ドサッ
男達は静かに床に横たわった
かろうじて息はあるようだ
各々武装していたようだが使う間もなかったようだ
周囲を探って他に気配がないか確認する
辺りにはただ静寂だけが満ちている
懐の通信機を確認する
相方の警告も無いところを見ると問題ないようだ
彼はきびすを返すと歩き出した。
カツン、カツン、カツ…
響いていたブーツの足音がいつの間にか豪奢な赤い絨毯に変わった床に吸い込まれる
ゆっくりとした歩調で奥に向かう
やがて前方に荘厳な造りの前時代的な大扉が見えてきた
扉の前で一度立ち止まる
少し逡巡してから扉に手を掛ける
ギィ………
わずかに音を立てて内側に扉が開かれていった