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10月の花・西荻

10月の西荻の花 

朝顔屋敷

有名なツタの絡まるお家ですが。今は朝顔が真っ盛りで壮観です。2005年10月14日、13:59:08
西荻南3−14























橘擬(たちばなもどき)

どんぐり舎の見事な色づきです。
学名(Pyracantha angustifolia)のピラカンサにスを付けて「ピラカンサス」と呼ばれています。10月の花
05.10.20


















紫式部

10−11月に、たちばなもどきに対抗するように、優美な実を付けます。善福寺付近にて051020





















空蝉(蝉の抜け殻)

神明神社(天祖神社)の神楽殿。蝉の抜け殻です。

漢方では「蝉退」と呼び解熱、止痒の処方に配合されます。
幼虫として4−5年も地中で過ごし、地上でわずか数週間成虫として子孫を残し死んでいく訳ですが、昆虫としては長命です。
蝉の抜け殻を「空蝉」とも書きます。本来の意味は、「現(うつ)し臣(おみ)」→「うつそみ」→「うつせみ」で「この世」とか「この世に現に生きている人」だそうです。
「うつせみ」に「空蝉」と言う漢字を当てたので、「蝉の抜け殻」という意味も出てきたそうです。「人・世」などの枕詞としても使われます。「空蝉と」表記することで、何か無常観が込められているようです。
源氏物語の「空蝉」は、女性の名前で、17才の光源氏が「空蝉」の寝所に夜ばいして人違いに気が付くのですが、引き下がる訳にも行かず、そのまま、他の女性と一夜を過ごしてしまう情景が描かれています。男女の微妙な「むなしさ」を表現したかったんでしょう。
「空蝉」の季語は夏です。西荻の俳人、水原秋桜子(みずはらしゅうおうし1981没)の句
「空蝉の三つまですがる垣戸かな」
水原秋桜子は昭和29年(62歳)11月杉並区西荻窪1丁目(現西荻南4−18)に新居を建て、転居し多くの西荻にかんする句、善福寺川などを題材に詠んだそうです。現在は「馬酔木」発行所となっています。2005.10.1.15;33

無患子(むくろじ)と銀杏

右側の青い実と、黒い種は無患子(ムクロジ)でそれぞれ3つずつあります。
左側の熟したような実は、銀杏で3つあり、皮のむけたのが1つあります。
下に敷いてあるのが公孫樹(いちょう)とムクロジの葉です。
公孫樹は11月の花、で平瀬作五郎の話などを詳述しました。
ムクロジ(英名Soapberry=石鹸の実)は学名は、Sapindus mukurossiで、ムクロジ科ムクロジ属です。Sapindusは(sapo=石鹸、indus=インド)「インドの石鹸」の意味です。
ムクロジの果皮にはサポニンという配糖体(オリゴ糖との結合物)を含んでいて、これが界面活性作用(例えば水と油のような性質の違うものをくっつけてしまう働き)を持ち、100年前までは石鹸の代用に使われていたのだそうです。
また、石鹸同様、水に溶けると泡立ちがよく(疎水性の部分は水に排除されるように凝集し泡となって盛り上がり、親水性のオリゴ糖が水に相対して底面を作り、泡立ちとして見える)、発泡剤として泡消火器にも詰められたそうです。

高さ20mを越す大樹になります。雌雄同株で葉は偶数羽状複葉で、秋の黄葉がとても素晴らしい見事な樹です。
ムクロジは植物分類学上、バラ亜綱(Rosidae)でレイシ(ライチー、茘枝、lychee, litchi等、冷凍物が年中出回りますが、6月には生ものが果物屋の店先に出回ります )、リュウガン(ロンガン、龍眼、果肉はレイシ同様、濁白色ですが、果皮が平滑)、ランブータン(赤い髭もじゃの外皮、中身は茘枝とそっくり)、ガラナガラナ(清涼飲料や強精剤)や、近頃人気観葉植物?フウセンカズラ等を含みます。
正月には、中の黒い実に長い竹ひごをさし、鳥の羽根をつけ、つくばねとして、羽子板で突きあげたのですが、この風習は意外と古くからあり、室町時代末、一條冬良(いちじょうふゆら)が記した「世諺問答」という、風習を描いた絵本に載っているそうです。10月4日神明神社で撮影 2005.10.6

猫じゃらし

原っぱを見つけました。
近頃はすぐ家が建ってしまい、空き地が放置されている「原っぱ」珍しいのです。
これはご存じ「猫じゃらし」です。
語源は、勿論これを目の前にちゃらちゃらさせて、猫をじゃらすからですが、江戸方言とあります。

牧野植物図鑑の正式名称はなんと「えのころぐさ」(犬の子草の意)で子犬の尾っぽに似ているからだそうです。
どちらも、良い名前ですが、近頃は原っぱもないのでこういった遊びをすることもないのでしょう。上荻4−13  2005.10.13.13:56

キンモクセイが今年は見事です。

2005.10.13.15:16 西荻南3−20

秋の長雨の束の間の晴れ間

2005.10.21 西荻南4−7

萩(作成中)

大犬蓼?(作成中)

犬ほうづき

2005.10.13.13:24西荻北2−31

秋明菊

「しゅうめいぎく」という名前ですが、キク科ではなく、キンポウゲやアネモネに近い花です。
英名はjapanese anemoneで花は離弁花(菊は合弁花の集合)

古くから日本に渡来していたそうで、京都や鎌倉のお寺の名物になっています。

貴船菊(キブネギク)といわれ、京都の貴船神社あたりはこの花が咲き乱れているそうです。

この花の実物は大変見事なもので、大人が抱えきれないほどの花束になっていました。
この写真はごく一部です。

13.10.21 松庵3−35



背高泡立ち草

第一次大戦前に北アメリカから観賞用に持ち込まれましたが、すさまじい繁殖力を持ち、瞬く間に、京阪神、九州を中心に全国に広がりました。これは菊科の植物の特徴ですが、地下茎が放射状に広がり、引っこ抜いても、切れやすく、千切れた根からもすぐ発芽する、いわゆる「再生力」が優れているからです。地下茎は栄養を蓄え、しかも、根から他の植物の成長を抑える物質を出すので、背高泡立草に限らず、菊科植物は栽培植物にとって一番やっかいな雑草です。
 
一時、花粉病の原因とされたましたが、虫媒花(昆虫によって受粉する花)ですので、風などによって花粉をばらまかないので、これは濡れ衣です。養蜂業者にとって晩秋の貴重な蜜源です。豚草(ぶたくさ)という、菊科の形も由来(同じ頃北アメリカから渡来)もそっくりの花が風媒花(風によって受粉する花、杉花粉が有名)で、これが犯人のようです。ただあれほど繁茂していたものの、現在ではあまり見かけません。西荻でも盛りを過ぎた今頃やっと見つけました。これは「連作障害」または「忌地(いやち)」と言われている現象だそうで、自然の調整作用なんでしょう。

また菊科の花らしく、一つの花と見えるもの(花序という)が実は多くの花の集合体です。切り花などの菊の花やヒマワリをバラバラにほぐしてみると分かります。外側の花びらと見える部分は「舌状花」、内側の盛り上がった部分は「管状花」の集合で、これが菊科の花の基本的構造です。
菊科の植物は23000種もあり、植物学上最大の科ですが、有用植物は少なく、春菊、蕗、牛蒡、ヒマワリ(種を飼料、搾油)、紅花(染料)、菊芋(イヌリン=砂糖)等のみです。13.10.25上荻4−52

ベゴニア

ベゴニアは雌雄同株異花であるため交配による変種を作り出すのが容易であり(雄花を取り除けば自家受粉を簡単に防げる)栽培変種は多様で実に2000種を越すと言われています。また葉ざし繁殖で簡単に増やせるので園芸雑誌などで良く取り上げられる人気植物です。
雌雄同株異花と言う事で、種類にもよりますが、通常、先端は雌花です(写真は雌花)、雄花は下部につきます。
ほとんどのベゴニアには耐寒性はありませんが、四季咲きであり年中、花の絶えないのが人気の理由でしょう。ベゴニアはフランスの植物学推奨家Michel Begon(1638−1710)によってヨーロッパに広められ、そのため彼の名前で呼ばれるようになったそうです。

しゅうかいどう(秋海棠)は寛永年間に中国より渡来したベゴニア属の植物で、耐寒性もあり、四季咲きではなく、初秋に花を付けます。名前の如く秋に欠かせない花なので、西荻中を探索したのですが、ついに発見できず、花屋さんに聞いたら、今は流行らないそうです。

永井荷風(明治12−昭和34)は大正5年、父から受け継いだ市ヶ谷余丁町の1000坪の敷地の半分を売り払って、残り500坪の敷地に建坪240坪の屋敷を新築し「断腸亭」と称しました。大正6年から死の前日まで書かれた、有名な「断腸亭日乗」(日乗=日記)もこの屋敷の雅号に由来します。ところでこの雅号は、荷風が断腸花、すなはち秋海棠を愛したところから付けられた訳です
荷風の著作を調べたましたが、断腸花の記述は発見できませんでしたが、フランスに遊学した際に、かの地で愛でた思い出があるのでしょうか?命名元の中国では、「恋人が来ないのを悲しんだ女性の断腸の涙が美しい花となった」と言うところから付けられたようです。ちなみに「断腸花」という悲恋の香港映画もあります。西荻北2−21 13.10.21

洋種山牛蒡(ようしゅやまごぼう)

洋種の名の如く北米原産、明治の初め入ってきて野原や空き地に必ず見かける、インクみたいな汁の出るおなじみの雑草。

牧野植物図鑑の正式名称は「あめりかやまごぼう」で「液菓には赤紫色の汁があって、不正商人は葡萄酒の着色にこの汁を用いたことがあったという。

またこの汁で一時的にインクを作る事も出来る、それでインクベリーという俗名もある・・・」となっていました。

植物学上は「やまごぼう科」に属し有毒植物だそうです。

みそ漬けや粕漬けにする「山牛蒡」は菊科アザミ属の植物で「もりあざみ」が正式名称だそうです。
フツーの「きんぴら」にする野菜の牛蒡は、菊科ゴボウ属だそうです。
13.10.23南荻窪2−34

露草

初夏には花を付けますが、季語は秋だそうです。

別名、縹草(はなだそう)ともいい、
花びらの色は縹いろと言われ上品な薄い青色は、
染料として宮廷や僧侶に愛用されました。
また、花の青汁で染めた青紙は、
現在でも友禅や、絞り染めの下絵の絵の具として用いられます。

花びらには、アントシアンの一種であるコンメリニン(commelinin=露草の学名でもある)という色素を含んでいます。

柴田桂太(1877-1949)は植物生理学者で、日本の生化学の基礎を築いた人ですが、1918年にコンメリニンを野生の露草から単離結晶し、抽出したコンメリニンの研究により長い間論争になっていた、植物の発色メカニズム論争に終止符を打ちました。

アントシアンは植物の細胞液の中に必ず含まれている、水溶性の色素ですが、その発色は非常に不安定で、不思議な事に赤・青・紫など様々な色に変化・発色します。その発色のメカニズムは世界の植物学会の謎でした。

それまでの研究で、アントシアンの発色は植物の細胞液のph(ペーハー=水素イオン指数=これにより酸性の強度が変わる)の度合いによると推定されていましたが、

柴田は「金属錯体」説といい、色素の核になる金属原子が何であるか(アルミ、マグネシュウム、カルシュウム等)の違いにより発色が異なってくる事を立証し世界の学会に衝撃を与えました。

現在では紅葉や、アジサイなどの花色の変化もこの金属錯体説で説明されています。

露草は大変丈夫な草ですが、花びらは公害に敏感な花として知られ、特に酸性雨に会うと青色が溶け出すそうです。13.10.21

ほととぎす

13.10.7西荻南4−6 13.10.21南荻窪3−8

写真写りが良くないのか、猛暑のせいか、今年のホトトギスは発育不全で肝心の不如帰(鳥)の胸腹の斑点に似た、花ビラの臙脂色の点々がはっきりしません。ひょっとしたら、自宅の庭に咲いていた、見慣れたほととぎすとは違うのかもしれません。
百合科の植物だそうですが、百合に全然似ていません。ぎぼうし、かんぞうが近縁と言われればなるほどと思いますが。種類は多く、牧野植物図鑑等には・・・・ほととぎす、やまほととぎす、やまじのほととぎす(山路)、きばなほととぎす、ちゃぼほととぎす、たまがわほととぎす、じょうろほととぎす(上臈)、きいじょうろうほととぎす(黄上臈)、さがみじょうろうほととぎす(相模上臈)、たかくまほととぎす(高隈、大隅半島に自生))、きばなつきぬきほととぎす(黄花突貫)、たいわんほととぎす(台湾)・・・と沢山あって写真の花はどうやら「やまほととぎす」のようで、自宅の庭にも生えていたものとどうやら違うようですがすがハッキリしません。13.10.7
南荻窪で見事なホトトギスを発見しました。丈は2m位あって、ビックリしたのは・・・さすが百合科なんですね・・・とても上品な香りをあたりに振りまいていました。種類は前掲のものと同じなんでしょうか?生育場所で違ってくるんでしょうか?13.10.21

はぜらん

8月の花としても掲載したんですが写真写りが悪かったので再掲載。
という事は結構花期が長いんですね。

西荻北の大通り、青梅街道に近い「ブリキ星」と「ひねもすや」の間の路面で大繁殖。
この花、西荻の至る所で見られますが、どういう訳か、アスファルトの割れ目から生えているのしか見た事がないんです。花の少ない10月、喜んで撮影。

全体は白花のかすみ草に近い趣ですが、
こちらは和風、茶花にも良いような風情のある上品な花ですが、俳句歳時記大辞典には載っていません。
牧野植物図鑑によれば、すべりひゆ科(ごぞんじ多肉植物の雑草で松葉牡丹も同じ科)で・・・・・・
「多分明治初年頃に入ってきたと思われる熱帯アメリカ原産の1年生草本で、庭園に栽培されている・・・ハゼ蘭のハゼは何を意味するのか不明であるが、花が散乱して咲くのを米花(ハゼ)にたとえたのかもしれない」とあります花の付き方が、お米を煎ってはじけたような感じがするのでしょう。
13.10.11 西荻北5−9

すすき13.10.27
厚葉君が代蘭13.10.25西荻南3−21

きんもくせい

もともと大気汚染に弱い樹ですが、今年は金木犀の当たり年なんでしょうか、房のようにたわわに咲いています。子供の頃は、瓶に集めて香りを楽しんだり、アルコールや砂糖水に漬けたものです。大人は焼酎に漬けるそうですが。

もくせい科は香りの良い花が多く・・・

ジャスミン=中国茶の茉莉茶に入れる。

ライラック=淡い紫色の花。フランス語ではlilasリラ。シャンソンで「リラの花咲く頃」は日本では「すみれの花の咲く頃」と変わっています。寒さに強いので今では北海道が名産地、倉本聰さんのTVドラマ「北の国から」に出てくるのはラヴェンダーですが、ライラックの群生もあるそうです。

ひいらぎ=白い花で香りは良い。クリスマスにとげのついた葉を飾る。日本では節分に目刺しと一緒に置いて、家々の要所に置いて鬼よけのバリアーを廻らす。大葉のものは「ひいらぎもくせい」といって生け垣によく見かけます。

ねずみもち=どこの家にもある庭木の定番、白い花を付け、いささか品格に欠けるが香りは強い。

もくせい科は生活に密着した有用なものが多く・・・・

いぼたのき=この樹の樹皮にカイガラムシ(ねずみもちに良く寄生してるので観察してください)が寄生し「イボタ蝋」というワックスを分泌する。家具のつや出しや、障子や襖の滑りに用います。融点が80℃と高く、木に侵み込まないそうです。今でも東急ハンズなんかで売っています。

しおじ・とねりこ・たも金木犀の枝を折ろうとしてもなかなか折れません。粘りけのある木質なのです。昔は稲を掛ける垂木、棍棒、槍の柄、野球のバット、スキー板に使いました。今でも木製の文箱やペン立て、小引き出しは、ほとんどこれらの材が使われています。

れんぎょう=連翹と書く。早春に黄色の花を付ける。果実は漢方薬の重要薬草で、解熱・解毒・ニキビ取りに使われる。荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は解毒によく使われます。13.10.3 北口のどんぐり舎

センナ

植物図鑑でも見つけられない植物です。

あまりそこら辺には生えていない植物ですが、軟下剤・便秘薬としてよく知られています。

アフリカやエジプトの原産でアレクサンドリア港から輸出されていたので、

英名をAlexandrian sennaと言うそうです。

この「センナ」の葉は。葉の形は豆科そのものですが、

花の形が豆科らしくありません。

13.10.13西荻北5−1

たちばなもどき

花の少ない10月の西荻のそこ、ここで珊瑚のような実をつけています。
枝にトゲがあるので生け垣によくつかわれますが、
春に白い小さなコデマリや桜のような花をつけ、
秋には写真のような実をつけます。
ミカンを小さくしたような実ですが、
花を見れば分かるように、
たちばなもどきはバラ科の植物です。

「たちばな」とは、橘で日本古来のミカンの原種・柑橘類の総称と考えて良いでしょう。
雛人形でも左近の桜・
右近の橘(左近・右近とは、天皇を警護する近衛府=側近の武官)として身近な植物です。
ただし、たちばなはミカン科の植物です。
「もどき」は主に動植物の似ているものや、
まがい物につけます。「がんもどき」は雁の肉に似たという事です。
英名をfire thornでthornはトゲ・イバラという意味です。
13.10.13西荻北5−1

お花屋敷のコスモス

お花屋敷のコスモスが見頃になりました。西荻南2−15です。お花屋敷は「私の好きな処」に既出です。03 10 04

やっと秋らしくなって、金木犀の花が、香りが西荻中を包んでいます。1昨年の撮影は10月3日でした。03 10 04 西荻南1−22 
















洋種山牛蒡(ようしゅやまごぼう)です。

西荻−冬













































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