■更新情報
- 書き始めました。ちょっとずつ書き足していきます。更新の度に段落の順序が入れ替わったりや構成が飛んでたり、読みづらいかもしれません。あしからず(最終更新日
2003.05.22)
■はじめに
ちょっと前まで数百万円もしたレンズ交換式一眼デジタルカメラが今や実売価格20万円を切ってそろそろ買い時になってきた感があります。600万画素クラスの低価格機が各社から投入され、コンピュータ雑誌のみならず、一般カメラ雑誌も大々的にとりあげて目を見張るような美しい作例が続々と掲載されてます。一般デジカメユーザーも従来のフィルム式の一眼レフカメラユーザーもちょっと気になる存在になってきたのではないでしょうか?ただ安くなったとは言え、一般的なデジカメに比べて数倍の価格差があり、価格差に見合うメリットがあるのか?使いこなせないのではないか?などまだまだ敷居が高いのも事実です。というわけで、普段フルオートモードしか使わないようなコンパクトデジカメユーザー(私です)の視点から見たレビューをお届けします。本来この商品のメインターゲットである銀塩カメラを使いこなしてきたハイアマチュアやプロ・セミプロのみなさんには全く参考にならないと思います。あしからず(^^;
なお、すでにこのD60は製造中止されており、より安く、機能アップした新製品のEOS
10Dに切り替わっています。多少の機能差はあれ一眼デジカメとしての基本的な概念や使い勝手は似たようなものなので、ある程度は参考になると思います。
■何が要るの?
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レンズは別売りなので、購入時はこのような姿。 |
一般的なデジカメとは違い、本体だけ買ってきても撮影はできません。別途レンズが必要です。いろいろなレンズに交換して撮影できるのがこの手のカメラのひとつの楽しみでもあります。レンズはキヤノンの一般的な一眼レフカメラ用のレンズが使えます。ここで純正レンズのラインアップが見られますが、たくさんありすぎてよくわかりませんね。レンズに関してはまた後述します。
あと画像記録用メモリーカードのコンパクトフラッシュ(CF)も付属しないので別途用意する必要があります。600万画素の画像データのファイルサイズは大きいので、128MBのCFでも画質Fine設定では48枚しか撮れません。
バッテリーや充電器、PC接続ケーブル等は付属しているので、レンズとCFさえ揃えればとりあえず撮影してPCに取り込むことはできるようになります。
■デザインについて
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フィルム式一眼レフ(EOS-10QD)と並べてみました |
従来のフィルム式の一眼レフカメラの基本的なデザインを踏襲しており、特にキヤノンのEOSシリーズ使ってきた人には、何の違和感もなく使うことができると思います。一見かなり大きく、ゴツい感じですが、長年にわたって熟成されてきたこのカタチはやはり持ちやすさ、撮影のしやすさともに、昨今のデザイン重視のデジカメとは一線を画する安心感があります。
外装はプラスチックでちょっと安っぽい感じです。価格なりの高級感というのはあまりありません。ただ、この質感も使ってるうちになぜか気にならなくなりました。ちなみに新型のEOS-10Dは金属外装になっています。
■撮像センサーの大きさ
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一般的なデジカメの中高級機に採用されている1/1.8"撮像センサーとD60の撮像センサーの大きさの違い |
コンパクトデジカメとの大きな違いのひとつに、撮像センサーの大きさがあげられるでしょう。撮像センサーとは、レンズを通ってきた像を取り込んで電気信号に変換する、いわばフィルムに相当する重要な部分です。通常のデジカメの撮像センサーはせいぜい小指の爪ほどの大きさしかありません。一方の一眼デジカメの場合、撮像センサーは22.7mm×15.1mmと桁違いの大きさです。一眼デジカメが高価なのは、まさにここにコストがかかっているからです。高感度時や長時間露光時のノイズは格段に減り、一般にデジカメが苦手とする遠景の細かい描写に関しても自然な解像感が得られます。
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空気まで撮れているように見える自然な解像感
※クリックすると実画像(未加工)を表示します |
スローシャッター(6秒)で夜景を撮っても驚くほどノイズが少ない |
■焦点距離1.6倍とは?
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35mmレンズの本当の画角 |
同じレンズでもD60で撮るとこうなる |
一眼デジカメの場合、よくカタログや記事に「画角はレンズ表記焦点距離の1.6倍相当になります」などと書かれていますが、これはいったいどいういうことでしょうか?
デジタル化に伴い、フィルムと置き換えることになる撮像センサーが従来の35mmフィルムと比較して2まわりほど小さいサイズしかないため、同じレンズを使っても写る範囲(画角)が狭くなってしまうわけです。その差が焦点距離に換算して1.6倍あると言っているわけですね。具体的には35mmレンズで写しても、56mm(=35mm×1.6倍)相当の画角になるということです。どんな感じになるかは、右図をみてもらえれば一目瞭然ですね。同じレンズとは思えないほど違ってきます。
望遠を重視する向きには有利ですが、風景撮影等で広角を重視する人には、広角レンズを使っても標準レンズ程度の写りになってしまい苦労することになります。撮像センサーサイズが35mmフィルムと同じサイズであれば問題ないのですが、コストとの兼ね合いで普及機では各社とも似たような仕様になっています。(※同じキヤノンでもハイエンドのEOS 1Dsはこのような違いの出ないフルサイズの撮像センサーです。ちなみにライバルのNikon
D100は1.5倍です)
■コンパクトデジカメよりも圧倒的に見やすいファインダー
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ファインダーを覗いた状態(マウスポインタを画像に重ねるとシャッターを半押しした時の変化を見ることができます) |
コンパクトデジカメの場合液晶を見ながら撮影することに主眼が置かれており、のぞき穴から撮影するビューファインダーはほとんどおまけでついているような状態です。
コンパクトデジカメのビューファイダーは実際に撮影するレンズとは違う別の位置にあるのぞき穴から見る関係上、視野率が80%前後と実際に見えている範囲よりも結構大きな範囲が撮影されてしまったり、中心位置も微妙にずれてしまうといったことがあり、構図を正確に決めることができません。また光学式ビューファインダーではピントがあっているかどうかの確認も不可能です。液晶画面を見ながら撮影する場合は、そういった不都合はありません。ただし、液晶は晴天下で見づらい、動きの早い被写体を追いづらい、細かいピントの確認ができない、液晶表示によるバッテリーの消耗が激しいなどといった欠点があります。
一方、D60に限らずこの手の一眼デジカメは、被写体を液晶画面に映しながら撮影することは原理的に不可能です。液晶はあくまでも撮影後の画像確認や各種設定用のためにあり、撮影はすべてビューファインダーを覗いて行うことになります。
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今まで運任せだった、動きの速い被写体の撮影が、ある程度狙って撮影できるようになります(画像をクリックすると大きい画像を表示します) |
では、そのビューファインダーでの撮影はどうでしょうか?のぞき込んだ瞬間、いわゆる普通のデジカメのファインダーとは別世界であることに気がつくでしょう。まさに一眼ならではです。被写体が実際に撮影するレンズを通して、そのまま目にとびこんできます。視野率95%のファインダーでほぼ狙った通りの構図で撮影でき、ピントの確認はもちろん、絞り込みボタンを押せば絞りの変更による被写界深度の変化なども手に取るようにわかります。
ファインダー内には現在の絞り値や、シャッタースピード、連射残り枚数、露出補正などが必要最小限にして充分な情報が表示されており、ファインダーをのぞき込んだままで撮影に没頭できるようになっています。なんだか、うまい写真が撮れそうな錯覚さえ覚えさせてくれる独自の空間がそこにあります。
つづく…
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