<HR後、教室>

 

 

というわけでマナにお願いがあるんだ」

シンジは朝の出来事を説明した後、マナに切り出した。

「しょうがないですね、他ならぬシンジの頼みだし」

「え、僕まだ何も言ってないけど?」

「カヲルがまともに通学できるようになるまで一緒に登校してほしい、でしょ?」

「うん、そうなんだけどどうしてわかったの?」

(アスカといいマナといい不思議だ)

成長していてもどこか抜けているシンジであった。

「センセは人がええからな」

「シンジの考えそうなことぐらい誰でもわかるわよ」

「でも、碇君って友達思いなんですね」

「そんなことないよ山岸さん」

「でも碇君のことだから食料の買い出しとか手伝うつもりなんでしょう?」

「う、うん」

山岸さんにまで読まれている。うーん)

未だに自分が本質的にお人好しということに気がつかないシンジ。

「やっぱり優しいのよ」

「そ、そうかな?あ、アスカ、ごめんそういうことだから

「そういうことだから放課後一緒に帰れない、でしょ。いいわアタシもつきあったげる。本当に馬鹿みたいに人がいいんだから」

「ありがとうアスカ」

「ま、そーいうところがシンジらしいっていうかなんていうか。だから私も

「だからなーにアスカ?」

マナが突っ込む。

「う、うるさいわねマナこそどうするのよ?」

「ま、仕方ないわね。毒を食らわば皿まで。付き合います」

「ありがとう、アスカ、マナ」

そういってシンジは極上の笑顔になった。

「「うっ」」

思わず動きを止める二人。

あ、あいかわらずね。じきに耐性が出来るかと思ったけど日々強力になっていくわ)

し、心臓に悪いわ、シンジの笑顔は)

シンジは気づかずにこにこしている。

 

その頃事の張本人は保健室ですやすやと眠っていた。

 

 

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