クロ

いままでのあらすじ/登場人物:兄・黒・すいか
兄はとある企業の会長を務める大富豪の御曹司。生まれてから今まで、ずっと父親が敷いてきたレールの上を歩んできた。そんな兄がふと入ったバーで毎晩歌っている黒と出会う。
自分とそっくりの顔をした黒は自由奔放ですべてのことを自分で決めてきた人物だった。黒に憧れを抱き、惹かれていく兄。誰にも頼る事がなかった兄を優しく抱く黒。兄はいつのまにか癒しを求めに黒の元に通うようになっていた。
ある日、兄は自分そっくりのすいかという男に出会う。すいかは兄の父が妾に生ませた腹違いの弟だった。
自分とは全く違う境遇で健気に生きるすいか。兄は様々な事に手を染め、汚れてしまった自分の代わりに綺麗なままで生きて欲しいとすいかを溺愛するようになっていく。
すいかは若くして企業の長となった兄のことを尊敬し、憧れを抱き、その憧れはいつしか恋心に変わっていた。好きになった相手が男性、そして、兄であることに悩むすいか。兄は品行方正で潔癖だった。この気持ちが知られてしまったら嫌われると思ったすいかはその悩みを黒に打ち明ける。
すいかの気持ちを知った黒はすいかを誘う。とあるホテルの一室に招かれたすいかがその夜見たものは、見た事もない兄の姿だった。

昔の大映テイストもしくは韓流ドロドロドラマ風味でお楽しみ下さい。設定・文体はサイトさんに準拠したのでいつものワタクシのテイストとは違う感じでお届けです。

黒がシャワールームから出てくると、すいかはベッドの上に座っていた。
バスローブ姿の黒に手招きする。
「なに?」
なんの気負いもなく、なんの警戒心もない顔を自分にみせる黒がすこし憎たらしい。
隣の部屋では出勤の身支度をする兄がいた。
あの兄が昨晩このベッドの上で自分と黒の間で痴態を晒したなんて、まだ信じられない。
すいかの招きにベッドの端に座った黒にすいかは後ろから抱きついた。
「なに?急に懐いちゃって気持ち悪い」
「ひっどいなぁ、あんな夜を一緒に過ごしたクセに」
あははは。
黒がワザと大きく笑った。
「かわいいね」
そう言って後ろから抱きつくすいかの頬にキスをした。

ずるい。
優しいのはずるい。
僕がこんなにドロドロとしたものを抱えてるのに、この人は優しく笑ってる。
余裕かましてすべてを見透かしたような顔して僕にまで優しくする。
すいかは抱きつく腕に力を込めた。
「ホントに好きなんだね」
すいかはなんとなく悔しかった。されるがままになってる黒が自分より大きい人間のような気がして悔しかった。
優しいから兄はこの人にあんな顔を見せるんだろうか。
いつもいつも理想だった兄。
いつもキチンとしてて自信に満ちて何でもできて、なんでも手に入れてきた自慢の兄。
兄があんな顔するなんて知らなかった。兄にあんな顔ができるなんて知らなかった。
自分には決してみせてくれることのない顔をしてみせる兄が憎かった。
ずっとずっと望んで、望んでも手に入れることのできなかったあの顔をこの人はいとも簡単に手に入れる。
嫉妬で醜い顔してる僕にさえ優しくする。どんどんと自分の心がとっても小さいように思えてきて悔しかった。
そして、そんな黒を手に入れた兄がうらやましかった。
強がりながら甘える兄とその様子をおもしろがりながら優しく抱く黒。
その間に割って入ろうと一生懸命な自分が滑稽にも思えた。

どうして僕ひとり取り残されてるんだろう。どうして。
すいかは無意識に黒の首筋にキスをした。
「悔しいなら仕返ししてやれば?」
意外な黒の一言にすいかが顔を上げる。
「悶々とする前にいじめてやればいい。アンタの兄さんは不器用でプライドが高いからね、わかってるクセに認めないトコがあんだよ」
すいかの頭に手をやって、髪をクシャクシャと弄りながら黒が言う。
「なにもかも思い通りにはいかないんだっていじめてやりなよ。煮え切らない態度がどんなにズルイことか教えてやりな」
カチャリとベッドルームのドアが開いた。
すっかり身支度を整えた兄が顔を覗かせる。
すいかはその音を合図に黒のバスローブを肩から腰へと引き下ろした。
「な?!」
いきなり目の前に広がる不思議な光景に兄が言葉を失う。
「おはよう、兄さん」
「なにをしてる?」
「黒とお話」
理解できないといったような顔で兄はその場に立ちつくしていた。
「やさしい人だよね。ね、兄さんは黒のドコが好き?」
ここ?
と聞かんばかりにすいかが黒の首筋に再びキスをした。
それともここ?
後ろから延ばした手が黒の胸の上を這う。指で乳首を探り当て、軽く擦りあげた。
指でつまんで少しきつめにこね回す。
俯いた黒の前髪が揺れた。

何故?何故だ?
すいかを払いのけるなんて造作のないことだろう?
何故お前はされるがままなんだ?

すいかの真意も黒の真意も測りかね、兄は混乱するばかりだった。

「ああ、そうか。兄さんは黒のココが好きなんだよね」
すいかが黒の股間に手を伸ばす。
ツッと指先で黒のカタチをなぞった。
ピクリと黒の身体が跳ねる。すいかはゆっくりと握り込み擦りあげ始めた。
「ほら。兄さんは黒のココをくわえこんでヨガるのが大好きなんだよね。僕が聞いたこともないような声あげて、黒にすがって、もっともっとって」
黒を擦りあげるすいかの手に力が入る。
「あ…」
思わず黒が声を漏らす。聞いたことのないその声に兄はゴクリと喉をならした。
「自分ばっかりヨガっちゃって、黒のこんな声聞いたことないでしょ。もったいないよね。こういう黒、僕がもらっちゃっていいかな?」
すいかの言葉に兄が眉をひそめる。
「兄さんを抱く黒をあげるから。僕は黒に抱いてもらいたいとは思わないもの。僕は黒を抱いていたい。丁度いいでしょ?」
黒の耳を甘噛みしながら、すいかはバスローブの裾をまくり上げた。
むき出しになったその先をすいかは指で割るように擦る。指の動きにあわせて黒の前髪が揺れる。
先から透明の体液が溢れ出して、擦りあげる指がいやらしい湿った音をたてた。
兄はその場に動けないまま、すいかの行動を凝視するしかできなかった。
「どうしたの?すごい眼でみてる。欲しくなっちゃった?コレでまた突いて欲しくなっちゃった?」
左手で黒を擦りながら、右手でさらに深いところを探り出す。黒の体液で濡れそぼった右手の人差し指をそっと身体の中に忍ばせる。
「…んっ」
黒が身をこわばらせる。

何故だ?どうして私は動けないんだ?
やめろって叫んで、すいかを止めることなど他愛のないことなのに。
どうして?

「やめろっ。お前はそんな人間じゃないだろう?もっと、もっと、綺麗な人間のハズだろう?」
すいかに向かって兄が言う。
「こういうことするのは汚い人間なの?じゃ、黒も汚い人間なの?」
「そういうワケじゃないっ」
「止めればいいじゃない?簡単なことでしょ?僕を突き飛ばして黒を奪えばいい。ズルいよ兄さんは。僕にばっかり理想を押しつけてムリヤリ綺麗なモノにしようとして。自分ばっかりいいとこ取りして。止めればいいじゃない。止められない?そんなの誰かに抱かれる黒がみたい?」
兄は言い訳できなかった。
動けないのは好奇心からだ。黒がどんな顔をするかみたいからだ。口ではお前はこうあるべきだろうってすいかを責めながら自分の好奇心を満たそうしてる。

話をしながら、すいかは二本目の指を黒の中に忍ばせる。
中で指をすりあわせるように動かしながら奥の一番敏感な部分を探りあてる。
「ね、気持ちいい?ここが一番気持ちいい?」
黒が言葉で答える代わりに頭を振った。すいかの指が執拗に黒を責める。内壁を指で擦り揚げられ、一点をグリグリと責められて、すいかに握り込まれた黒自身がビクビクと震える。
早くラクになりたくて自分から腰を振り始める。すいかの指が自分の一番いいところに当たるようにと腰をくねらせる。そんな黒の腰にあたるすいか自身ももうすっかり勃ちきって我慢できなくなっていた。
「ダメだって、ひとりでイっちゃ」
すいかは少し笑って指を引き抜いた。
黒の身体が名残惜しそうにすいかの指にまとわりつく。
「すっごいの。吸い付いてきちゃうんだ」
焦点があわず朦朧とする黒の目が急に兄の姿を捕らえた。

「い…、いつまで突っ立って見てんのさ。ぁ…。会社なんだろ?とっとと自分の場所に戻りなよ」
黒が兄に話しかけてる間もすいかの手は止まらない。
「っあ…」
黒は喘ぎながらも自分から腰を浮かしてすいかを受け入れようとする。
「何故だ?何故そんなことを許す?」
信じられないといった顔で兄が聞く。
「何?最後までイっちゃうトコまで見たいのかよ?すっげー傷つけられたような顔しちゃって」
兄は何を言われてるのか理解できなかった。どうしてこんなことになってるのかも理解できなかった。
すいかが黒を突き上げる。弾かれるように黒の身体が仰け反った。すいかの動きに合わせて声があがる。
裏切られたような顔をした兄が何かを言いかけようとしたときに、黒は不意に顔を向けて言いはなった。
「傷ついたような顔して人を傷つけんなよ。自分が誰に何をしたのか。自分はどーしたらいいのか、その聡明なアタマで考えるんだね。ほら、出てきなよ。遅刻すんじゃん。バイバイ」

追い打ちをかけられて、兄は何も言えずに部屋から出ていった。
兄は初めて黒に拒否されたような気がした。今までどんな生意気な口をきいても高圧的な態度をとっても、黒は笑って許してくれたのに。
ただ茫然とどうしたらいいのかわからないまま、仕事に向かう兄だった。

兄が出ていった後もすいかは黒に腰を打ちつけ続けた。
「あ…あぁっ…」
部屋にはすいかの荒れた息と黒の声。
すいかが握り込んでた手を緩め、先を指先で割ってやると、すぐに黒が弾けた。くわえ込んだすいかを締め上げながら腰を動かす。程なくすいかも黒の中で弾けた。
はぁはぁという2人の息。
黒は肩越しのすいかの頭に手をまわし、髪を撫でてやった。
「すっげーじゃん。アンタ」
「あなたもね」
すいかに体重を預けていた黒が身体を起こしてすいかから離れた。繋がってた部分からすいかが抜け落ちる感覚に黒が身を震わせる。
「せっかくシャワー浴びたところだったのに…」
内股にすいかの放ったものを滴らせながら向き直る。
「あーもう、チェックアウトぎりぎりまで寝ちゃおうよ。朝からクタクタになっちゃった」
黒の態度の豹変ぶりにきょとんとするすいかの頭を抱きしめてから、黒はベッドに潜り込んだ。
「ほらほら、アンタも寝ちゃいなよ」
黒がすいかの腕を引っ張って自分のそばに引き入れる。
「ね、なんでヤらせてくれたの?兄さん、すごく傷ついた顔してた。いいの?」
「これくらいやらないと考えないでしょ。きっと今日は一日頭ん中はさっきのことでいっぱいだよ、あの人は」
「僕のために?」
黒がすいかの額にチュっとキスをする。
「俺が言えた義理じゃないけどさ、自分のどんな態度がアンタを傷つけたか考えてもらわなくちゃね」
「でも、答えがでたら兄さんはもっと傷つくんじゃないの?」
「そんときは俺が慰めてやるって」
「そーやってオイシイとこ持ってくんだ」
「ヤられてもタダでは起きません」
「ずっるいの」
「そーやって世の中渡ってきたんです」
すいかは黒に抱きしめられて、背中をポンポンと叩かれた。
黒はすいかが眠るまで、頭をなで続けてくれた。

ああ、頭撫でられるのって気持ちいいんだな。

すいかは初めてそう思って眠りに落ちた。

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