寒い仕事を寒いマシン室でやる日々。 心と体の両方を満遍なく冷やされている状態。
「それ、いっそもう全部やってみたら?」
「犬も歩けば作戦ですか。
もうここまで来て、今更って感じなんですけど」
「でも、総当たりするのと、効率的な選抜処理を考えるのにかける時間と、同じぐらいになるんじゃないの?」
「それを言われると痛いです。
でも、ちょっとプライドが」
「それ、プライドが有るんじゃなくて、勇気が無いんじゃないの?」
「うわ、渡邊さんからそんな台詞を聞けるとは思いませんでしたよ」
「ふふん…
そう言えば、犬って、諺で良い扱いされてないよね?」
「言われてみればそうですね。
犬も歩けばとか、むしろ良い方かも」
「そのくせ、犯罪捜査から癒しまで、犬に頼ってるんだよね」
「確かに。
犬を飼うのも、今じゃ番犬より子供の代わりだったりしますからね」
「犬から見たら、人間ってかなりのツンデレなのか」
「何を言い出すのかと思ったらそれですか。
さっきちょっと良いこと言ってたのに」
「でも、否定は出来ないだろ?」
「この流れを否定したいです」
「やたら高いドッグフードを買ってきて
『これしか無かったんだから!
仕方無かったんだからね!』
とか」
「あはは…
どんどん駄目な方向に進みますね」
「ところで、理想のツンデレ配分って、どの辺りなんだろ?
7ツン3デレ?
8ツン2デレ?」
「んー…
やっぱりその辺りですかね。
意外に幅が狭いんですよね」
「こんな寒い中で仕事させる仕打ちは、9ツン1デレぐらいか」
「そうですね…
って、デレってありましたっけ?」
「…」
「…」
何もしなくても寒いのに、余計なことを考えて更に寒くなるのだった。