<S−85のリペア>2003年

Yahooオクで念願の「S−85」が手に入りました
S−85は「ダブルハーフムーンのダイアルスケール」が美しいデザインで、いつかは入手したいと憧れていた受信機です
構成は高1中2のシングルスーパーで、S−40Bとほぼ同じ回路です
1955年製造のマーキングがありました
本機は要修理のジャンク扱いでしたが、欠品が無いから何とかなるだろうと落札しました
(ジャンク扱いですので割安でした!)


リペア後でラックに収まっています


<S−85の受領>
送られてきたS−85はキャビネットに若干の錆がありますが、フロントパネルは想像より良い状態で外装パーツは全て純正品が付いていました


受領した状態です


<初期状態>
1) 内部チェック
早速シャーシを引っ張り出して、内部のチェックを始めました
シャーシには若干の錆と汚れがありますが、さほど酷い状態ではありません
ダイアルコードはメイン、バンドスプレッド共に切れています
真空管は全て付いていますが、5Y3のセンターピンが折れていました

   


2) 回路チェック
さて電気的にはどうかなと、ドキドキ(ワクワク?)しながら始めました
とりあえず電源トランスの状態はOKです
+B側のショートもありませんし、整流部の電解コンもOKです
バリコンも直接回してやれば、少し固いですが回ります
オイルコンは想像どおり皆ブツブツ状態ですが、抵抗の焼損もありませんしVRや各SW類も問題ありません




3)電源投入
新品の5Y3を挿してAC100Vを投入しましたが、整流回路の出力も各部の電圧も正常です
これはいけると他の真空管も挿して再投入したら、仮接続したSPから雑音が聞こえてきました
ANTを繋いでバリコンを直接回してやると4バンド共ちゃんと受信できますし、BFOも発振しています
(この時点で、これは良い買物をしたと確信しました!)


4)仮調整
IF周波数のチェックをしてみましたが概ね455Kc付近になっており、3IFTとも調整可能です
トラッキングもさほど狂っていません


<分解清掃>
電気的に問題無いことが確認できましたので、安心してクリーニングを始めました
いつもの手順で、キャビネット、各部のパーツに分けてマイペットの希釈液につけて洗います
キャビネットの錆のところはタッチアップで簡単に済ませました




<再組立>
キレイになった各部を組立て、可動部分に注油します
ダイヤルコードを張替え、メイン、バンドスプレッド共にスムーズに動くようになりました
(ハリクラも4台目ですので、大抵の補修部品はストックで間に合います!)




<パーツ交換>
1)特に問題があるわけではありませんが、オイルコンのブツブツは精神衛生に悪いのでリキャップしました
2)真空管は既に5Y3は交換しましたが、エミッションチェックの結果「MIXの6SA7」、「DETの6H6」、「PAの6K6−GT」も交換しました
皆ハリクラブランドの球ですので、大事に保管しています

   
リキャップ後です                       ハリクラブランドの球です


<再調整>
IF周波数の調整から始めますが、大きなズレはありません
トラッキングは4バンド共ピッタリに収まりました
アマチュアバンドではメインダイアルの丸マークに合わせてから、バンドスプレッドダイアルを下げていきますがほぼピッタリの指示をします
感度もS−40Bに比べ若干良いようです
ローバンドのQSO(もちろんCWですが!)なら使えるかもしれないと思いました


<S−85への思い>
本機の「ダブルハーフムーン」を眺めていると、惚れ惚れと感じます
S−38CまでやS−40シリーズのデザインの集大成が、ここに有るのでしょう
好みの問題ですが、私は横行ダイアルより分度器ダイアルに魅せられます
末永く本機と付き合っていきたいと考えています




<ELEGAのハイ・インピーダンス・レシーバー>
最近職場の友人が、倉庫整理をしていて発見したと届けてくれました
「ELEGA」Fujiki・Electricと銘板にありますが、10kΩのハイ・インピーダンス・レシーバーです
型式「DR−631A」、シリアル「418」、製造年月「58−11」と打ってありますので、昭和58年製造と思われます
ずっしりと重い金属製の本体に皮製のバンドがついており、イヤーパッドの状態からも未使用品でしょう
写真のように交換台で使われる特殊なプラグがついていましたが、いったい何の業務に使ったのでしょう?
(発見した友人も解らないそうです)

   

   


1950年代のハリクラ受信機のレシーバージャックは、ハイ・インピーダンス又はクリスタル・レシーバーを使うように設計されていますのグッドタイミングでした
6.3Φの2Pプラグに付替えて使っていますが、なかなか良い具合に鳴ってくれます


<用途が判りました>2003年

本サイトをご覧いただいた深谷さんからお便りをいただきました
ELEGAは放送モニター・スタジオモニター等に使用される業務用とのことで、現在も「エレガアコス株式会社」としてDR−631Aを販売しているそうです
「放送モニター」のキーワードで用途を推定することができました
本機が出てきた建物には放送中継用のAMPが設置されていましたので、音質チェックのモニターに使用されていたと思われます
あの特殊なプラグは3C又は110号と呼ばれるものだそうです
貴重な情報を有難うございました


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