<リーダーLSG−11のご紹介>2007年
リーダー電子のLSG−11シグナル・ジェネレーターを入手したのでご紹介します
<SGとSSGの違い>
本機は「シグナル・ジェネレーター」と銘打ってありますが、一般的には「テストオシレーター」と呼ばれているものです
SG(シグナル・ジェネレーター)を訳すと信号発生器ですが、SSG(スタンダード・シグナル・ジェネレーター)は標準信号発生器です
大きな相違点は、SSGは出力信号レベルが校正できることです
もちろん周波数確度等の性能は段違いですが、規定インピーダンスにおける絶対値で出力信号レベルを読取れるので、受信機の感度測定が可能になります
SGである本機の出力信号レベルは強弱の目安にしかなりませんが、真空管受信機の調整に重宝する測定器です
<初期状態>
オークションで入手した本機は元箱入りで送られてきましたが、年代ものにしては実にきれいで全く使用感がありません
簡単なチェックをして電源を入れてみたら、全バンドほぼスケールどおりに発信します
但し、400及び1000サイクルの内部変調がかかりません
外部変調を試すとOKですので、AF発振回路が不具合らしいです
<回路構成>
本機は双3極管の12BH7による発振回路及び緩衝回路、6AR5によるAF発振回路又は水晶発振回路、セレン整流器による整流回路で構成されています
A〜Fの6バンドで120Kc〜130Mcまで発振します。 又、高調波利用の120〜350Mcのスケールがあります
発振回路には周波数調整用のトリマやコア等は一切ついていませんが、全バンドほぼスケールどおりに発振します
周波数可変はアルプス製の2連バリコンです
ダイアル機構は金属製円形プレートをダイアルシャフトで回転させる仕組で、スムーズな操作感を有しています
実に綺麗なスケールです 内部も非常に良い状態です
<不具合の修理>
内部変調がかからなくては不便なので修理を始めました
AF発振回路にはオイルコンが多数使われていますが、私の経験では1960年代の日本製はほぼNGと考えたほうが正解です
何個か取外してチェックしましたが、案の定とんでもない結果でした
全てリキャップして試験したところ、正常な動作になりました
<端子類の交換>
出力端子は押付け式の古いタイプで、使い勝手の悪いものです
取付け穴の径が合う、F型端子に交換しました
水晶発振子のソケットはFT−243型で、今時使い物になりません
こちらも取付け穴が合う、HC6/u型に交換しました
交換した部品です
<周波数安定度>
発振周波数を15.0Mにセットして周波数安定度を調べてみました
電源投入後10分で−5Kc、30分で−9Kc、60分で−11Kcの変動ですので、30分位ヒートランして使えば十分実用になります
又、出力レベル調整つまみをまわしても周波数変動がありませんので、この点ではDDMよりも使い勝手が良いです
出力端子に抵抗分配器をつけて、カウンターで周波数チェックしながら使っています
自作の抵抗分配器(75Ω)です
<初歩のラジオの記事>
1966年の初歩のラジオに「テストオシレーターの正しい使い方」記事があります
LSG−20やLSG−11の紹介がありますが、この頃の製品にしては非常に良い状態の本機です
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