突発的ベリーショートショート

 
 

その答えは……













あるよく晴れた日、学校の帰り道
 

シンジの右にレイ、左にアスカが歩いている。
 

ふと口を開いたのは、

「……碇君」「レイ」「アスカ」
 

立ち止まる三人。

しばらく視線をそれぞれ残りの二人にさまよわせる。

しばしアイコンタクトの後、アスカが口を開く。

「ファースト、セカンド、サードで順番に用件を言いましょう。……あんたからよレイ」
 
 

「……碇君に聞きたいことが」

「レイに聞きたいことがあったのよ」

「アスカにちょっと聞きたかったんだ」
 
 

再び目で会話する一同。シンジが口を開く。

「さっきと同じ様に順番に質問しよう」

うなずく二人。

「じゃ、綾波から……何だい?」
 
 

「……碇君、アスカが好き?」

「え? ええ!?」

慌てふためくシンジ。

こちらもちょっぴり赤くなりながらアスカが間に入る。

「と、とにかく質問をみんな言った後で答えもまとめて言いましょう!

 ……シンジ、よーく答えを考えるのよ。ま、考えるまでもないか」

「ア、アスカ!?」

「……次、アスカよ」

「そ、そうだったわね。コホン」
 
 

「レイ、あんたシンジのことが好き?」

「……え?」

戸惑うレイ。

アスカは無言でシンジを促す。
 
 

「困ったな……ま、いいか。アスカ、綾波のことが好き?」

「……へ?」

呆気にとられるアスカ。

そろいもそろって同じ質問をしたのだ。

 

 

「……たしか、こーいうのを三つどもえって言うのよね」

「……そうだったかな」

「何よ? アタシの天才的な記憶力を疑うわけ?」

「……じゃ、今の質問に対する返答ね」

「……あんた、いつもながら冷静ね」

「……そう?」

「じゃ、綾波の質問の答えだから僕からだね」

「そうね」
 
 

「じゃあ綾波はアスカのことが好き?」

「……え?」

シンジはにっこり微笑む。

レイはその笑顔に何かを悟る。

「……次は私ね」

「え、え、えぇ!?」

途端に慌て出すアスカ。

「……アスカ。碇君のことが好き?」

「……や、やっぱりそうくるわけね」

はあ、とため息をつくアスカ。

「じゃ、最後だけど……言うのがばかばかしくなってきたわね。ま、いいか」

アスカは肩をすくめるとシンジに聞いた。

「シンジ、あんたレイのことが好き?」

「……ふふ」
 
 
 
 
 
 

三度、目で語り合う一同。

「たぶん……」

「そうね……」

「ええ……」
 
 
 
 

いずれの質問に対しても答えは同じ。

それが三人の結論。

アスカが号令をかける

「じゃ、いくわよ。せーの!」
 
 
 
 
 
 
 
 

「「「好き」」」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

三人は再び歩き始めた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

おしまい

 
 
 

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