ちょっと前、隣の席の人と。
「んあー…朝から雨だと、なんかもう全然やる気が出ないですね」
「私はもうじじいだし、天気に関係なくやる気無しですよ」
「言われてみりゃそうですね。
天気が良けりゃ良いで、仕事してるのバカらしくなるし」
「その通りです」
「やっぱり主夫ですよね、主夫。
誰か貰ってくれないかな。
で、子供ができたら育児休暇」
「育児休暇って、1年だけですよ」
「だから、毎年子供ができればいいんですよ」
「でも、どんなに頑張っても、10ヶ月は間が開くでしょう」
「出産と同時に、他の女が妊娠するんですよ。
何しろ休暇中で、時間だけはたっぷりあるし」
「他の女…育児はどうするんですか?」
「育児休暇だからって、育児しなきゃいけないって訳じゃないでしょう」
「そりゃ、中身だどうじゃなくて、制度としてあるんでしょうけど」
「で、最初の子の育児休暇の終わにに次の子が生まれるから、直ちに離婚して再婚です」
「それは酷いですね」
「でも、背に腹は換えられないですからね。
これを繰り返すと、ずっと休めますよ」
「うーん…あ、バグを見つけました。
養育費はどうするんですか?」
「あっ」
「次々と子供は増えるんでしょう? 10年後には10人ですよ?」
「都合よく次々と死んでくれないですかね」
「本当に酷いですね」
「生きることとは、他の命を殺すことなのだよ。
って、シャアなら言いますよ」
「赤い彗星の?」
「赤い彗星の。
あ、養育費を払わなきゃいいんだ」
「許してくれますかね」
「悪い女に引っ掛かったことにするのはどうでしょう。
騙されてできちゃった子供たけど、それでもやっぱり責任はあるし、子供に罪は無いから、1年だけ向うと結婚するって言うんです。
結婚してそんなに経ってもない頃なら、まだこっちに対する愛情もあるだろうし、騙されたって言葉を信じたいと思うでしょう。
それに、自分が子供を産んだばかりだと、たとえ自分の子供でなくても、子供が可哀相だってのは有効そうじゃないですか」
「だからって、養育費を払わなくてもいいってことになりますか?」
「1年後には絶対に戻ってくるから、それまで待ってくれ、と。
とにかく契約を発生させない」
「うーん…」
「で、1年後にはまた他で。
この繰り返しで、これからはもうずっと休みっ放しですよ」
「うーん…」
相変わらず忙しい。