- 龍介はお昼、ベッドの上で瞳のイヤリングを見つめながらボーっと横になっていた。
と、その時、電話が鳴った。
龍介は瞳からの電話だと思い、慌ててしたに降りていき受話器を取った。
- 龍介:
- もっ、もしもし!?
- 電話は真理子からだった。
- 真理子:
- ・・・・・・もしもし、あたし・・・
- 龍介:
- ま・・・真理子
- 真理子:
- 今、駅前に来てるの。
- 出て来られない?
- 龍介:
- ・・・・・・・・・
- (前にもこんなことがあったな・・・)
(修学旅行先だっけ?)
(真理子にふられる覚悟で会いにいった時の気持ちに似てる・・・)
(ちょうど1年前か───)
- 龍介は待ち合わせの喫茶店に入った。
- 真理子:
- 龍ちゃん、ここ、ここ・・・
- 真理子は笑顔で手をあげて迎えた。
龍介はちょっと驚いた表情であった。
- (昨日、授業中にオレが飛び出したこと・・・瞳がらみだって知らないはずがない・・・)
(だから昨日も早退したんだろう?)
(どういうつもりで笑ってるんだ?)
- 瞳はすっと振り返って、
- 龍介:
- が、学校サボったのか?
- 真理子:
- 龍ちゃんだってサボったくせに。
- 龍介:
- な、なんでオレがサボるって知ってんだよ!?
- 真理子:
- カンよ。
だてに一年半もつきあってないわ。
- (一年半か・・・)
- なーんちゃって・・・へへ
- 龍介:
- 真理子・・・オレ・・・話さなきゃいけない事がある。
- 少し気まずい雰囲気が漂った。
- 龍介:
- オレ・・・昨日・・・瞳と会ってた。
・・・・・・・・・・・・
- 真理子:
- ああ・・・引っ越すんだってね・・・七穂さん・・・
大変ね───この時期に転校だなんて・・・
元気にしてた?
- (瞳のことは見なかった事にしようっていってるのか?)
(何もなかった事にして・・・オレとまたうまくやっていこうっていってくれてるんだ・・・)
- 龍介は真理子のそんなやさしさにどうしてよいものか困惑していたが、
いまの正直な気持ちを告げないといけないと思い、真理子の顔を見つめてこう話し始めた。
- 龍介:
- オレ・・・瞳に行くなっていった。
- 瞳の表情が一気に曇った。
- 龍介:
- あいつが目の前からいなくなるのがたえられなかった。
そんなこと言ったってどうしようもないこと、わかってたけど・・・
- 真理子は手を震わせながらスプーンでカップの中を回し始めた。
- 真理子:
- ・・・・・・・・・・・・
龍ちゃん・・・
明日の・・・映画だけどね・・・
あたし、行けなくなっちゃった
- 真理子は目に涙を含ませながら笑顔で答えた。
そしてすぐ席を立つなりそのまま店を出ていった。
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