信号設備(1)

鉄道は通常、線路上を一定の区間に分割し、その区間内には列車を1本しか入れないようにすることで列車の正面衝突や追突などを防止する「閉塞(へいそく)」という考え方のもとで運行されています。また、この列車を1本しか入れないようにした区間のことを「閉塞区間」と呼びます。
高崎線では全線で、色灯式信号機を使用して停止信号より先に列車を進入させないことで閉塞区間を確保する「自動閉塞式」を採用しています。高崎線の場合、1つの閉塞区間の長さ(信号機の間隔)は200m〜2km程度です。


出発信号機・場内信号機・閉塞信号機

鉄道用の色灯式信号機には「進め」「止まれ」の指示だけでなく「このスピードで進め」「(線路が分岐している場合に)この線路へ進め」といった指示も含まれており、自動車用の信号機よりも複雑な指示を伝えるものとなっています。

鉄道用の色灯式信号機のうち、赤・黄・緑(青ではありません)の3色の信号を表示する信号機は、駅などから出発する列車に対して信号を表示する「出発信号機」、駅などへ進入する列車に対して信号を表示する「場内信号機」、駅間に設置する「閉塞信号機」などに分類され、非常時の取り扱いなどが異なるため運転取り扱い上は厳密に区別されています。
このうち、場内信号機は確認をミスすると駅構内での分岐器制限速度の超過などの恐れがあるため、通常は「出発信号機」→「第3閉塞信号機」→「第2閉塞信号機」→「第1閉塞信号機」→「場内信号機」のような順で信号機を設置することで運転士に注意を促す仕組みとなっています。

色灯式信号機の表示色には以下の通りの意味があります。

「停止」信号
信号機の手前で停車せよ
赤信号
「警戒」信号
25km/h以下の速度で進め
黄+黄信号
「注意」信号
45km/h以下の速度で進め
黄信号
「減速」信号
65km/h以下の速度で進め
黄+青信号
「進行」信号
最高速度まで出してよい
青信号
上記5点の写真はいずれも浦和駅で撮影(2004. 1.)

ちなみに「出発進行」とは「出発信号機が進行信号である」という意味になります。
なお、記載してある指示速度は国鉄〜JRの標準のものですが、高崎線をはじめ首都圏の多くのJR線ではブレーキ性能のよい電車列車に限って注意信号は55km/h以下・減速信号は75km/h以下とされているようです。

信号方式が自動閉塞式の場合、出発・場内・閉塞の各信号機は前後の信号機と連動して動作しており、基本的に以下のイラストのように動作します。

信号機の間隔が短いところなど、3灯式信号機では減速が間に合わない場所では、 4〜5灯式信号機が使われます。後続の列車は、信号の指示にしたがってスピードを落としつつ、停止信号(赤信号)の手前まで進入することができます。

前方で線路が分岐している場合は、分岐している線路の本数に応じて複数の信号機が並び、どの線路に進入してよいかを示します。
なお、原則として重要な線路(本線・通過線など)に対する信号機ほど高さが高くなるように設置されます。

信号機
高崎駅下り場内信号機(3基とも)
進路表示機を併用し、左から3番目の線路
(2番線)に進入可能であることを示している
倉賀野〜高崎で車内から撮影(2005. 7.)

大宮や高崎などの大規模な駅では、出発信号機を通常は停止信号としておいて、列車が出発する時だけ進行信号となるよう制御している場合があります。ホームの乗客が多いことから危険防止のために列車の進入速度を下げる、構内のポイントの制限などが複雑なため運転士に対して注意を喚起する、などの理由によるもののようです。
また、電子連動装置(コンピュータ制御による駅構内の信号・ポイント制御装置)が設置された駅では、列車の到着・出発時刻の直前になるまで場内・出発の各信号機を停止信号のままとして、誤出発や誤進入を防ぐようになっています。
なお、最近では信号機の電球の玉切れを防ぐため、電球のLED(発光ダイオード)化が進んでいます。


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