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のどやけ団子       

メーカー名:甘味処 悠豆里庵(ゆとりあん)    

 

むか〜し、むかし(←軽く嘘)。

それはとある新幹線の止まる駅でのことでございました。

 

というかぶっちゃけ山形県の新庄駅ですが、何か?

その日、私は旅行初日で、羽黒山へと向かっていたわけですよ。

その道中、新庄駅で新幹線からローカル線に乗り換えないといけなかったんですけど、

ちょいと乗り継ぎが悪くて暇ができてしまったんですね。

 

そしてそんな少しの間にも、サクッとソレげなナニにエンカウンター。

暇つぶしにと、駅ビルの土産屋に足を向けたそのとき。

 

 

 

 

 

「のどやけ」

どうしてこういうものばっかり目につくかなぁ・・・。

 

いきなり出ました、謎のフレーズ「のどやけ」。

のどやけ→ノドが焼ける→激甘シリーズ!?

そう来りゃ、この一角、じっくり眺めてみないわけにはまいりません!

 

ついでに、この看板の婆さん。

いかにも「やべーよ」とばかりにオーバーアクション。

この顔といいポーズといい、看板キャラのくせに

思いっきり引いてやがります。

 

これはもう、悪食の予感バリバリ。

ていうか、どう見ても確信犯だろ。

 

さて、この妙に主張の激しい看板の下に目を移し、

問題の商品を手にとってみました。

「ひとつだけワサビ入の辛いだんごが入ってるよ。誰に当たるかな?」

 

・・・ノドが焼けるほど「辛い」のほうでした!

 

さらに、よくよく見ると看板の足元には新聞記事の切り抜きが。

サンケイスポーツ(だっけ?)のコラム、

その名も

「奇食に挑戦」

 

なになに、「まさに食べるロシアン・ルーレット」?

えぇ、異論はありませんとも。

それに、いっこだけ辛いのが入ってるタコヤキ「ロシたこ」なら

大阪の某居酒屋にあるってきいたことあるけど、

 

この記事によるとコレ、「餡団子にワサビ」ですよ?

本来むしろ甘いはずのもので、無理矢理ロシアンルーレット。

これじゃ独創的でユニークを通り越して、毒電波がゆんゆんです。

 

さらに読むと、この団子は「具」をあんこで包んでいるタイプのもので、

「通常(つまり辛くないやつ)は求肥が「具」として入っているとのこと。

そして一方「当たり」には、求肥の替わりに同じ量のワサビが・・・!

ひいいぃぃぃッ!!!

 

何だか読んでいるだけで背筋が寒くなってまいりましたが、

ここが根性の見せ所(←絶対間違ってる)。

 

躊躇なく手に取り、レジへゴォ!!

 

 

 

って、ちょっと待てぃ。

初日から、それも目的地到着前から

土産屋で500円も散財しますか?

そして荷物を増やしますか?

 

よ〜く考えよ〜う♪

うーうぅー♪

 

 

 

 

いや、しかぁーし!!

ここで買わなかったら、きっと帰ってから悔いがっ!

うん、そういうことにしよう。

さァ、はりきって、 レジへゴォ!!

 

 

 

 

 

 

って、待たんかいっ!

 

 

 

 

 

 

賞味期限、3日。

何がなんでも旅行中に食べきらないといけないようです。

 

さぁ、どうしましょう。

8個入りですよ。そんな短い間に一人で全部食うのは無理。

ていうか、一人でロシアンルーレットやってもねぇ。。。

 

 

 

 

 

しかーし!

人は一人で生きるにあらーず!

旅は道連れ世は情け!!

 

 

 

かくなる上は道連れを巻き添え!!!

これで万事オッケー(←ってオイ!ちょっとアンタ!!)

 

というわけで、なにげに躊躇しまくりだった気もするけど

気にせずレジへゴォ!!

 

ちなみに同じシリーズで

「のどやけ治しあめ」というのもありました。

こちらはどうやら普通のハッカ飴のようです。

ちょっと色が嫌ですが。

 

あれ、これって「のどやけ」を治す飴なの?

それともなめると「のどやけ」になってしまう「治し飴」なの??

謎は深まるばかりでしたが、

まぁハッカ飴にはちがいないだろうということで今回はパス。

 

そんなこんなで買っちまったよ、「のどやけ団子」。

手始めに道連れAさんに見せてみる。

最初はスルーされそうな雰囲気でしたが、

「賞味期限3日」の一言でなんとか押し切りました。

Aさん「じゃあ、あとで宿に着いてからでも・・・」

ありがとうAさん。というか、ごめん。

 

さて、その日の宿をとった羽黒山のとある宿坊では、

たまたま私と連れのほかに女性の個人客がもう一人いました。

(宿坊って何?という方はとりあえずコチラを見とくのが無難

比較的小規模な宿坊では同宿の方と話す機会も多くなるとか、

そういえば小学館文庫の「宿坊に泊まる」という本にチラッと書いてあった気がします。

普通の民宿ではありえない、他の宿泊者との不思議な一体感。

そして、そんな場所に参拝団体ではなく個人で来る以上、

確実に共通の趣味として寺社巡りがあるという安心感がそうさせるのでしょうか。

はたして彼女とは食事の席で隣り合い、

同じくらいの年のころに見えたし何となく話しかけてみたところ

見事に意気投合。

 

そのまま自分たちの部屋で酒盛りになだれ込み、

女三人水入らずの夜は更けていきます。

(*こういうことをしてはいけない宿坊も当然あるので、お気をつけください)

 

そうして3人とも、いい具合に酔ってまいりました。

私も、いい感じにテンションが上がってきています。

 

 

 

さぁ逝くぜ、酔った勢いで。

 

酔った勢いで、出すものがありました。

 

・・・大丈夫、そこまで酔ってないから♪

 

って、違う、ちがーう!

満を持して取り出したのは、件の「のどやけ団子」。

そうさロシアンルーレットは頭数揃えてなんぼのもんさ。

え、初対面の人にそんな、って?

 

いやぁ、酒の力とその場のノリに勝てる人はそうそういませんね♪

えぇ、ちゃんと彼女(以下、Xさんとします)には説明して承諾してもらいましたよ。

今の世の中インフォームド・コンセント。これ大事。

 

とはいえXさん本人もノリノリのご様子。

「のどやけ団子」パッケージ裏に書かれた民話を

とってもエモーショナルに朗読してくださいました。

 

 

 

こんな素で読んだら意味わかりにくいものが、

意外にも感情を込めて音読するとなんとなくわかったりするんですね。

日本語って不思議ですね。

 

どうやら、こんな感じの話みたいです。

むか〜しむかし、働き者の嫁さんと意地悪な婆さんがおりました。

ある日、婆さんの留守中に嫁さんが団子を作っていて、

ふと一つツマミ食いをしようと団子を口に放ったところ、

あろうことか絶妙のタイミングで婆さん登場。

あわてて飲み込む嫁さん、けれど団子は焼きたてアツアツですから、

口やノドが大変なことになってるわけですよ。

だけど、なんとしてでも平静を装わないことには、

いつものハードな嫁いびりが始まってしまいます。嫁さんピンチ!

すいません、かなり勝手に脚色してます。)

 

・・・ていうか、 そのピンチな状況を今ここで私らに再現しろと!?

そう考えただけでも何かぞっとしないものがありますが、

Xさんの朗読によっていやがおうにも場は盛り上がっていきます。

パッケージ側面の

”CAUTION!”マークもなんのその。

ここはもはや、突き進むのみ。

 

オープン・ザ・・・

だんご♪だんご♪だんご♪

 

ご覧の通り、中身は全く見えない仕様。

Xさん「もしかして、一つだけ微妙に大きさのちがうやつがソレかも」

そう、トレカの類でも「当たり」の入っているものは製造工程の都合上、

袋の外観にごく些細な違いが生じるといいますね。

このお姉さん、なかなかに賢明なようです。

 

一同「じゃーんけーんポン!」

戦いの火蓋が切って落とされました。

順番は「Xさん→私→Aさん」に決定。

あとは一個ずつツブしていくのみです。

 

一番手のXさん、なんとなく小さそうなものに狙いを定めてそれを避けたようです。

 

 

 

Xさん「んー・・・何も入ってない?」

 

 

 

・・・無事。

まぁ、最初の一個だもんね。これで話が終わっちゃったらつまんないもんね。

 

二番手、私です。

やはりXさんにならって無難な大きさのを選んでみました。

いつワサビにぶちあたっても対処できるよう、

表面から舌で穴を掘るように、慎重になめていきます。

 

 

全部溶けて口いっぱいに広がるあんこ。

 

 

 

って、ワサビどころか、求肥はどこよ?

あんこを少しずつ飲み込んでいくと、

微妙にそれらしい感触がなくもなかった。

けれど、それさえも、あまりに小さい求肥が溶けかかっている感じ。その程度。

これじゃ、団子というより、ひたすらあんこのカタマリです。

しかも激甘。

文字通り、甘さのほうで「のどがやけそう」でした。

まさか「ダブルのどやけ」とは思わなんだ。

 

次、三番手、Aさん。

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

!?

 

 

 

・・・お?

「キター」って顔してる??

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

Aさん「ニヤリ♪」

 

 

 

 

って、フェイントかい!

やるな、こいつ。

 

Aさん「こうやったり、辛くても辛くないフリしたりするといいかも」

「ババヌキかよ!」

というわけで、一周目、無事終了。

二周目は全員がこんな調子のババヌキ風リアクションで進行しました。

残りの団子の数が減ってきます。

Xさん「こういう時って、意外とみんなカンが研ぎ澄まされてたりするんだよね…。」

たしかに、そうでなかったら一発目でかましてもおかしくないワケで。

Xさん「案外、このまま最後の一個か二個まで進んじゃったりして」

ババヌキならぬ、黒ひげ危機一髪状態です。

 

 

 

 

 

そうこうするうちに、本当に残り二個になってしまいました。

残る挑戦者は、Xさん→私、で終了。

二つに一つ、究極の選択にとまどうXさん。

デッド・オア・アライヴです。

トゥービー・オア・ノット・トゥービーです。

冗談ヌキに、そのぐらいの勢いで悩んでいらっしゃいます。

一方、何が何でも残された一個を食わなきゃいけない運命の私も、

それはそれで頭をかかえていました。

 

初対面の彼女に、そんなもん食わせてしまっていいのか。

そんなことが、ふっと頭をよぎります。

とはいえ、その場のノリには勝てません。

なにしろ、今が興奮の最高潮ってときですから。

 

私は彼女と同じ二つに一つの緊張を味わいながらも、

「よーし行けぃ!一気!一気!!

などとノリノリではやしていたのです(←バカ)。

 

 

満を持して、Xさんは残りのうち一方を口に入れました。

 

 

 

・・・

 

 

 

少しの沈黙。

 

まだ餡の中をさぐっているようです。

さぁ、彼女の選択は吉と出るか、凶とでるか。

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

ゴフッ

 

 

 

その場にうずくまるXさん(*写真は承諾済みです)

かなりハードにキてしまったらしく、

しばらくうずくまったままゲホゲホやっていました。

 

初対面のXさん、本当にごめんなさい。

いっそ私が残り二つを両方食べていれば・・・。

でも、あの時そんな考えは微塵も浮かびませんでした。

理性のカケラもなかったですからね、自分。酒入ってたし。

私は何かすごくいたたまれない気分で最後の一個を飲み込んだのでした。

 

・・・痛(涙)。

 

というわけで、「のどやけ団子」実況中継・旅情編でした。

当然だけど、辛いのがものすごく苦手って人はやめておくのが無難ですし、

そういう人に無理にすすめてはイケマセン。

 

ところで、今これを書くにあたって気付いてしまったことが一つ。

写真を整理していたら、たまたまこの商品の原材料表に目が行ったんですよ。

 

 

よーく見てくださいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わさびの字もないでしょう。

代わりにあるのは、「ホースラディッシュ」。

知らないですか?

よくステーキやローストビーフに添えられているアレですよ。

西洋ワサビとも呼ばれる、カブの仲間です。

 

 

 

 

 

 

 

うそつきやんけ。

 

それはそうと、ワサビならワサビアイス(これは結構好き♪)なんかもあるし、

あんこと合わせるのもまだ頷けるよ?

少なくともホースラディッシュよりはね。

一応、ホースラディッシュは安価のためワサビの代用品として

チューブわさびの原料になっていたりはしますが、

どう考えても「わさび」としての風味は本生わさびに比べて劣ると思います。

そういう意味では、和菓子としてはちょっとナニな感じがするじゃーないですか。

これはまた別な意味でやばそうな気がしてきました。

今度機会があれば是非、しっかりと自分自身の舌で味わってみたいものです。

でもやっぱり一人ロシアンルーレットはむなしいので、

また付き合ってねXさん♪(鬼)

どんぴすかん こねっけど。

たたかう/にげる