高崎線内や首都圏でよく見られるジョイフルトレイン(お座敷列車など、団体貸切やイベント用に特化した車両)の紹介です。
高崎線の場合、群馬県北部に伊香保・水上・草津といった温泉地を抱えていることから関東一円からの団体客を乗せたジョイフルトレインを頻繁に見ることができるほか、最近では通常の臨時列車として運転されることもあり、乗車できるチャンスも増えてきています。
![]() 「やまなみ」 鴻巣駅で撮影(2006.11.)★ |
![]() 「せせらぎ」 宮原駅で撮影(2006.11.)★ |
「やまなみ」は1999年(平成11年)に、「せせらぎ」は2001年(平成13年)に登場したお座敷列車。いずれも常磐線の特急「ひたち」に使われていた485系電車に車体の載せ換えなど大規模な改造を施したもので、基本的にほぼ共通の設計(「せせらぎ」のほうがやや定員が多い)となっています。全国のJR線の在来線のほぼ全ての電化区間(信号設備の制約から走行できない津軽海峡線は除く)で運行可能です。
編成はいずれも4両編成で、車内は当然畳敷きです。掘りゴタツ形式の6〜14人用の座卓が並んでおり(全面フラットな畳敷きとすることも可能)、温泉旅館の宴会場を細長くしたといった雰囲気となっています。また、両先頭車の運転台後部はソファーを設置した展望スペースとなっているほか、中間車のうち1両に洋風の小部屋を設けています。4両編成なのは秩父鉄道や上信電鉄など周辺の私鉄に乗り入れることを考慮したためのようです(今のところ実現はしていません)。
所属はいずれも高崎車両センターで、高崎線沿線及び群馬県内からのお座敷列車による団体列車のほとんどにはこのいずれかの車両が(時には両編成を併結して同時に)使用されるほか、高崎線〜上越線などで臨時快速列車として運転されることがあります。
![]() 「宴」 熊谷駅で撮影(2001. 5.)★ |
![]() 「華」 大宮駅で撮影(2000.10.)★ |
「宴(うたげ)」は1994年(平成6年)に、「華(はな)」は1996年(平成8年)に登場したお座敷列車。485系電車からの改造車で、「やまなみ」「せせらぎ」の兄貴分といえます。
編成はいずれも6両編成で、車内は「やまなみ」「せせらぎ」とほぼ同様の掘りゴタツ構造の畳敷き(全面フラットな畳敷きとすることも可能)となっています。なお「やまなみ」「せせらぎ」もそうですが、お座敷列車らしからぬ風貌から、口が悪い鉄道ファンには「フルフェイスヘルメットのようだ」「子供向けの戦隊ヒーローものの真似か」などと言われることもあるようです(苦笑)。
単独で運転可能な区間は「やまなみ」「せせらぎ」と同様ですが、ほとんど実績はないものの車内の照明や冷暖房の電源をまかなう電源車を別に用意すればディーゼル機関車牽引で非電化区間に乗り入れることも可能となっており、これに対応してブレーキ管を機関車と連結するためのパイプが前面に突き出しています。
所属はいずれも小山車両センターで、通常は東京都内・神奈川県内・山梨県内及び宇都宮(東北)線沿線からのお座敷列車による団体列車に使用されるほか、東海道線や中央東線方面への臨時快速列車として運転されることもあります。
![]() 「ゆとり」 尾久駅で撮影(2006.11.)★ |
1997年(平成9年)に登場したお座敷列車。この車両はもともとは1983年(昭和58年)に14系客車(座席車)から改造されて欧風列車「サロンエクスプレス東京」として運転されていましたが、個室中心の車内が日本の団体旅行のスタイルに合わず1990年(平成2年)頃から利用が低迷していたため、首都圏ではいまだ人気が高いお座敷列車に再改造されたものです。
編成は6両編成で、車内は全面フラットな畳敷き(掘りゴタツ式ではない)となっていますが、車体の塗装・スタイルや両端の車両の展望サロンなどは欧風列車時代のままとなっています。
所属は尾久車両センターで、「宴」「華」とともに東京都内・神奈川県内・山梨県内及び宇都宮(東北)線沿線からのお座敷列車による団体列車に使用されます。ただし、牽引する機関車の手配が不要な「宴」「華」が優先的に使用されることが多いため、最近では尾久車両センター内で無聊をかこっていることが多くなっているようです。
![]() 「ニューなのはな」 熊谷駅で撮影(2000.10.)★ |
1998年(平成10年)に登場したお座敷列車。こちらも485系電車からの改造車です。
編成は6両編成ですが、お座敷列車としての使用だけでなく、通常のボックスシートの車両としても使えるという、他の同タイプのお座敷列車にはない特徴があります。もちろん、お座敷列車としての利用時も不自然なく畳敷きとなる巧妙な設計です。
所属は幕張電車区(千葉県)で、千葉方面からのお座敷列車による団体臨時列車に使用されます。
![]() 「リゾートエクスプレスゆう」 大宮駅で撮影(2001. 9.)★ |
1991年(平成3年)に登場したジョイフルトレイン。もともとはハイグレードな座席車だったのですが、利用の低迷などから1998年(平成10年)にお座敷列車に改造されました。現在は485系電車を名乗っていますが、その実態はかつて高崎線を走っていた特急「あさま」や房総特急などで余剰となった183系・189系電車のグリーン車などのなれの果てだったりします。
編成は6両編成で、当然車内は畳敷き(掘りゴタツ式ではない)ですが、4号車は欧風列車時代の設備を引き継いだ、DJ用ブースや展望用のドームなどを備えた定員外のイベント用スペースとなっています。また、最近ではほとんど実績がないもののディーゼル機関車牽引で非電化区間に乗り入れることも可能で、(こちらも最近では本来の用途に使用されることがほとんどないものの)専用の電源車も用意されています。
所属は勝田車両センター(茨城県)で、常磐線方面からのお座敷列車による団体列車に使用されます。
![]() 「夢空間」のデラックススリーパー(寝台車) 上野駅で撮影(2001. 9.)★ |
![]() 「夢空間」のラウンジカー 上野駅で撮影(2001. 9.)★ |
![]() 「夢空間」のダイニングカー(食堂車) 上野駅で撮影(2001. 9.)★ |
豪華寝台列車の将来像の提案として、1989年(平成元年)に製造された車両。車体の基本的な構造や走行性能などは24系客車に準じており、実際24系客車の一員として使用されていますが、同じ24系客車でも在来車からの改造車である「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」の車両とは一線を画した存在です。
編成はデラックススリーパー(寝台車)・ラウンジカー・ダイニングカー(食堂車)の3両からなっており、それぞれ都内の有名百貨店のデザイナーが内装を担当しているほか、車体塗装も従来の寝台車のイメージである青にとらわれない塗装が施されています。
デラックススリーパーはシティホテル並の設備を備えた2人用個室3部屋の構成で、一番いい部屋である「エクセレントスイート」には日本の鉄道車両で唯一バスルームも用意されています(ちなみに1泊1部屋67,280円(運賃・特急料金は別途必要))。ラウンジカーはアール・ヌーヴォー風の豪華な内装で、バーカウンターや自動演奏ピアノなども設置されています。ダイニングカーはポストモダン調の内装で、外観や連結位置(必ず編成の端に連結される)からもわかる通り、車窓の眺望を考慮した設計となっています。
完成当初は横浜のJR桜木町駅前などで展示されましたが、その後1991年(平成3年)1月から尾久客車区(現尾久車両センター)に配属され、「夢空間北斗星」などの臨時列車に連結されて使用されています。