<S−38Eのリペア>2009年

ヤフオクでS−38Eを入手しました
S−38EはS−38シリーズの最終モデルで、1957年から1961年まで製造されました
S−38Cまでは分度器ダイアルで通信型受信機の風貌を維持していましたが、S−38Dから横行ダイアルになりBCLラジオの風貌になってしまいました
構成はトランスレス式5球スーパーで、mt管が使われていますが回路はS−38Cとほぼ同じです

  
リペア終了後です


<初期状態>
外観は大きなキズもなく全体的に良い状態です
内部は若干の埃はあるものの、実に綺麗でシャーシに輝きが残っています
真空管はハリクラ名の入った純正品が挿してあります
オイルコンは「TINY CHIEF」のモールド型が主で、交換の必要はなさそうです

  

  


<電源投入>
簡単な点検をしましたが、電気的に問題はありません
ANTを繋いで電源を投入してみました
左側に付いているパイロットランプが仄かに明るくなると、スピーカーから軽いノイズが聞こえてきました
バンド1からバンド4まで、とりあえず動作しています
トラッキングは全バンドとも上の方にずれています
VRに多少のガリがありましたが、10数回繰返して回してやると落着いてきました


<分解清掃>
恒例の分解清掃をしました
ダイアルのガラス板がピカピカで、とても気持ちが良いです
ツマミも新品同様になりました

  


<再調整>
真空管のエミッションチェックは、全管GOODです
IFの455Kcは僅かにずれていましたが、全て455Kcに調整しました
トラッキング調整はバンド4から始めますが、いきなり問題が発生です
局発がLOW側のイメージ周波数になっているようです
DMC230Sを吸収型周波数計にして測定し、high側に調整しました
バンド3からバンド1は順調に終り、全バンドほぼスケールどおりになりました
BFOのかかり具合は良好なので、そのままにしてあります

  
DMC230Sとテスターで調整しています


<BCLラジオ>
横行ダイアルはあまり好みではありませんが、BCLラジオと割切ればなかなかのデザインだと思います
横行ダイアルにすると、広いスケールに国名をプロットできるので採用したのでしょうか?
BCLに使うならフリクッションロスもあまり気になりません
一応BFOやスタンバイSWが付いていますが、この受信機でアマチュア無線を運用した人は少ないと思います


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