485系/489系電車

489系電車
「能登」「ホームライナー」の489系電車
浦和駅で撮影(2003.12.)★
485系電車
「ムーンライトえちご」の485系電車
高崎駅で撮影(2003. 5.)★

485系電車は1968年(昭和43年)に登場した車両で、1958年(昭和33年)に登場した151系電車(いわゆる「こだま」型電車)や1961年(昭和36年)に登場した481系/483系電車などをベースに、全国の全ての電化区間で運用可能とした特急用車両です。
また、489系電車は1971年(昭和46年)に登場した車両で、485系電車に碓氷峠(信越線 横川〜軽井沢(現在廃止))の急勾配に対応した機器などを追加した車両となっています。
両者は同一編成中に混在が可能で、現在は使用するにあたってほとんど区別されていません。全国どこへでも運用可能なように寒冷地向け対策が施されているほか、1974年(昭和49年)以降に製造された485系1000番台車では豪雪地帯向け対策も追加されています。

485系電車の高崎線内での運用は、1969年(昭和44年)に上野〜金沢の特急「はくたか」と上野〜秋田の特急「いなほ」に投入されたのが最初です。また、489系電車の高崎線内での運用は、1971年(昭和46年)から上野〜金沢の特急「白山」などに投入されたのが最初です。いずれも1982年(昭和57年)の上越新幹線開業までは183系電車の特急「とき」とともに高崎線の花形車両として走り続けましたが、1997年(平成9年)の長野新幹線開業によって高崎線内では特急列車としての定期運用はなくなってしまいました。
現在は高崎線内では定期列車としては夜行の急行「能登」及び快速「ムーンライトえちご」にほそぼそと使用されるのみとなっています。

485系/489系電車の制御方式は抵抗制御で、交流電化区間でも架線から供給される交流の電力を変圧器と整流器で直流の電力に変換して使用します。
ブレーキ方式は空気ブレーキ発電ブレーキを組み合わせた当時としてはオーソドックスな方式です。パンタグラフを持つモハ484形・モハ489形の屋根上は高圧電源を扱うためにものものしい碍子が並ぶほか、制御装置を持つモハ485形・モハ489形の床下には長い下り勾配区間で発電ブレーキを長時間連続使用することを考慮した大容量の抵抗器と放熱用のブロワー(送風機)も備えられています。
最高速度は120km/hで、高崎線での最高速度もこの速度ですが、国土交通省から特に認可を受けたごく一部の路線では130〜140km/hでの運転も実施されています。

車両の外観

車体は普通鋼製で、初期の車両は「こだま型」の伝統を引き継ぐボンネットスタイルの先頭車とキノコ型と呼ばれるクーラーカバーの形状が特徴ですが、中期以降の車両は切妻型の先頭車と四角形のクーラーカバーに変更されています。

車内

車内は回転式のクロスシートが並びます。
普通車では当初はリクライニングしない座席でしたが、現在ではほとんどの車両がリクライニングシートに変更されています。

車両の所属と運用形態

現在高崎線内で使用されている485系/489系電車は、金沢総合車両所(石川県)の489系電車と新潟車両センター(新潟県)の485系電車です。
金沢総合車両所所属の車両は上野〜金沢の急行「能登」と上野〜鴻巣・古河の「ホームライナー」に使用されています。編成自体は長野新幹線開業まで特急「あさま」「白山」に使用されていた編成をそのまま流用した9両編成で、1988年(昭和63年)頃に内装の改修工事と併せて6号車の約半分がミニラウンジに改装されているのが特徴です。なお、改修工事に併せて専用の塗装となっていましたが、現在では他の車両に合わせる形で2001年(平成3年)頃に元のいわゆる旧国鉄特急色に戻されています。
一方、新潟車両センター所属の車両は新宿〜新潟の快速「ムーンライトえちご」に使用されています。もともとは羽越線の特急「いなほ」をはじめとした新潟発着の特急列車に使われていた車両で、現在は女性専用車対応改造などを受けた6両編成がほぼ専属で使用されています。なお、この編成は宇都宮線の新宿〜黒磯で土休日を中心に運転されている快速「フェアーウェイ」にも使用されます。

また、2006年(平成18年)3月からは、小山車両センターに内外装の大幅な改修を受けた485形電車が配置され、宇都宮線〜東武日光線経由で新宿〜東武日光・鬼怒川温泉を結ぶ特急「日光」「きぬがわ」に使用されるようになり、大宮駅に姿を見せています。

489系電車
「日光」「きぬがわ」の485系電車
池袋駅で撮影(2006. 3.)★
489系電車
専用塗装だった頃の「能登」用の編成
上野駅で撮影(2000. 9.)★
489系電車
「あさま」に使われていた編成
この編成はJR化後は「白山」「能登」
などの運用に入ることはなかった
横川駅で撮影(1996. 4.)★

なお、首都圏では勝田車両センター(茨城県)にも常磐線の臨時列車用として485系電車が配置されており、これが上野駅などに姿を見せることもあります。

編成

金沢総合車両所所属車両 (急行「能登」など)

←上野 金沢→
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車
クハ489 モハ488 モハ489 サロ489 モハ488 モハ489 モハ488 モハ489 クハ489
      グリーン車          
※6号車のモハ489にはフリースペースのラウンジ(半車)があります
※9号車は「能登」での運転時は女性専用車です
※急行「能登」の場合、長岡〜金沢は編成が逆向きとなります
新潟車両センター所属車両 (快速「ムーンライトえちご」など)
←新宿 新潟→
会津若松→
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車
クロハ481 モハ484 モハ485 モハ484 モハ485 クハ481
グリーン席          
※1号車のクロハ481は運転台寄りの半分がグリーン席、それ以外が普通席です
※6号車のクハ481は女性専用車です
小山車両センター所属車両 (特急「日光」「きぬがわ」)
←新宿 東武日光・鬼怒川温泉→
6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車
クハ481 モハ484 モハ485 モハ484 モハ485 クハ481
           

高崎線・宇都宮線以外の485系/489電車

485系/489系電車は、かつては北海道から九州まで全国の特急列車に使用され、全国各地の主要な車両基地に配置されていましたが、新幹線の延伸や新型車両への置き換えの進行などで勢力を減らしつつあり、現在では東北地区・新潟地区・北陸地区及び南九州などで見られるのみとなっています。