2007 02 04

綾波レイ

夢を見た。

夢の中の俺は中学生。 当時密かに好きだった女の子と、祭りに来ていた。 季節は、たぶん夏。

屋台なんかを一通り回って、途中で買ったたこ焼を手に、ベンチに座った。 猫舌の俺は、たこ焼がすぐに食べられない。 早く冷めるようにと、並んだたこ焼きの隙間をちょっとづつ広げてみたりしてた。

彼女は、俺の斜め前に立って、空を見上げていた。 もうすぐ花火が始まるのだ。

たこ焼を一つ食べてみたら、やっぱりまだ熱かった。 ちょっと涙目になって顔を上げると、彼女は相変わらず空を見上げていた。

彼女は浴衣。 白地に何か淡い柄の浴衣。 水色の帯。 手にした団扇を、扇ぐでもなく玩んでいた。

浴衣も白いが、肌も白い。 浴衣から覗く首筋や手足が、ことごとく白い。 白いなぁ…いや、白いよりは薄いって感じか。 日焼けすると辛いんだろうなぁ。 そう言えば、虫刺されの痕が酷く赤くなってたよなぁ…でも、そんなとこ見られてるなんて、あんまりいい気はしないんだろうなぁ…なんて、ぼんやりと後姿を眺めていた。

後姿を眺めていて、ふと、綾波レイに似ていると思った。

似ていると思って見ると、ますます似ているように見え始めた。 今にも振り向いて、 「あなたは死なないわ。 私が守るもの」 なんて言いそうな気がしてきた。

「花火、なかなか始まらないね」

そう言って、彼女が振り向いた。 背を向けていた彼女は確かに15歳の少女だったのに、振り向いたときには、今の現実の歳相応よりも遥かに老け込んだおばあさんになっていた。

そんな夢。

その子のことは、密かに好きだったが、だからといって何をするわけでもなかった。 ほとんど話もしなかったし、もちろん祭りに一緒に行ったことも無い。 今、何処で何をしているのかも知らない。