ただひたすらに。


 私は今、大学の入試のお手伝いをしている。要は受験生の案内をしたり、試験官の補佐をしたりするのだ。

 その仕事を今日もしてきた。私は補助監督、という役だ。
 これはかなりたいくつな仕事だ。問題・解答用紙の配布、回収する以外、ハプニングがなければ、ただひたすらに立って受験生を監視しているだけなのだ。

 はっきり言って、つまらない。
 居眠りをしないように、と厳重注意されたが、そりゃ眠くもなるだろう。
 大学の入試は朝から夕方までかかる。
 そして補助監督は教室付き、交代無しだ。
 一日中、ずっと立って見てるだけ。他にやっていい事はない。
 立っているだけなんて楽なものじゃないか、と言われそうだが、精神的にはなかなか疲れる。
 それで金を貰うんだから仕方がないけれど、もうちょっと別の役に当たりたかったな…。
 保健センターとか試験官控え室なら、本を読む位はできるらしいのだ。
 (仕事中にそれってのもどうかと思うけど。)

 ただ、今日はちょっと代わり映えがあった。
 ハプニングに入るものがあったのだ。
 問題のミスに受験生が気付いた。
 選択肢のうち2つがまったく同じ文章になっている、というもので、誰がどう見ても出題ミスだ。
 そう言う場合、問題受け渡し室に補助監督が行き、確認してくる事になっている。
 つまり、たいくつな監視を離れられる。
 こう言っちゃ、不謹慎かもしれないが、やる事が出来たのは正直嬉しかった。

 入試はあと9日分ある。
 自分が受験した時は気が付かなかったが、総合大学だから学科数も受験日も多いのだろう。
 そして、後6日分、仕事が入っている。
 募集では1人あたり2回程度、とか言ってたのにな…。
 なんだか多く当たったのか、余程人が集まらなかったのか。
 金になる分、仕事がないよりはましなはずだが、ちょっとだけ気が重かったりする。

追記。
 3日目の仕事が終わった。今日も睡魔との勝負にかろうじて勝った。
 ところが試験中寝息が聞こえるので見てみると監督やってた先生(椅子有り)が寝ている!
 駄目じゃん、先生。人に寝るなっていうなら自分も起きてなきゃ。