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退院後



●96/08/23(金) 退院後、最初の外来受診

いよいよ退院後第一回外来。
6時に起き、7時前に家を出る。(*注:待つのがいやなので早く行く)8:10に再来機(診察カードを通すと受け付けができるキャッシュディスペンサーみたいな機械)をとおる。5番だった。

今日はめづらしく空いていて、先生も機嫌がよかったみたいので、病理の結果を詳しく説明してくれた。

でも先生にあれこれ聞こう思っていたのに、終ってみると結局、全々きけなかった。だって、思いがけない事言われたから、、、。

私としては、「放射線治療をしますから、明日から毎日来てください」と言われる事を覚悟していたのに「どっちにする(放射線を受けるか否か)か考えてきてください」と言われてしまった。

呆然としつつ薬のところに行くと、40分待ちの表示。時間つぶして戻ったら、Mさん(同室で先に退院した人)とKさん(部屋は違ったが同じ病気でMさんの翌日退院した人)とばったり会い、立ち話10分、喫茶店に場所を移し、小1時間おしゃべり。いろいろ情報がきけて良かった。

帰りに神田の書泉で資料を3冊仕入れる。
集められるデータをすべてインプットし、人の意見も聞き、そして最後は自分の「直感」を信じて決めよう。

(*注:普通、「乳房温存手術+放射線治療+投薬」を総合して「乳房温存療法」と言う。しかし手術時点のガンの大きさ、その患者のガンのタイプ、などによってその後の治療方法が違うようだ。温存手術にも、がん周囲1cmほどをくりぬくランペクトミーと、がんを含めて乳腺の1/4を切り取るクアドランテクトミーなど方法はいろいろあるし、病院によって治療方法にはかなり違いがあるようだ。

乳がんの恐いところは、乳房にしこりとして発見される時には、すでに体のどこかに転移をしている場合があることだ。だから、手術後に、乳房にまたしこりとして出てきたり(局所再発)、肺や骨に転移(遠隔転移)している場合がある。そのため手術後に、すでにどこかに存在しているかもしれない(ないかもしれない)、がんの細胞を、放射線治療で退治するのだ。

がんになった乳房を全部切り取る場合は、局所再発はありえない。だってもう、乳房そのものがないのだから。温存では乳房が残る。だからその残った乳房にがんの見えない芽が隠れている危険があるのだ。

放射線をやると局所再発の可能性は少なくなる。それなら、やっておけば安心だけど、放射線治療は体へのダメージもある。1ヶ月間、毎日、治療に通わなければならないというのも大変だ。

私の場合、リンパも取って、転移がないこともわかったし、病理の結果は「たいへんよい」そうなので、「やらないで不安ならやりなさい。でも、やらなくても大丈夫。」ということらしい。しかし、ずいぶん迷った。)

ご注意!

結局わたしは放射線治療をしないことに決めましたが、結論を出すまで、何冊も本を読み、上記に書いてある以上にいろいろな事を考え、人から意見を聞いたりしました。放射線治療に対する不安が大きかったから治療をうけなかったわけではありません。あくまで「わたしのケース(病状)では、放射線治療をうけなくても良いのではないか」と判断したのであって、これが誰にでも当てはまる訳ではありません。

放射線治療とインフォームド・コンセントもご参照ください。



【コメント】2003.8
私の「病理検査報告書」を見ると、術式はquadrantectomy(1/4切除)となっている。切除部分は7.5×4.0×2.0cm。切除断端は陰性(切り口の部分に癌細胞がない)。

傷跡は皮膚表面に猫が引っかいたような線状の手術痕がうっすらあるだけで、乳房の形は全く変っていません。

うろおぼえの主治医の言葉では「えぐった部分に別の部分から脂肪を寄せ集めた云々」というようなことを言っていた気がします。

自分の傷跡がたまたま綺麗だったので温存とはこれが普通なのだといつのまにか勘違いしていたところがありますが、本など見ると1/4切除では切除部分が大きいので、乳房が著しく変形してしまう場合もあるそうです。

切除部分の少ないランペクトミー(くりぬき)の場合は放射線をかけるのが普通ですが、1/4切除の場合は切除部分が大きく取り残しの可能性は低いので放射線をかけない場合もあるとのこと。

このことは、最近になって改めて認識しました。当時はいろいろ調べてわかっていたつもりでも、実はわかっていないこと、勘違いしていることもたくさんあったんですね。情報も少なかったし。


これから手術を受ける方には、温存といっても術式による違いがあるということを知っておいてほしいと思います。

●96/08/24(土)
天気が悪く湿気があり、どよーんとしている。
ダンナは朝から晩まで、どよーんとして寝てばかり。

私は、放射線治療をするかしないか、という問題と仕事をどうするかという問題で、考えがまとまらなくて、、、。
でも、その問題そのものをずっと考えていると行き詰まるけど、何か他のことをしているとき、ひょこっと「これだ」という答えがみつかるような気がする。

時間はあるのだから、無理矢理答えを「出す」のではなく、自然に答えが「出る」のを待とう。


●96/08/30(金)
T医大外来。
放射線はやらないことに決めた。
やってもやらなくても他の治療は同じとのこと。
薬は2年飲み続ける。月1回の通院。3ヶ月に1度の検査。

薬飲んでるあいだは妊娠出産はできない。3ヶ月前に薬を止める必要があるので、子供が欲しい場合は相談してくださいとのこと。手術後に出産した人もたくさんいますから大丈夫です、と。(今のところ作る気ないからいいけど)

診断書もらったり、この前もらいそこねた鉄剤(*注:ついでに貧血の治療もしてもらっている)をもらったり、しなければならないことがいっぱいあって、今日こそ、聞き忘れ、もらい忘れがないように!とキンチョーするおかげで、せっかく先生が説明してくれているのに「次ぎはこれを聞いて、あれを頼んで」と頭のなかで考えてしまって、何がなんだかわからなくなっていた。終ったらどっと疲れた。

でも、こういうのは今回で終りだろうな。次回からは「変わりないですね」「はい」とかで済んじゃうんだろう。
あとは、自分がよく注意して、少しでもおかしいことがあったら、すぐ先生に言うようにしないとね。治すのは自分!


●96/08/02(月)
今日会社に行ってきた。
在宅勤務にしてもらうことを頼もうと思って。(*注:うちの会社では以前、在宅勤務の前例もあるのだけど、種々の都合により中止になってしまった。)

在宅がだめと言われたら、辞めるしかないと思っていた。
でも、こっちが頼む前から、社長が考えていてくれて、当分は受託の仕事(*注:会社はソフトウエアハウスでパソコンのプログラムをつくるのが今の私の仕事。「受託」というのはお客さんから依頼のあったシステムを作る事)は、無理だろうから、社内の管理システムなどを作ってもらうことを考えている、在宅でもかまわない、と言ってくれ、10月から仕事をすることになった。

今後の治療方針もはっきりしたし、社会復帰のメドも立ったし、先の見通しが明るくなったのでやっと精神的に落ち着いた。これで9月中なんの不安もなく、のんびり自宅療養できる。



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