予定より早く作業が終わったので、氷見という所に行ってみた。 場所の選択にあまり意味は無い。 高岡に来る前にGoogleの地図で眺めていて、なんとなく目に付いたってだけのこと。 正直、大して期待していなかったんだけど、これがどうして、なかなか良かったな。
出発は、高岡駅の一番端の、おまけについているようなホーム。 2両編成の全面に忍者ハットリ君が描かれた電車。 自分でドアを開けるタイプの車両は、寒い地方の基本装備だろうか。 それも俺の目には十分に珍しいのだが、この氷見線はそれだけではない。 運賃の支払いが、切符と整理券の併用なのだ。 大きな駅では切符を買って乗り、小さな停留所では電車に乗るときに整理券を取る。 整理券組みの支払いは、小さな停留所では電車を降りるときに運転手に、大きな駅では改札で。 大きな駅とは言っても、そこは単線の氷見線。 高岡以外は駅舎があるといった程度のものだが。
のんびりとした田舎町を過ぎ、海が見えたと思ったら、落ちそうなぐらいにきわどい海岸線上を走る電車。 見下ろせば、眼下いきなり荒い波。 このあたりは国定公園なんだそうだ。 景色は、綺麗と言えば綺麗なのだが、下を見るとちょっと落ち着かない。
そんなアトラクションのような景色も、雨晴という駅を過ぎたあたりで大人しくなって、普通の海岸の景色に。 そしてすぐに終点の氷見。
氷見。 まあ、普通の港町。 小さな路地に入ると、古い造りの家が並ぶ。 寺社仏閣が多いのは、やっぱり安全と豊漁の祈願なんだろうか。 そんな町のどこを歩いていても、海の音が聞こえる。 波の音といえば、こことは反対の富山寄りの海岸に住んでいる人が、 「海沿いに暮らす人はみんな、一度は、自分の家が津波に呑まれる夢を見る」 のだと言っていた。 この辺りの人も、やっぱりそんな夢を見るのだろうか。
海の色は暗い。 空は青く、雲は白く、天気は素晴らしくいいのだが、空に反して海は暗い。 以前 出張で富山に来たときに滑川で見た、小雨降る空の下の海とほとんど変わらない。 これが日本海の色なんだろうか。
そんな海を暫くぼんやり眺めて、さて、そろそろ帰るかと駅に行ったら、ちょうど電車が出た後だった。 次の電車は1時間後。 しょうがないからまた海へ。 ぼーっと見てて気が付けば1時間ぐらいたっていた海だが、待つ間の暇つぶしで見るには、1時間は長い。 かと思ったが、そうでもなかったな。 たまには、こんな何もしない時間もいいものだ。
そうそう、氷見の町は、なぜかハットリ君をアピールしていた。 どんな由来があるのかは知らないが、町興しとしてなら、たぶん失敗だと思う。 ぬるいカラクリ時計とか、いらないんじゃないかな。