<SX−99のリペア>2003年

長い間憧れていた「SX−99」が手に入りました
SX−99はS−85のグレードアップ機で、構成は高1中2のシングルスーパーです
S−85との相違点は「Xtalフィルタ」「Sメータ」「ANTトリマ」が付いているのと、「外付スピーカー」です
前オーナーによると7MのQSOに使っていたとのことで、スタンバイコネクタの追加等一部改造がしてありました


リペア終了後です


<初期状態>
年代相応のキズ等はありますが全体的に良い状態で、ツマミ等のパーツは艶がありますし、ダイアルスケールも実にキレイです
改造箇所はフロントパネル右上にKeyスイッチが付いているのと、シャーシ後面にスタンバイコネクタが付いています


開梱した状態です、右上にKeyスイッチが付いています

1) 動作チェック
簡単な点検をした後、電源を入れてみました
さすがQSOに使っていた受信機だけあって、全バンド良好に動作します
7Mのアマチュアバンドを聞いてみましたが、感度が良いのにビックリしました
CWもSSBもクリアに復調できます
トラッキングに少しズレがありますが、これは後の楽しみです

2)内部の状態
シャーシ上面は若干の汚れはありますが、錆もなく良い状態です
真空管はPAの6K6がハリクラブランドですが、他は種々雑多です
シャーシ内部はオイルコンのブツブツを想像していたのですが、「TINY CHIEF」のモールド型が主でとても良い状態です
このSX−99は後期生産型と思われますが、1958年頃でしょうか?

  

  


<分解清掃>
恒例のクリーニングを始めました
いつもの手順で、キャビネット、各部のパーツに分けてマイペットの希釈液につけて洗います
フロントパネルのKeyスイッチは取り外したので、穴ふさぎの板金作業をやりました
塗装は車用のタッチアップペイントで概ね色を合わせてあります
各パーツは元の状態が良いので、いつも以上にピカピカになりました

  
これからクリーニングです               金属用パテで塞いだところです


<再組立>
ピカピカになった各部を組立て、可動部分に注油します
今回キャパシターは問題ありませんので、リキャップしませんでした
回路チェック中に、IF1(6SG7)のカソード・パスコン(0.047μ)が付いていないのを発見しました
最初から付いていなかった様ですが、追加しておきました(若干ゲインが上がったかもしれません?)

  
再組立したところです                  DMC−230Sで調整中です


<再調整>
IF周波数の調整から始めますが、大きなズレはありません
Xtalフィルターも良く動作しています
トラッキング調整が楽しみでしたが、4バンド共ピッタリに収まりました
アマチュアバンドではメインダイアルの丸マークに合わせてから、バンドスプレッドダイアルを下げていきますがほぼピッタリの指示をします
感度はS−85に比べ大分良いです(絶対値は判りませんが!)


<本機の使用感>
本機のデザインは手持のハリクラで一番気に入っています
「ダブルハーフムーン」に挟まれて動く、「大型Sメータ」はとても素晴らしく、40年前のラジオ少年達が夢中になって憧れたのが良く判ります
私も他の送信機と組み合わせて、QSOに使いたいな〜と思いました




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