| 「乳がんホームページ」を作る少し前から、「日本の良いもの・美しいもの」(最初はタイトルが違いましたが)というページをスタートさせていました。私はなぜか小さい頃から茶道、華道、書道、三味線(長唄)という和の習い事を、自分から好んでしていました。短大での専攻も「国語」です。学生時代は「禅」にハマり、鎌倉のお寺に通うなどしていました。こういうと、自分のホームページのテーマに「日本の伝統文化」を選んだことは、当然のように思われるかもしれませんが、会社に入ってからは、仕事も忙しくて、習い事を続ける時間的余裕もなく、そういう世界とは縁遠くなっていたのです。私が「日本の伝統文化」に関するホームページを作った事は、一緒に仕事していた会社の人たちには、きっと意外なことだったと思います。このホームページを作ることによって、私は忘れかけていた自分らしさを取り戻そうとしていたのかもしれません。
私はそもそも、絵や文章を書いたりすることが好きなので、自分の書いたものを自由に発信できて、しかも見てくれた人からフィードバックまである「ホームページ」という場を得られたことは、本当にありがたいことでした。もしも仕事でコンピュータを扱っていなければ、こんなに簡単にホームページを立ち上げることはできなかったと思うので、いやいやながらコンピュータを仕事にしてきたことが、ここでやっと自分の役に立ったと感じました。「日本の伝統文化」に関するサイトも、最初の頃は少なかったので、たいした内容ではないにもかかわらず、いろいろとうれしいメールをいただき、励まされました。それが、会社を辞めて、先行き不安だった私にとってどんなに自信につながったことか・・・。
充電期間と思っていた一年が過ぎようとしていたころにちょうど、ホームページを見てくれた人から、仕事の話が舞い込んできました(特にPRしていたわけでもなかったのですが)。現在では、細々とですがホームページ作成などの仕事をコンスタントにできるようになりました。ホームページ作成だけでなく「文章や絵を書く仕事」にも広がってきました。気がつけば、会社を辞めたときに「こうなればいいな」と思っていた方向にちゃんと進んでいたのです。好きなことをやっていると、自然とチャンスがやってくるんだなあと思います。
もちろんここに至るまでには、紆余曲折もありましたしが、最近は、いいペースで楽しみながら仕事ができるようになってきたと思います。安定した収入があっても、いつも針の筵に座っているような気分だった会社員時代の自分には2度と戻りたくありません。日記の中で私は「この病気は私に、立ち止まって人生を考え直しなさい。という神様からのメッセージなのだと思っている。」と書いていますが、今、改めて考えてみても、病気になったことで人生を軌道修正できて、本当によかったと思っています。もしも「癌」という病気にならなければ、あのままずっと「いやだいやだ」と思いながら、会社づとめを続けていたと思います。今考えると、本当にバカみたいなんだけれども。
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