私が乳がんを告げられた1996年頃は、Yahoo!
Japanで「癌」というキーワードで検索しても、国立がんセンターくらいしか出てきませんでした。アメリカにはたくさんあったようですが、私は英語ができないので役に立ちませんでした。その頃の日本のインターネットはまだ、癌に限らず何を調べるにしてもそんな感じだったような気がします。
私は7月に手術、8月に退院、10月にはこの「乳がんホームページ」を立ち上げました。でも別に「自分がやらなければ」とか「使命感に燃えて」とかいう理由で、このページを作った訳ではありません。正直言うと、人助けをしようというよりは『まだ誰もこのネタでホームページ作ってないみたいだから、私が一番乗り!』という面白半分(?)の気持ちのほうが強かったかもしれません。
すでに自分のホームページは持っていたので、それに新たなコンテンツを増やすというだけのことなので、苦労はしませんでした。入院時に日記を書いていたので、中身はそれを入力しただけ。いわば、ごく自然のなりゆきだったのです。私はすごく怠け者なので、もしもホームページをゼロから作らなければならない状況だったら、そして、すでに誰かが同じようなページをやっていたら、きっとこのページは作らなかったと思います。そんな軽いノリでこのページは作られました。(意外でしたか?)そんな私なのにもかかわらず、たくさんの方からメールをいただき、感謝されたり褒められたりして、なんだか申し訳ないような気がしていたので、ついに白状してしまいました。
でも、そんなふうに軽い気持ちではじめたものの、スタートしてからは、結構苦労しました。いろんなことが、ありました。最初の頃は、掲示板もなかったので、質問のメールが全部私に来る訳です。答えられる限りは丁寧に答えました。「自分はインターネットを使えない、知り合いに頼んでメールをだしてもらっている。できれば返事は手紙でほしい」なんていうメールにだって、ちゃんと答えました。自分にわからないことがあれば、できるだけ調べて答えました。答えがわからない場合でも、必ず返事は書きました。返事をだすことだけでも、少しは励みになるんじゃないだろうかと思うからです。相手はナーバスになっているだろうから、言葉を選び、慎重に書きました。だから時間もかかります。でも、そうして苦労してお返事を書いても、その後「なしのつぶて」という人が結構多いので、めげることもしばしばでした。
自分の名前も名乗らず、いきなり質問をつきつけてくる人、『とてもショックで心細くてどうしていいかわかりません、ぜひぜひお返事ください』『病院名は教えない、と書いてありましたけど、どうしても知りたいので教えてください』とか、なんだか切羽詰ったメールをくれる人ほど、教えてあげてもその後の結果どころかお礼の一言もなんにない場合が多い。(別にお礼を言われたいわけじゃないけど、返事くらいくれるのが礼儀じゃないんでしょうか?)HPに書いてあることを読みもしないで質問してくる人も多い。 ショックなのはわかります。その人にしたら死ぬか生きるかの一大事で、焦っているっていうのも理解できます。でもね、だからといって、回りの人の気持ちや迷惑を考えなくてもいいってことじゃないと思うのですよねえ。「なんで、私、こんなことやってるんだろ?」て哀しくなったことも何度もありました。(ああ、だんだん愚痴になってきてしまった・・・)
今から思えばおかしいけど、スタート当初は、乳がん患者本人からのメールって、全然来なかったんです。男性からのメールのほうが多く、内容は 「
母が(妻が)癌と診断された(あるいは癌かもしれない) 」
というご相談でした。あとは、乳がん以外の癌に関するメールも結構来ました。つまり、その頃のインターネット利用者は男性が多かったっていうことと、先にも書いたように、癌患者本人が作っているページが他になかったために、同じ「癌」ということで、私のところにメールが来たんでしょうね。来るメールは「質問」ばかり。同じ病気の人と友達になれたらなんて思っていた私は、ちょっと当てが外れた感じでした。
だから、最近は同年代の女性からの「似たような体験をした」というメールも増えてきて、とても心強いです。(病気の人が増えたことをよろこんじゃいけないですが(ーー;))今は掲示板もあり、私がフォローしなくても、訪れた方がお互いに励ましあったり情報交換しあったりできる雰囲気になっていて、理想的な状況かな、と思います。「誰かが質問して私が答える」というパターンじゃなくて、もしもこの掲示板で誰かに助けられたら、次はその人が別の誰かを助ける、そしてまた次の人へ、そういう「励ましのバトンリレー」みたいな掲示板になればいいなと思います。
癌に関するサイトもたくさんできて、私のページなどよりずっと充実した内容で、意欲的にホームページづくりに関わっている方がたくさんいるので、本当によかったなあと思います。私のホームページに足りない部分は他の人がフォローしてくれるであろうから、もう、1人でがんばらなくてもいいんだ〜と思うと、肩の荷がおりたような気のする今日この頃です。(-_-;)
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