踏切の設備

踏切の全景
籠原〜深谷で撮影(2000. 9.)★

一般的な踏切の全景です。
列車が来ると光る警報機の赤いランプは、現在はほとんどの踏切でLED化されています。また、この踏切の場合、自動車からよく見えるように、踏切の上にもランプがついている「オーバーハング型」になっています。
遮断機のサオは、かつては竹が使われていましたが現在の主流は釣竿などと同じカーボン製です。釣竿のように柔らかいものだと風でしなって列車や架線などに接触する恐れがあるため、硬めのものを使用しています。また、一時期踏切が閉まっているのに気づかず踏切に突入して列車と衝突する事故が各地で目立ったことから、この踏切はサオが通常より太いタイプを使用しており、これ以外にもサオが2本あるものやサオを折り曲げられても折れないよう途中にヒンジがついているものもあります。
車が通る部分の舗装は、かつては木材を並べたものが主流でしたが、最近ではコンクリート板を使用しているケースが目立ちます。
なお、踏切の脇にある「とまれ」と書かれた広告看板は、高崎線など北関東特有のもののようです。

踏切障害物検知装置(1)
籠原〜深谷で撮影(2000. 9.)★
踏切障害物検知装置(2)
吹上〜行田で撮影(2000.10.)★
踏切障害物検知装置(3)
行田〜熊谷で撮影(2000.10.)★

踏切の中で車が立ち往生してしまった場合などにそれを検知するための光センサーで、正式には踏切障害物検知装置と呼びます。
踏切を挟んだ2台が一組となっていて、踏切が閉まっている間にこのセンサーをさえぎると、後述の非常信号発光機が作動して列車に危険を知らせます。設置時期が古い光電管を使用したものは比較的大型ですが、最近設置されたものはレーザー光線を使用した非常にコンパクトな形状となっています。

踏切障害物検知装置(4)
宮原〜上尾で撮影(2008. 4.)★
踏切障害物検知装置(5)
踏切全体を見渡せる場所に設置されている
宮原〜上尾で撮影(2008. 4.)★

近年開発された、三次元レーザレーダ式踏切障害物検知装置です。
踏切全体をレーザー光線でスキャンして踏切内に存在しているものの三次元形状を検出するという方式で、踏切内を連続してスキャンすることで踏切内に存在しているものが移動しているか停止しているかを判断し、踏切内に一定以上とどまっているものが存在している場合は障害物とみなして後述の非常信号発光機を作動させる仕組みとなっています。

三次元レーザレーダ式踏切障害物検知装置の実用化(PDF)(石川島播磨重工(開発元)のWebサイト内)

以上のほか、踏切の下にループコイル式センサーを埋め込むタイプの踏切障害物検知装置もあります。

非常ボタン
籠原〜深谷で撮影(2000. 9.)★

非常ボタンです。このボタンを押しても後述の非常信号発光機が作動します。
高崎線内の踏切の場合、自動車が通れる踏切には全て設置されています。ただし、片側の柱にしか付いていないことがあるのでご注意を。

非常時以外に押すと、法令により罰せられます。

非常信号発光機(1)
籠原〜深谷で撮影(2000. 9.)★
非常信号発光機(2)
吹上〜行田で撮影(2000.10.)★

非常信号発光機です。
踏切に設置されている踏切支障報知装置が障害物を検知したり非常ボタンが押されたりすると動作して、列車に危険を知らせます。左のものは動作すると赤いランプが2灯ずつ反時計回りに回転するように点灯するもので、俗に「クルクルパー」などと呼ばれます。一方、右のものは動作すると上部に内蔵されているLEDが赤く点滅するもので、俗に「トウモロコシ」などと呼ばれます。
右のタイプのものは最近設置されたものに多いようですが、かといって左のタイプのものが設置されなくなったというわけでもないようで、高崎線内では両者ともに見ることができます。
なお、右のタイプのものは駅のホームの非常停止ボタンに連動したものもあります。

照明灯と監視用カメラ
行田〜熊谷で撮影(1999.12.)★

夜間に踏切内をライトアップするための照明灯と、監視用のカメラです。
最近では遮断機のサオを折られた場合の犯人の特定や、踏切事故の原因究明などのために、ほとんどの踏切に監視カメラが取り付けられています。

保守用車用踏切制御装置受信部
行田〜熊谷で撮影(2000. 8.)★

保守用車用踏切制御装置の受信部です。
保守用車は通常は駅間での作業時に踏切の誤動作を防ぐために踏切の制御装置に反応しない構造となっており、かつては踏切の直前で一時停止して安全を確認してから通過していました。しかしこの装置の導入後は、踏切を通過する際にはこの受信部に向かってリモコンを操作することで踏切を動作させて通過できるようになり、保守基地〜作業現場の移動時の安全性の向上が図られています。

踏切標
籠原〜深谷で撮影(2000. 9.)★

JR高崎支社の管内では、写真のような踏切標を手前の架線柱に取り付けています。列車の運転士が踏切事故に遭遇した際などには、この番号で踏切の特定をします。ちなみに番号は路線の起点側から(高崎線は支社境界の宮原から)順につけられています。


踏切事故を起こさないために

昔も今も変わらず列車の遅れの原因の上位にランキングされているのが踏切事故です。
踏切事故の原因は、踏切が鳴っているのに無理に踏切に進入する、前方に空きスペースがないのに踏切に進入して閉じ込められる、何らかのトラブルで踏切内で停止してしまったあと列車停止措置を怠るなど、ほとんどの場合車のドライバー側に原因があります。
踏切事故を起こせば列車のダイヤは確実に乱れるほか、状況によってはJRから数千万円〜数億円もの損害賠償を請求されるケース(列車側に死傷者が出た場合、列車が大破した場合、後続列車を含む特急が2時間以上遅れた場合、新幹線への振替輸送を実施した場合など)もあります。そういったことにならないためにも、車で踏切を通過する際は細心の注意を払いましょう。


万が一踏切内で車が動けなくなってしまったら

エンストした場合
速やかにエンジンをかけなおしましょう。AT車の場合はかけなおす際にギヤをニュートラル(「N」)にするのを忘れずに! MT車の場合はセルモーターを利用(ギヤを1速に入れ、クラッチから足を離した状態でキーを回す)して進んでも構いません。
エンジンがかからない場合は、車を押して踏切から出ましょう。ギヤをニュートラル(「N」)にすれば比較的簡単に(軽自動車なら女性ひとりでも)押せます。
脱輪した場合
とりあえず移動することを試みても構いませんが、すぐに移動できなかった場合は踏切が鳴っていなくても速やかに非常ボタンを押しましょう。非常ボタンを押せば列車は停まるので、あとはレッカー車を呼ぶなりなんなりして車を移動させればOK。
踏切内で閉じ込められた場合
遮断機は閉まっていても押せば簡単に通過することができますので、速やかに踏切から出ましょう(遮断機を折ってしまった場合はJRに連絡しましょう)。
前後が渋滞しているなどして踏切から出られないという場合は、躊躇せずに非常ボタンへ。列車は遮断機が閉まってから最短5秒でやってきます。
その他
車両通行止めの踏み切りに車で進入して身動きが取れなくなった、大型トレーラーが踏切で腹をこすって動けなくなった(踏切内は周辺よりも盛り上がっている場合が多い)、道路上で衝突した勢いで線路内に跳ね飛ばされた、などの理由で事故に至ったケースがあります。

踏切内で車が動けなくなってしまった場合も、慌てず冷静に車の移動を試み、それができないことがはっきりしたら躊躇することなく速やかに非常ボタンを押して列車を停めましょう。
非常ボタンが存在しない場合は、線路内で発煙筒を焚く、列車に向かって赤い布または赤いライトを振る、などの方法でも列車を停めることができます。
ただし、いずれも非常時以外に実行すると法令により罰せられますのでご注意を。