2003 10 05

東北の旅

東北の旅。

一ノ関で昼食→中尊寺→厳美渓と回って日帰りの積もりだったのだが、大幅に予定変更。 中尊寺でゆっくりして、ちょっと毛越寺を歩いて、その日は盛岡に泊り。 翌日は、市内の宮沢賢治ゆかりの地を散歩した後、厳美渓をやめて遠野へ。

もともとそんな所ばかりを選んで回っていることもあるのだが、盛岡以外はどこも見事なぐらいに田舎。 駅は自動改札じゃないのが当たり前。 そもそも改札っぽいものが何もなくて、電車が来るのにあわせて出てくる駅員に切符を手渡しだったりする。 新花巻なんて、新幹線の連絡駅だというのに、在来線側は無人駅。 平泉駅では、電車は1時間に1本。 時刻表がものすごく見やすい。 駅を少し離れると、辺りはもう田圃ばかり。 刈り取りの終わった田圃で、刈り取った稲を干すのに、立てた棒にそって積み上げてあるのが珍しい。 横に渡した棒にかけて並べるものだと思っていたが、こんなやり方もあるのか。 地方によっていろいろあるんだな。 と思ったが、横に並べたものもあったし、ぜんぜん違う工程なのかもしれないな。

中学校の歴史の時間で知って以来、ずっと見たかった 中尊寺 。 金色堂はもっと小さいものを想像していたのだが、意外に大きかった。 金色の仏像が金色の壇上にぎっしり。 撮影禁止なのが残念だ。 明々とライトアップしてるのだから、フラッシュが問題という訳でもないだろうに。 ライトは、むしろもう少し落としてほしいぐらい。 その方がもっと荘厳な感じになると思う。 その他、重要文化財っぽいものはどれも撮影禁止。 とは言っても、結構たくさんある堂や祠を端から全て回って、メモリー一杯になるまで写真を撮ったんだけど。 そうして歩き回るのは、俺は好きだからいいが、連れには結構辛かったかもしれないな。 ちょうど金色堂を見ているときに、修学旅行の中学生がやってきたのが邪魔だった。 大人しい子供たちばかりなのがまだ救いだが、いくら大人しくても、大勢だとやっぱり邪魔なのだ。 修学旅行は、観光客の多い土日を避けて見学しろよ。

遠野の 伝承園 は、一見ただの古い民家。 珍しさよりも懐かしさが先に立つのは、建て替え前の祖父の家を思い出させるものがいろいろあったからだろう。 離れの風呂、土間、古い農具、臼と足で踏む杵、などなど。 夜、一人で離れの風呂に入るのは怖かったなぁ…正月の餅つき、俺も杵を踏みたかったんだよなぁ…なんて、いろいろね。 そういったアイテムが結構乱雑に置いてあるのは、無理矢理に良く解釈するなら、生活感を持たせて展示しているってことか。 そして御蚕神堂。 橙色の薄明かりに浮かぶ壁一面の布には、その一枚々に、ここを訪れた人の願い事が書かれている。 金、受験、恋愛、子供の病気の回復、下らないものから深刻なものまで。 それら、叶うことの無かった一人一人の小さな望みが、何年にもわたってこの小さな空間に溜まって、澱んで、ヘドロのようになっているのだ。 たぶん。

一ノ関では、 三彩館ふじせい という餅の専門店( ?)で昼を食べたのだが、これが結構良かった。 ひと口もち膳はお勧め。 餅はこの辺りの名産品なんだそうだ。 食の名産が餅なら、工芸の名産が南部鉄器。 いろんな店にいろんな南部鉄器製品が並んでいる。 風鈴、やかん、湯呑、ジンギスカン鍋、たこ焼きの鉄板、などなど。 風鈴はいい。 店先にたくさん吊るしてあるのが、風が吹くと一斉に鳴る。 ガラスとは違う澄んだ音色の重奏は、ちょっとおどろおどろしくて、なかなかいい感じなのだ。 そうそう、河童伝説から来ているのだろうが、河童の男女を模った栓抜きもあった。 女の河童の方は、がに股に開いた股間の部分で開けるようになっていて、かなり使い辛い。 精神的に。 そうそう、平泉の土産物屋には、南部鉄器に紛れて、南部鉄器とは何の関係もなさそうな十手が置いてあって、ちょっと心惹かれたのだった。

案内してくれたお嬢さんが、俺の脇腹をつついて、ポヨポヨしてると笑ってた。