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 土蔵と物置 1  茅葺きの土蔵、農家の土蔵、佐久のせいろ造り


木と紙でできている日本家屋は、とても燃えやすい。消防消火が絶望的だった昔は、町全体を焼き尽くすような大火は珍しいことではなかった。財力のある商家や富裕な農家は、頑強で難燃の土蔵をつくり、貴重な財産を盗難と火災から守った。また、厚い土壁の土蔵は、恒温恒湿という特性があり、酒、味噌、醤油などの醸造の場としても広く利用されている。
土蔵は富の象徴でもあり、「蔵が建つ」といえば、大金持ちになることを意味した。蔵は、私たちの生活に密着したもので、蔵出し、蔵開き、蔵米、蔵元など、蔵に関係する言葉も多い。


No.353 粗壁(あらかべ)の土蔵。豪雪地帯のため、腰部の板壁がかなり高い。屋根は、土蔵には珍しい寄棟。 上水内郡信濃町 82.5



No.354 下高井郡野沢温泉村 82.5



No.355 茅葺きの土蔵。 下高井郡野沢温泉村 82.5



No.356 三峰様の御札が貼られた戸。毎年、地域の代表達が三峰神社(埼玉県秩父郡大滝村三峰の旧県社)にお参りに行き、御札を貰って来る。この行事は少なくなったが、今でもところどころで行われている。「秋葉様は防火、三峰様は盗難除けです」とは、信仰を続ける古老の話。経済や生産が豊かでなかった山家の人にとって、飢饉から生命を守る米を蓄える土蔵をこしらえることは、家族を守る人達の強い願望だった。汗水を流して働き、節約・倹約・質素な生活に辛抱して、大金を要す土蔵をこしらえた。当然、土蔵を守る心は、尋常ではない。家人は土蔵が盗難に遭わないように願う。土蔵を守る願いが入り口の御札にある。今の人々には、とうてい理解できないことかも知れない。 東筑摩郡坂北村 86.6
 


No.357 格子には、秋葉様か三峰様の御札が貼ってあったに違いない。この土蔵の板戸は、手の込んだ格子状になっている。しめ縄の風習は、今でも正月に行われている。三郷村のある家では、暮れに餅をお供えする。その場所は、土蔵や神棚や仏壇、玄関、御勝手(台所)、仕事場、作小屋、納屋、臼、両親の写真のところだという。 南佐久郡川上村 82.5




No.358 茅葺きの土蔵。手前に杉皮葺きの物置と茅葺きの家畜小屋が見える。 下高井郡野沢温泉村 82.5



No.359 茅葺きの土蔵。 上水内郡信濃町 82.5
No.360  大きな釜は、味噌や醤油づくりの際に使われる。 上田市野倉 82.5



No.361 珍しい「建てのぼせ」構造の物置。「建てのぼせ」とは、妻側の中央の柱が通し柱になっているもの。飯山市 81.5



No.362 茅葺きの物置。 飯山市三郷 83.2



No.363 南佐久郡には、蒸籠(せいろ)造りという蔵がある。正倉院の校倉造りと同じ構造だ。塗り籠めの土蔵だが土がはがれ落ち、板倉のように見える。 南佐久郡川上村 82.4
 

No.364 蒸籠(せいろ)造りの蔵。 南佐久郡川上村 82.4


土蔵と物置 1


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