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以下の小説にはグロテスク・ホラーと呼ばれる表現が含まれています。
これを読んだあとの不快感については当方では責任を負いかねます。現実、妄想、想像の判断が曖昧だという方には閲覧はおすすめしません。自己責任のもと閲覧お願いします。

原点回帰

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 手羽先を食べていた時に、ふと思いついたんだ。ああ、この細い骨、きっとあなたの小指やあなたの人差し指もこんな風にほっそりしていてぽきりと折れるのだろうな、なんて。白い、きめ細かな指を口に含むことができたらどんなにいいだろう。その少ない肉をこの手羽先のようにしゃぶり、齧り、油を口にまみれさせて、僕はおいしく食べたいものだ。

 一つ後悔したことがあるんだ。あなたの首の肌がとても柔肌で、すごく触れたくてたまらなかったのに、どうしてそれを味わう前に無我夢中で締め付けてしまったのかって。体温で温かい、この柔肌を、僕は飽きるまで撫でて頬擦して、存分に味わってから、ぐいと力を入れればよかった。

 目玉は柔らかそうで、潤いがあっていい。僕は首から上をちょんぎって、テーブルの上においたままずっとそれを眺めて食事をしたい。なんだろう、まるでゼリーのような不思議な膜がある。

 彼女の乳房は美しい。色んな形を見たけれど、
彼女のものは乳首も乳輪もピンクできれいだ。飛びついて、触って揉んで、しゃぶりつきたい。

 腹は柔らかいし、温かい。この脂肪をざっくりと縦に切れば、真っ赤な腸がある。大きくて、でもすごく温かくて、ああ、僕はもっとその熱さに包まれたい。

 肋骨の周りの肉は確かスペアリブっていったっけ。正直今の僕には興味がない。だってこの邪魔くさい骨さえどければ、触れることができなかったであろう聖域にたどり着くのだから。

 心臓の肉はまるで堅いゴムのよう。もっと柔らかいと思っていたのに。まあいいんだ。これであなたの中に僕が入れる。腸をどけて、胃をどけて、長く繋がっている臓器たちの間に身体をもぐりこませたなら、ああ。なんたる甘美な温かさだろう。むせ返るようなこの香り。僕を包み込む血液の泉。これは子宮に似ている。そうだ。僕は原点回帰がしたかったのだ。

 ありがとうあなた。
 あなたが抱きしめてくれたから、僕は今すごく幸せです。

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