土曜日が休みなのは、タイに来て初めて。 ということで、今日はバンコク市内の寺巡り。 タクシーを借り切って、有名どころの寺を3つほど回ってきた。
まずは、ワット・ポー。 別名、涅槃仏寺院。 傾斜の急な屋根に魚の鱗のような瓦。 屋根の端には、唐辛子をもっと長く伸ばしたようなとがった飾り。 そして、壁一面にキラキラ光る石の装飾。 と、建物そのものは、多分アユタヤ様式とでもいう独特のものなのだが、その周りにある石像は、他国の文化の影響を色濃く受けて…と言うか、もろに中国。 一部ポルトガル風。 連れが言うには、 「タイはその時々の強い勢力に擦り寄ることで生き延びてきた」 のだそうだ。 これらの明らかな非タイ風の石像も、その故なんだろう。 たぶん狛犬だと思うのだが、何だか得体の知れない、しかしどこか愛嬌があって間抜けな顔の像もたくさん。
靴を脱いで本殿に入ると、すぐに全身金色の涅槃仏。 やたらでかくて迫力はあるのだが、横顔がチビ丸子ちゃんに出てきそうな感じで、ちょっと笑ってしまった。
涅槃物の正面側通路には、柱の合間合間に、これまた金色の小さな仏像がある。 参拝客は、金箔を買ってこの仏像に貼り付ける。 金を払って金箔を買い、その金箔をまた寺に残す訳で、寺からすればいい儲けだな。 金箔はたぶん再利用するんだろうし。
仏像の背中側通路には、壷のような賽銭箱( ?)がたくさん並べてある。 賽銭用のコインを買って、それを全ての壷に順番に入れていくのだそうだ。 実際にやっている人がいたのだが、その人たちにはりついた寺の人が、慣れた手つきで賽銭を回収していた。 ムードも何もあったもんじゃない。
金色の仏像がガラスケースに入ってずらりと並んでいるのだが、その仏像のポーズが何かに似ている。 何だっけ、これ。 と、連れと何度ものそのポーズを真似して、やっと思い出した。 江頭だ。
メナム川の支流( ?)をボートで渡って、ワット・アルンへ。 川は汚いが、海に近い大きな川ってのは、みんなこんなもんだろう。 この辺で物を売ったりしている人は、隙あらば金をごまかそうとするのだが、金額自体が安いのであんまり気にならない。 そういったこちらの感覚も計算のうちなんだろうか。 ま、どうでもいいけど。
ワット・アルンは、別名暁の寺。 石造りの塔が立ち並ぶ。 タイの街中で見かける他の寺や塔と違って、先端が丸い。 急な階段と狭い通路で塔の周りを歩けるようになっているが、塔そのものの中には入れないようだ。 塔の中に空間はあるのかな。 上層を支えるように象られてぐるりと並ぶ石像と、まるで無地に恐怖でも感じているかのように壁面を埋めるいろんな装飾。 しかしその装飾に使われているのは、その辺の店から貰ってきたような小皿だったりする。 それも日本風だったり。 あまり近寄って見ない方がいいかも。
タクシーで移動して、次はワット・プラケーオ、別名エメラルド寺院へ。 金箔とキラキラした石で覆われた建物と、やはり金箔で覆われた尖塔。 上半身が人で下半身が獣の金の像。 胴体が一つで首から5つに分かれそれぞれが人の顔を持つ、これまた金の像。 狛犬の顔に人の体の赤緑二対の像も、鎧は金尽くし。 とにかくキンキラキン。 幸いの晴天にものすごく映えるのだが、これもやっぱり遠くから眺めるべきだろう。 特に建物は、近寄ってみると粗が目立つ。
長い廊下の壁には一面に絵が描いてあって、所々に、その壁画を修復している人がいる。 ちょっと塗っては考え、考えてはまた塗っているのだが、塗る前と後で何かが変わっているようには見えない。 それよりも気になるのは、壁画の画風が場所によって違うこと。 以前の絵の通りに修復しようとしているのではなくて、単に好き勝手描いているだけなのかもしれない。
寺院の中にアンコールワットのミニチュアがあった。 昔、王様がアンコールワットを見て感動して作らせたらしい。 壮大な規模に感動したものをミニチュアにしちゃ台無しだろうと思うが、当時の王様はこれで満足したのかな。
アンコールワットと言えば、 「あれは元々タイのもの」 だとタイの人気女優が発言したとかで、カンボジアで暴動が起きているのだが、こっちには何の影響も無いな。 どうしようもない経済格差に対する嫉妬と羨望、かつてはこっちが上だったのにという思い、いろいろ積もり積もっていたのだろう。 きっかけは何でもよかったのだろうと思う。 暴動のニュースがあった翌日だったか、 「カンボジアのことをどう思うかって訊いたら、鼻で笑いよった。 あの態度で、お互いがどう思ってるか、大体のことは判ったで」 と聞いた。 ちなみに ASEAN の中でのランク付けだと、1位は誰もが認めるシンガポール。 2位が、タイ人はタイだと言い、インドネシア人はインドネシアだと言うそうだ。 後は一絡げのボトムライン。 ま、実際そんなところだろう。
夜はスカラという鱶鰭専門店で鱶鰭。 美味いけど高い。 高いけど美味い。