<50Mクリスタルコンバーターの製作>2003年

50M帯のクリスタルコンバーターを製作してハリクラに繋ぎました
30数年ぶりのクリコン復活です




<1970年当時の状況>
当時はスターSR−600とST−333の中古を手に入れて、14MのCW運用をしていました
巷では「パナスカイマーク6」が発売されて、50Mで開局した仲間が大勢いましたので自分もクリコンを作って50Mに出ようと準備を始めました (SR−600は28Mまで受信OK、ST−333は50Mまで送信OKです)
そのうち50M1W機「アイコムFDAM−3」の中古が手に入り、使い勝手が良いのでとても気にいりました
(以来すっかりアイコムファンになってしまい、無線機はその後アイコムしか買ったことがありません!)
集めたクリコンの部品は御蔵入りとなり、日の目を見ることはありませんでした


<親受信機の話>
私が開局したころは3.5/7Mのローバンドが入門バンドで、だんだん上のほうへ上がっていくのが一般的でした
まず3.5/7Mの受信機を確保してから14M以上のクリコンを作るので、基本になる受信機を「親受信機」と呼びました (今ではまったくの死語ですね!)
ハリクラ達も30Mまでしか受信出来ませんので、50Mのクリコンを作って繋ごうと考えたのです


<クリコンの構想>
ハリクラに繋ぐのですから当然「真空管式」です
RFはグリッド接地増幅用3極管「6MH1」の在庫が多数ありますので最適かなと考えていたら、1970年に作ろうとした回路図が出てきました
当時はRFを「6AK5」の5極管増幅で、MIX/OSCを「12AT7」でやろうとしていました
真空管の在庫を調べたら、いつ入手したのかも憶えのない「通測用HiSの6AK5」が出てきたので使うことにしました
IF周波数は7Mです (OSCのXtalは43Mになるので、いつものKDKに特注しました)




通測用HiS管の6AK5etcです


<パーツ集め>
久しぶりにRF回路を作るので、部品集めに秋葉原を回りました
1) 真空管等
当初12AT7を使うつもりでしたが、同等管で電極間シールドの付いた「6AQ8」がクラシックコンポーネンツで安かったので買ってきました
シールド付きのソケットはデパート内では見当たりませんでしたが、ここにありました
2) バリコン等
シオヤ無線電機(デパ−ト)でタイトバリコンやトリマが手に入ります
HC6/uのソケットもここにあります
3) LCR等
CRはいつものとおり海神無線(デパート)で揃います
7Mのコイルを巻く「ベークボビン」は手に入らなかったので、ホームセンタで20φアクリル筒を買ってきました (昔はどこにでもありましたが!)
4)その他
電源トランスは東栄の「並四トランス」、シャーシもデパートで揃えました


久し振りにRF回路のパーツを集めました


<レイアウトの検討>
RF部分は2球だけですので直線配置で、前面に同調ツマミ3個とPOW/ANT切替ツマミを等間隔に配置しました
パイロットランプを付けるか悩みましたが、VR150GTの手持ちがあるのでランプ代りに光らせることにしました (一応スタビロの役目もさせています)
RF回路を作っていると言うより、飾り物を作っているみたいです? (私はレイアウトを考えている時が一番楽しいです!)


真上から見たシャーシです


<シャーシ加工と組立て>
小さなシャーシですので簡単に終わりますが、今回トランスの角穴を「愛用のハンドニブラー」であけようとしたら壊れてしまいました(金属疲労みたいです)
30年以上使ってきたので無理もありませんが「長年お疲れ様でした!」 (昔のようにドリルで加工です)
RF回路のシャーシに塗装するのは邪道かもしれませんが、お気に入りのシルバーハンマートーンに塗装しました
組立ては大した手間ではありませんが、50Mの空芯コイルを3個巻くので調整が必要です
6AK5には銅板で発振防止のシールドをつけました

  
塗装の終わったシャーシです             組立の終わったシャーシ内部です


<調整と試験>
本機の調整は同調点の調整だけです
ディップメーターで、バリコンの最大容量の3分の2位で50Mになるよう繰返し調整します
OSCコイルはディップメーターで受信しながら、トリマで最強になるところ調整にします
7M出力コイルは同調点だけで、カップリングコイルは特に調整しませんでした
SX−99に繋いで試験を始めましたが、ANT端子に50Mのキャリアを入力したらちゃんと受信できます
OSC出力のカップリングに平行コードを使っていますので、長さを変えて試してみましたが、あまりクリチカルではありません

  
7M出力コイルの付近です              久し振りにコイルを巻きました


<ANTの接続>
ANTを接続するとEスポが発生していたので、6エリアがガンガン聞こえてきました
十分実用になる感度ですし、S/Nも良好です
飾り物としてはまあまあの出来かなと満足しています?
いずれ真空管送信機と組合せて、QSOに使える日がくれば良いなと考えています


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