<DELICAマーカー発振器のご紹介>2006年

DELICA(三田無線研究所)のマーカー発振器を入手したのでご紹介します




本機は100Kcの水晶発振器と、それに同期した25Kcマルチ・バイブレーターと出力増幅器で構成されています
真空管は双3極の6SN7が2本使われています
水晶発振器の周波数は100pFのバリコン調整によって、標準電波とゼロビートさせることにより正確に周波数チェクできます
(日本では短波のJJYは無くなりましたが、中国のBPMで調整できます)
昔の受信機は周波数直読など夢のような話で、マーカーは必需品でした

前オーナーが大事にされていたとのことで、年代相応の劣化は感じられますが大きなキズもなく保存状態の良いものです
1960年頃のカタログではキットが3.3K円となっており、あの有名な3極管プリセレクターのキットが3.1K円だったのと比べても、当時としては相当高価だったと思います


仙台坂の三田無線に伺ったとき、茨木さんにいただいた冊子です


<電源の投入>
仮電源を接続して試験をしようと回路チェックを始めましたが、案の定オイルコンがリークしていました
この時代のオイルコン、ケミコン等はとにかく要注意です
セラミックの0.1μFに交換して電源を入れると無事に発振しました
マルチ・バイブレーターも正常に動作しています

  

  


<電源部の製作>
専用の電源部を手持ちのパーツで作りました
整流管を使いたかったのですが、並四トランスのため5V0.6Aのタップしかなく不本意ですがダイオード整流にしました
5V0.6Aでは「5M−K9」くらいしか使えないので困ったものです
とはいえ何か挿したかったので、0D3(VR150)を使い安定化した150Vを供給しています

  


<オーバーホール>2007年
時々25Kcマルチバイブレーターが動作しない現象が発生しました
調査の結果、スナップSWの接触不良と判明しました
年代物で仕方ないと類似品に交換することにしましたが、他のパーツも相当くたびれている状況ですので全面的にオーバーホールしました
CR類を全て新品に交換したので、多分私より長生きすると思います?

  


<E−1A型 水晶振動子>2021年
「水晶振動子はFT−243型ですか?」とのご質問がありました
本機の水晶振動子は「E−1A型」です
FT−243型より大きく、約32(W)×41(H)×16(D)mm(突起物を除く)です





<Home>