【新世界エヴァンゲリオン】

 

 

『………くん、………かりくん、………碇くん』

それは懐かしい声。

そうこの声は…

「…シンジくん」

 

 

「あ、はい加持さん」

一声で起きるシンジ。

「えらく寝起きがいいな?」

僅かに驚きを浮かべる加持。

「…優しく起こしてくれたんです」

(…誰が、が抜けているぞシンジくん。優しく、なら葛城やアスカじゃないだろうが。ま、それはさておき…)

「ま、いい。それより…」

「始まったんですね?」

察しのいいシンジが先に言う。

「ああ。葛城が盛大に花火を上げてるようだ」

ニヤリと笑う加持。

「ミサトさんらしいですね」

こちらは微笑むシンジ。

「まったくだ。さて、こっちも急ぐとしよう」

加持が操縦桿を倒すと二人を乗せたF−16は護衛機にエスコートされて雲間に消えていった。

 

 

 

 

【第弐拾壱話 雷鳴】