「目標を確認、これより回収作業に入ります」

既に通信は届かないのだがカヲルは気にせず報告した。

視界に映る細長い物体。

それはゆっくり回転しながら虚空を漂っていた。

「もはやリリスがいないとはいえこれを再び用いるなんて、つくづく物騒な人達だね」

そうつぶやくカヲルの顔はどこか楽しげであった。

八号機の両手ががっしりと柄をつかむ。

二つに分かれた穂先が太陽の光を受けて鈍く輝いていた。

 

 

  

予告&チルドレンのお部屋