石鎚山系の概要 
 石鎚山系の範囲について、登山者の間では、西の青滝山(1303m)から東の大座礼山(1588m)迄とするのが一般的である。東西に長く延びた主稜線には、山頂一帯を岩場に取り囲まれて、荒々しい山容の最高峰・石鎚山(1982m)をはじめ、氷見二千石原と呼ばれる笹のスロープで女性的な山容の瓶ケ森(1897m)、山頂一帯が環境庁の自然環境保全地域に指定されている笹ケ峰(1860m)など、個性豊かな標高1500m〜2000m級の多くの山々が連なり、四国の中で愛媛県と高知県を隔てる脊梁山脈を形成し、瀬戸内海と太平洋の分水嶺となっている。
 山系の中心部分である、石鎚山を中心に堂ケ森(1689m)から伊予富士(1756m)までは昭和30年に石鎚国定公園に指定された。稜線付近に展開する笹原と瀬戸内海を望める360度の眺望、、山腹に広がるブナ林などの豊かで美しい森林帯が、この山系の自慢であろう。
 豊かな森林帯には優れた渓谷が存在する。特に山系の北面には多くの急峻な谷が刻まれていて、沢登りの対象となっている。石鎚山の南面には、名勝にも指定され、断崖と森林で知られる面河渓谷があり、多くの観光客や登山者を迎えている。
 しかし、多くの問題点も指摘されているのは、全国の他の地域と同じ状況である。ここも至る所で自動車道路が開かれ、整備され、さらに奥へと延びつつある。それに伴って各種の人工的な施設も建設されている。登山のアプローチは簡単になったが、山の自然は狭い範囲に押し込まれてしまいそうだ!アプローチの短縮などは多くの登山者や観光客を呼び込み、オーバーユースの問題が指摘されるようになっている。
 * 笹ヶ峰(1859.7m) 西条市・本川村   * 寒風山(1763m) 西条市・本川村
標高1500m付近から笹原のスロープが現れて、樹林と入り交じって豊かな自然が広がっている。山頂付近はミツバツツジの群生などがあり、環境庁の自然環境保全地域にも指定されている。山頂からは360度眺望を楽しむことができる。北面の標高1520mのところに通年営業の丸山荘がある。 寒風山トンネル口から手軽に登れるようになって多くの登山者が訪れるようになった。登り始めて稜線までしばらくは急斜面だが、後は稜線歩きである。稜線周辺は笹原が広がって、展望が素晴らしい。特に紅葉の頃の寒風山北面は見物である。
 * 伊予富士(1756m) 西条市・本川村  * 瓶ヶ森(1896.5m) 西条市・本川村
稜線周辺には笹原が広がる、平凡な山頂である。展望は素晴らしい。北面には主谷渓谷(おもだに----)の深い森が広がっている。山頂の100mほど下を本川村村道が通じて登り易くなったが、静かな雰囲気は失われてしまった。 氷見二千石原と呼ばれる広大な笹のスロープが広がって、立ち枯れた白骨林越しに眺める石鎚山の眺望が素晴らしい。高山植物も多く見られる。積雪期以外は自動車で来られるようになっているため、キャンプや散策などのアウトドアで訪れる人が多い。
 * 筒上山(1859.3m) 面河村・本川村・池川町  * 岩黒山(1745.6m) 西条市・面河村
土小屋からの登山道周辺には見事なブナ林が広がる。山頂はなだらかな笹原が広がり、石鎚山周辺の展望台だ!頂上直下に鎖場がある。 石鎚スカイラインの終点土小屋のすぐ東の山で、1時間ほどで登れて、あけぼのつつじやブナ林があり、新緑や紅葉などなども素晴らしく、手軽に楽しめるので、人気がある。
 * 手箱山(1806.2m) 高知県本川村  * 伊吹山(1502.8m) 西条市・本川村
以前は主稜線から外れていたため人気がなかったが、ツツジやシャクナゲをはじめ花木類も多く、最近は訪れる人も多くなった。 直ぐ下を自動車道路が通り、通りすがりの人以外にはあまり登る人もいないが、周辺には立派なブナの林があり、展望もよく気持ちの良い山だ。
 * 石鎚山(1982m) 西条市・小松町・面河村  * 西冠岳(1894m) 小松町・面河村
西日本最高峰の山。四季を通じて登山者が絶えることがない。山頂付近は高さ100mほどの岩の絶壁に囲まれた男性的な風貌である。「お山」をご神体とする信仰の山としても知られる。 登山道もなく、訪れる人もない静かな山。積雪を利用して登ると、石鎚山や周辺の山がいつもと違うアングルで迫ってきて、新鮮だ。北西面には西冠西壁、南面には南壁があり、岩登りのルートが開かれている。
 * 二ノ森(1929.2m) 小松町・面河村  * 堂ヶ森(1689m) 丹原町・面河村
石鎚山と堂ヶ森の中間辺りに位置する平凡なピークだが、石鎚山に次ぐ標高があり、山頂からは石鎚山を始めとする360度の展望が楽しめる。 山頂周辺は広い笹原の斜面が広がり、白骨林が点在する様は見物だ。特に、登山道を登り切って、目の前に広がる無名峰の眺望は素晴らしい。北面には鞍瀬渓谷の深い谷が刻まれ、西方には面河ダムや、皿ヶ嶺連峰が眺められる。