昨日だったかな。 いつものように大江戸線に乗っていた。 座席はちょうど埋まっているぐらいで、立っている人がドアの傍にちらほらいる程度。 俺もゆったり座って、いつの間にかうとうとしていた。 で、ふと前を見ると、シャツのボタンを3つ開けた巨乳のお姉さんが座っていて、やっぱりうとうとして前かがみになったりして、ちょっと際どい事態になっていた。 そうは言っても薄暗い地下鉄の中。 前屈みでは影に隠され、体を起こせば服に隠され、何とももどかしい思いだったのである。 せっかくの巨乳さんなのに。
と、隣の車両から、随分と派手な婆さんがやってきて、俺の前に立った。 婆さん、俺の方を向いて立っていたのが、ふと振り返って、慌ててまたすぐに振り返って、あたりをきょろきょろ見回して、それからまた後ろを向いて固まった。 胸の大きく開いたお姉さんに、物凄く吃驚したらしい。 婆さんの位置からだと、服の中が丸見えなんだろう。
で、婆さんだが、どうするのかと思ってみていたら、わざわざお姉さんを起こして注意しやがった。 「ボタンが開いてますよ」 なんて。 注意されたお姉さんは、最初は何を言われているのか判らない様子だった。 開いているのではなく開けていたのだろうから、まあ当然と言えば当然か。 それでも、暫く言葉を交わした後にボタンを留めて、次の駅で電車を降りていった。
その後の婆さんだが、何だかとっても得意そうな笑顔で辺りをきょろきょろ見回した後、さっきまでお姉さんが座っていた席に座り、たまたま隣に座っていただけの知り合いでもなんでもないらしい婆さんに話しかけていた。 「最近の人は凄いですよね。 みっともないとか思わないんでしょうかね。 見ているこっちが恥ずかしくなってきますよ」 なんて。
あの得意顔は、誰も注意しない中で自分だけが注意してあげたという気持ち、ある種の高揚感の表れだったのだろう。 辺りを見回したのは、 「最近の若い人は…」 なんて、その気持ちを自慢混じりに分け合える老人、それも女性をさがしていたのだろう。 などと勝手に想像して、 「どっちかって言うと婆さんの方が恥ずかしいよなぁ」 と思ったという、まあそれだけの話。
しかしまあ、胸の谷間が覗けそうだなんてことを楽しみに思っている俺も、いい年をして十分恥ずかしいのだが。 そして今日、誕生日を迎えて、更にいい年になってしまった。