PLEXTOR PX-W1210TS/BS |
■更新情報
■はじめに
SCSI接続の12倍速書き込みBurn-Proof対応CD-RWドライブです。今やインターフェースをSCSIにこだわる必然性はあまりないのですが、同メーカーのATAPIモデルのPX-W1210TAと比較して、
などの基本性能アップがはかられているらしいので、あえてSCSI版を選択しました。結構前に買ってからインプレを書かずにもたもたしてたら、同メーカーから全周16倍速書き込みのATAPI版の新製品が出ちゃいました。これから買うならこっちのほうがいいかも(笑)。購入価格は29,800円でした。
■仕様
CD-R記録12倍速・CD-RW記録10倍速(High Speed対応メディア使用時)・CD-ROM読み出し32倍速です。Burn-Proof機能を搭載しているので、万が一書き込みにデータ転送が追いつかなくても、今までのように書き込みに失敗することがなく、メディアを無駄にすることがありません。また、書き込み時に安心して他の作業を行うことができます。Burn-Proofについて詳しくはこちらの公式ページをごらんください。
さらに音楽CDに曲名などを記録するCD-TEXTにも対応している他、データ・オーディオトラックのサブチャンネル読み込みにも対応しているので、Clone-CD等の複製ソフトの機能を100%生かすことができます。
■外観
背面の冷却ファン |
ATAPI版と比較して前面パネル操作部に音楽CDの再生・早送り・曲送りボタンが追加されています。音楽CDをパソコンで聴く人には便利かもしれません。他にはヘッドフォン端子とボリュームつまみ、ディスクのセット状態や書き込み速度等を示す4つのLEDランプが並んでいます。
背面で目立つのは冷却ファンです。CD-RWのピックアップレーザー部は熱に弱く、冷却が不十分な状態で連続稼働させると極端に寿命が短くなるという話なので、ユーザーの使っているケースによってまちまちな環境に置かれる内蔵タイプにこそ冷却ファン装備というのはありがたいと思います。なんとなくメーカーの良心を感じますね。なお、ファンの音は聞こえないほど静かです
■付属ソフトウェア
バンドルソフトの定番ともいえるB's RecorderGOLD(Burn-Proof対応版)と、PlextorオリジナルのPlextorManager2000が付属します。
B'sRecorderGOLDにはi815マザーのWindows2000上で、intel Ultra ATAドライバーをインストールした環境では起動できないという不具合があったのですが、まだ治ってないようです。
なお、PlextorManager2000は以下のような各種ユーティリティーで構成されています。
■12倍速の威力
今まで使用していたのが4倍速のドライブだったため、CDをフルに焼いても5分ちょっとで完了するというのはかなりうれしいです。しかも焼きながら他の作業を行ってもバッファアンダーランエラーの心配がないので心理的にも焼き作業の負担が軽くなった気がします。最近のPCのスペックの向上により通常の作業ではBurn-Proofが作動するまでもなく、実際にBurn-Proofの恩恵にあずかることはまれであると言えるでしょう。使わないに越したことはないし、まぁ一種の保険みたいのだと思っています。CD-RWも部分消去なら約2分、完全消去でも15分です。
■優れた音楽CDリッピング能力
Plextorのドライブは音楽CDのリッピングに好適だとよく言われたりしますが、このドライブも例にもれず高速で安定しているようです。DOS/V
magazine誌2001 1/1号で紹介されていたCD/DVD-ROMベンチマークソフトのCDVD Benchmarkを使って測定してみました(下図)。誌面ではこのPX-W1210TSの測定結果も掲載されていたのですが、23倍速付近で頭打ちとなって、リコーのドライブに完敗していました。最近公開されたファームウェア1.01を適用したドライブでの再挑戦です。77分強の音楽CDをセットして測定したところ、内周部14.5倍速-外周部33.6倍速と今度は頭打ちになることなくきれいなグラフを描いてくれました。cd2wav32のベンチマーク結果も同様です。平均すると23.9倍速となり3分強で74分の音楽CDの全曲を吸い出せる計算になります。実際12トラック・77分の音楽CDをまるごとcd2wav32で吸い出してみたところ、3分40秒で終了しました。なお、吸い出し時はCDが高速で回転するため「ブーン」というそれなりのうなり音をあげています。
いくら高速でも、吸い出したデータにノイズが乗るようでは意味がありません。音楽CDはそのフォーマット規格上うまく同期がとれないと「プチッ」というノイズが乗ってしまうことがあります。一昔前までは「音楽CDの吸い出しでノイズが乗るのを防ぐには等速か、2倍速が最適」などと言われたりしてました。外周部で実に33倍速もの速度で吸い出して大丈夫なのか不安だったので、手持ちの長時間CD8枚を使ってそれぞれ最終トラックを1倍速で吸い出したものと32倍速前後で吸い出したもの(.wavファイル)をバイナリコンペアしてみましたが、いずれもデータは完全に一致しました。比較検証には便利なWaveCompareを使わせていただきました。今後問題が発生しない限り、素直に高速リッピングの恩恵にあずかろうと思います。(ただしキズや汚れのあるCDは速度を落として読み込んだほうがいいかもしれません)