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東京で騒がしい場所の一つである渋谷、道玄坂。 ここはSPRのオフィスである。 そこから、けたたましい声が聞こえた。 「なんですと〜〜〜・・・・・」 その声の主はぼーさんこと滝川法生の叫び声であった。 そこには話しの中心である谷山麻衣がいた。 「・・だから・・ね・・、その・・・あの・・あか・・あかちゃん・・できたの・・・」 少し、いや、かなり恥ずかしそうにしている麻衣に質問の波が襲った。 「相手はナルですわよね。」っと真砂子が言い。 「今、何ヶ月?いつ予定日なの?」と綾子が質問した。 谷山麻衣19歳の夏、生まれてはじめての質問に戸惑いつつも答えた。 「えっ・・えっと、相手はもちろん・・・。今、二ヵ月目で予定は2月10日・・・」 っと言い、さっきよりもっと恥ずかしそうにしていた。 しかし、顔はうれしそうに微笑んでいた。 真砂子と綾子は麻衣に「「おめでとう」」といった。 「んで、当の相手さんはもう、知ってるの?」 「うん。おとついに言った。」 「え?おとつい?ね〜麻衣v昨日もみんな、ここに来てたよね〜」 麻衣はぎくりと効果音を背負った。 「あの・・・人には、心構えってものがあるでしょ・・・えへへ・・・」 綾子は麻衣の頬をつねった。 「馬鹿。私たちの仲でしょ。」 「そうですわ。」 「うう・・ごめん・・みんな・・・クスン。」 カラン。ドアが開いた。そこには話しの中心のもう一人のナルがいた。 それまで、化石化していたぼーさんが我に返った。 「ナ〜ル〜ちゃ〜ん〜v」少々気味の悪い声をしながら言った。 「なんですか。」 ぼーさんは今までのふざけた表情が消えた。 「麻衣を泣かせるな。そんだけだ。」 「いわれなくとも」 少し微笑んだ。(ナルを知るものしかわからないが) それから一呼吸おいてから「さーて、今日はパーティよ」と言って立ち上がった綾子。 パーティは名目で宴会になだれ込むのはここの常識。 「そ・れ・か・ら・麻衣あんたは、もちろんジュースね」 人差し指を立てて麻衣に言った。それは、未成年だと言う理由もあるけど 妊婦という麻衣の身体を気にして言ったことである。 pm:7:00 新宿にある小さなバー で二人の子供の祝福をした。 祝宴もほどほどにすでに宴会化していた。 ぼーさんは安原さんとジョンに絡み始め、綾子はナルに説教をし始めた。 真砂子と麻衣はジュースのため酔うことは出来ず二人はカウンターの方へ逃げ込んだ。 「おめでとうございます。」 それは、今日何度も聞いた言葉であったが、それでも麻衣はうれしかった。 麻衣は自分の下腹部を撫でた。そこには本当に小さいけど確かに息づいている命。 「麻衣。ちゃんと幸せになりませんと、わたくしがナルを取りますわよ。」 真砂子は着物の袖で口を隠して笑った。 これは真砂子にとってのエールであった。 麻衣は花が咲いたように笑って頷いた。 それから一時間ほど宴会が続いた。 ナルがお開きをうながし宴会は終わった。 ナルと麻衣は一緒に帰った。 皆が気をきかせて(?)二人っきりになれるようにしたのだった。 二人は黙ったまま渋谷を歩いた。はっきり言って二人は目立つ。 お似合いのカップルであった。男女共に羨望や嫉妬の視線がふりそそいでいた。 麻衣はその視線には気づいてはいなかった。 ナルはナルで気づいてはいたがそんなことは無視をしていた。 ナルは麻衣の肩を抱いた。 「へっ?どっどどうしたの?」 ナルが外ではあまりやらないことやられて、びっくりしていた。 「別に」 いつもどうりのそっけない答えが返ってきた。 「ふーん・・」 また無言の時が続いた。 ナルと麻衣のマンションについた。 二人は隣同士だったが麻衣はナルの部屋に泊まった。 麻衣は着いたとたんソファに座り込んだ。 「ねえ・・ナル」 「なんだ。」 麻衣はクッションに顔を埋め目線だけナルを見て言った。 「わたしなんかでいいの?」 軽く溜息をついて麻衣の頭をはたいた。 「馬鹿だ馬鹿だと思っていたがここまで馬鹿だったとは・・」 「なんだよ〜・・」頬をふくらまして言った。 「麻衣はどうなんだ。」 突然で驚いたが最高の笑顔で、 「もちろん、ナルじゃなきゃイヤ」 ナルは麻衣のおでこにキスをした。 そして、唇と唇が触れた。 「僕は・・僕も・・・・」 と言い、もう一度唇が触れた。 ぽそっと麻衣はナルにそして、今はもういないジーンに心をこめて 「あたし、ナルのこと好きだよ。」 ――― こうして、長い夜は過ぎていった ――― |
管理人の御礼 いつもキリ番を取ってくださる(笑)理津さまが送ってくださいました。 二人ともとっても可愛いですね〜〜〜v 何か‥‥‥失ったものの大きさを噛みしめましたが(笑) ありがとうございました! |
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