節の野菜やあんこなどを入れて焼いたり蒸したりしたもので、山間部では主食にもされた伝統食。
一般家庭では、おやきは笹の葉に包んで蒸すのが一般的。笹の代わりにミョウガの葉を使うこともある。また、蒸したおやきをフライパンで焼くこともある。
場所により家庭によりいろいろなものがあるが、なんといっても西山地方の「灰焼きおやき」にとどめを刺す。皮の部分が香ばしくて、とてもおいしいのだ。

灰焼きおやきとは、ほうろく鍋で表面を軽く焼いた後、囲炉裏の灰の中に入れてじっくり焼き上げたもの。アルミホイルで包んで灰に入れるのではなく、そのままほいほいと投げ入れる。写真に注目。灰に埋もれているおやきがおわかりだろうか。これを見て引いてしまう人もいるが、長野では軽蔑されるぞ。
食べ方はこうだ。まず、灰の中か取り出したおやきを「アチッチッ!」と言いながら、おやきをパンパンと強く叩く。これは表面についた灰を落とすためだ。といっても、きれいに落とすことは不可能。まあ、あまり気にしないことだ。灰は毒ではないからね。両手でおやきを半分にして具をよく確認して食べてもいいし、大きな口でがぶりとやってもいい。とにかく上品に食べてはいけないのだ。なんてったって、おやきなのだから。多少灰が口の中でジャリジャリするが、それも一興。

今でこそ長野県内のあちこちでおやきが売られているが、それは最近のこと。本来は北信の一部の地域の郷土料理で、ほかの地域ではほとんど知られていなかった。松本生まれの松本育ちのおばさんは、おやきなるものをまったく知らなかったという。そのおばさんは、こう言っていた。あんこの具ならわかるんだけど、どうして茄子とかの野菜が入っているの。食べられない!
おやきの定番は茄子である。この話をすると長くなるのでやめるが、なんてったって茄子のなだ。それも丸茄子。細長い長茄子は絶対だめ。これはこだわりというより、長野の常識なのだ。


おふくろの生まれは、山間部の小田切村(現長野市)。学校に持っていく弁当といえば、いつもいつもおやきだったという。米が貴重だったんだね。家ではというと、うどんやそばのほかにも、「うす焼き」とか「にらせんべい」と呼ぶ、お好み焼きに似た小麦粉料理を毎日のように食べていたとのこと。また、正月用の餅は8臼搗いたが、黍が4臼でもち米と粟がそれぞれ2臼だったとか。そんなに昔のことじゃないんだけどなあ。今とはずいぶん違うね。

2006.5



 毛虫

新緑の季節。これから気になるのが、庭木につく毛虫だ。
つい先日、ジューンベリーの細い幹に小さな毛虫を数匹発見。ギョエ!よくよく見れば、木の根元に茶色の綿毛に包まれた卵塊があるではないか。そこから小さな毛虫が上へ上へと行進していたのだ。マイマイガの幼虫である。う〜ん、恐ろしい。
わが家の庭は、このマイマイガだけではない。ヒメシロモンドクガ、アメリカシロヒトリ、イラガなどの強者が次から次へと発生する。まるで毛虫の波状攻撃だ。

去年アズキナシに大発生したのが、モンクロシャチホコ。こいつはすごかったなあ。葉の裏に赤茶色の毛虫の集団を見つけたのだが、その気持の悪いことといったら。鳥肌が立ってしまったほど。枝を切って始末しようとしたら、何匹かは糸を吐いて枝にぶら下がるではないか。ギョエ〜!何本かの枝を切って、なんとか退治。のはずだったが、1週間後5cmほどの真っ黒な毛虫が地面をはっているではないか。またまたギョエ〜!難を逃れて大きくなったモンクロシャチホコなのだ。割りばしでつまんで川に捨てたが、まったくにもって悪夢だった。毛虫って、大嫌いなんだよね。
やはり消毒をしないとだめなのかな。



上の写真は、田の畔固め。なかなかいい写真でしょ。民家の次に撮っているのは、こういう農村風景なんだ。ニコンレンズAF-S DX VR ED18-200mm F3.5-5.6Gを買ったのもこのためで、今日はそのテスト撮影。
開放はもちろん甘いが、2段階絞り込めば十分な写りだ。風景写真だから、ディストーションはまったく気にならない。ピーカンだったのでVR機能は試せなかったが、コンパクトでとてもいいレンズだ。まずは、合格点。この1本があれば、たいがいの写真は撮れるぞ。撮影場所は長野市西部の七二会。いい季節だね。

民家の写真もそうだけど、風景写真にはそこにいるべき人物を入れたい。学校なら、生徒。農村なら、農作業をする人。漁村なら、漁師。商店なら、売る人と買う人。観光地なら、観光客という具合。おれが撮りたいのは、人物の入った農村風景だ。
人間の匂いのしない風景写真なら、100年後でも1万年後でも撮れそうだもんね。

2006.5



 待ちくたびれたぞ!

ニコンレンズAF-S DX VR ED18-200mm F3.5-5.6Gをヨドバシカメラに注文したのが、2月下旬のこと。今日、ようやく品物か届いた。待ちくたびれたぞ!
11倍という高倍率ズームが初めてなら、VR機能も初めて。うまく使いこなせるだろうか。

200mm側F5.6はかなり暗いが、最大径77mm長さ96.5mmで重さは560g。軽くてとても良さそうだ。
このレンズ、昨年の発売時はメイド・イン・ジャパンだったが、今はすべてメイド・イン・タイランドになっている。これはタイに工場を移転したためだ。品質は問題ないのだろうが、なんとなく寂しい。

2006.4



 草棟・芝棟

棟に植物を植えた茅葺き屋根は、上田市、真田町、丸子町、小諸市、軽井沢町、佐久市、北相木村など、東信の広い地域で見られた。といっても、それは80年代のこと。今も、残っているんだろうか。
詳しく調査されないまま、消えてしまったんだろうなあ。

草棟を初めて見たのは、79年の夏。場所は上田市の殿城。偶然見つけたのだが、まあ感動したねえ。なんてったって、棟に緑の草が茂っているのだから。なんの植物だろう?ユリ科のノカンゾウかヤブカンゾウに違いないと思ったが、調べてみると、どうもアヤメ科のイチハツらしい。このイチハツは大風を防ぐという俗信があるとか。英名はroof irisで、屋根のアイリスということだ。きれいな紫色の花を咲かせるが、棟で咲いているのを見たことがない。時期が合わなかったのだろうか。

チハツより多く見られるのが、シダ類のイワヒバである。イワヒバは、乾燥にはやたら強い。雨が降らないと葉が丸まって枯れたようになるが、一度雨が降るとすぐ葉を伸ばす。雨後のイワヒバは、葉の緑がとても美しい。
イワヒバだけを植えた屋根もあれば、イチハツだけのもある。イチハツとイワヒバを一緒に植えた屋根もある。棟を固定するために植えたのだろうが、なんかとても楽しい。

最近、屋上緑化とか壁面緑化という言葉をよく耳にする。見た目もいいし、空気の浄化とか温暖化防止に役立つようだが、コストや管理面でなかなか大変らしい。イワヒバやイチハツは、まったく手がかからないんだけどね。

上の写真は上田市真田大日向。イチハツとイワヒバの混植。イネ科の植物は、後で自生したもの。82.5
下の写真は、小諸市菱平。イチハツだけように見える。82.5

2006.4



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