<2台目S−85のリペア>2004年

2台目のS−85を入手しました
手持S−85のダイアルスケール板が焼けて茶色っぽいことや、スペアパーツ確保のため購入したのですが意外な展開でラインアップに収まりました


リペア終了後です


<動作チェック>
今回のS−85は米国から船便で送ってもらいましたが、厳重な梱包で無事に到着しました
手持S−85を入手したときより良い状態で、部品取りにはもったいないくらいの良品でした
発送前に動作確認したと連絡がありましたので、整流回路の簡単なチェックをしてから電源を入れてみました
とりあえず4バンドとも問題無く動作しており、BFO等のアクセサリーも動作します


<内部チェック>
シャーシを引っ張り出して、内部チェックを始めました
シャーシには錆も無く比較的キレイな状態で「MARK1A」のマーキングがあり、真空管は全て1957年製造のハリクラブランドが挿してありました
一番の目的だった「ダイアルスケール板」ですが、なんとアルミ製でした
「Chuck Dachis」の文献にSX−99のアルミダイアル板仕様は「MARK1D」だとの記述がありますが、それを流用したのかなと考えましたが違うようです
スケール照明の金具はフロントパネルにスポット溶接されており、塗装もオリジナルのようです
又、ポインタ板はアクリルではなくガラス板の厚いものが付いており、当初からの仕様に間違いなさそうです
これでは部品取りの予備機にするわけにはいきませんので、方針を変更して整備することにしました

  

  
最初からのオリジナルです


Chuck Dachisが書いています


<分解清掃>

いつもの手順で分解していきます
マイペットの希釈液につけて洗いますが、元の状態が良いのでピカピカになりました




<再組立>
ピカピカになった各部を組み立てて、可動部分にミシン油を射します
ダイアルコードが磨り減って切れそうだったので、新品に張替えました


<キャパシターの状態>
本機には主に電解コン、マイカコン、オイルコンのキャパシターが使われています
電解コンは容量チェックの結果OKです
マイカコンは通常問題ありませんのでそのままにしますが、問題はオイルコンです
本機にはモールド型ではなくパラフィン付けのオイルコンが使用されていますが、ブツブツ状態ではなくキレイなのでとりあえずそのまま使うことにしました
詳細チェックの結果、交換したのは2個だけです


セラミックコンにリキャップしたところです


<再調整>
IF周波数のチェックから始めますが概ね455Kcで大きなズレはありませんし、IFTは3個とも調整可能でした
次はトラッキング調整ですが、コイルのダストコアはパラフィン止めしたままで調整した形跡はありません
当然大幅にずれていましたが、調整の結果4バンドともピッタリ収まりました
ANTを繋ぐと、海外短波放送が気持ち良く聞こえてきました




<スピーカの交換>
2台のS−85は50才近いですが、スピーカは経年劣化で音質が悪くなってきます(人間も似たようなものですが?)
秋葉原を徘徊したとき、具合良いものを見つけたので2個買ってきました
さっそく交換してみましたが、かなり音質が改善され満足しています




<知人からの情報>
米国在住の知人からS−85の情報が入りました
知人の所有していたS−85も、アルミダイアル板だったとのことです
シャーシに「MARK1C」のマーキングがありますが、「整流:6X5」「PA:6V6GT」と我家のS−85とは異なります
Mixもメタル管の6SA7ではなく、6SA7GTと思われ、バージョンによって、色々違うものだなと感心させられます
これがハリクラに嵌る原因の一つなのでしょうか?




<Home>