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7月の西荻の花

雨中のタケニグサ

雑草の王様です。梅雨に負けずに雄々しく育っています。黄色い汁を出すケシ科の植物ですが、チャンパギクという19世紀前半まで続いた、南ベトナムの王国Champa、林邑、占城)の別名がありイメージがふくらみます。夏至(6月21日)も過ぎて6時だというのにこの明るさです。2006年7月5日、18:04:48

擬宝珠(ぎぼうし)(作成中)

野菜の花(作成中)

ジャガイモ

なす科の植物の花はは、花びらは白・黄・紫が多く5裂、雄しべは5本が基本形です。地下茎が肥大した物が「ジャガイモ」で、芽にソラニンという毒があります。
胃薬や目薬に配合される「アトロピン」を含む「はしりどころ」や「朝鮮朝顔」、「ピーマン」「唐辛子」「たばこ」「ホオズキ」等代表的な有用植物です。花では「まつりか」や「ペチュニア」などです。
トマトとは接ぎ木が出来ますので、地上にトマトの実、地下にジャガイモを成らすという事も出来ます。南米アンデス高地から16世紀にスペイン人によってヨーロッパにもたらされ、主に寒冷地のアイルランドなどで栽培されました。日本には17世紀初頭にインドネシアのジャカルタからもたらされたので「じゃがいも」だそうです。
2006年6月14日、13:11:22

南荻窪区民農園

南荻窪に区民農園が出来ました。
野菜の花が今、真っ盛りです。

南荻窪2-20
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グラジオラス

この花もとても蜜が豊富で、しかも香り付きなんですね。小さい頃は下の方に付いているしおれた花を折って良くなめたものです。
現在の英語名はSWORD LILY(剣の百合)です。古英語ではラテン語そのままのGLADIOLUS(グラジオラス)です。
グラジオラスは南アフリカ共和国のケープタウンが原産地です。ポルトガルのバスコ・ダ・ガマ(VASCO DA GAMA)がケープタウンの喜望峰を経由してインド航路を発見したのが1497年ですが、70年後の1567年にはイギリスでこのGLADILUSが使われているそうです。おそらくイギリスでもこの頃から栽培されだしたのでしょう。
ところで、このGLADIOLUSは古代ローマの剣闘士GLADIATORから来ているんですね。ローマのコロセウムなどで、どちらか死ぬまで戦うことを強制された奴隷や捕虜で、スパルタクスの蜂起等を引き起こした人達です。
また慶応義塾のペンの校章も”CALAMUS GLADIO FORTIOR”(剣はペンより強し)というイギリスのリットン卿の格言から採ったものです。
すなわちGLADIOとは「剣=SWORD」の事です。現在の英語名SWORD LILYはラテン語を訳したものなんですね。勿論、全草の形からの連想でSWORDと命名されたのでしょうが、LILYとなったのは球根だからなんでしょうね。実はグラジオラスはアヤメ科で百合科ではないんです。百合科の植物は全て球根ですが、アヤメ科ではほとんどが根茎(例外はグラジオラス、クロッカス、フリージア等)なんで百合科に近い植物と思ったんでしょう。13.7.17西荻南3-16

善福寺・上池  13.7.16 西荻南4-6 13.7.8

やぶみょうが

善福寺上池の藪の中で見つけたんですが(写真左)、西荻の普通の家の玄関脇等(写真右)に結構見掛けます。以前から、変わった不思議なスタイルの植物なので気になっていたんですが、植物検索辞典で名前を知りました。さらに、牧野植物図鑑で調べたら、”照葉樹林の林下に生える”露草科の多年草とありました。
西荻にも縄文時代があって・・・善福寺の周辺から縄文土器が多数発見され、縄文人の集落があったことが確認されています。それらの土器は井草八幡神社の宝物館にあります・・・・シイ、ナラ、クスノキ等の照葉樹林の林間に、我々の祖先、縄文人が白い花をつけ、ひょろひょろと突っ立った「やぶみょうが」を見つけた時の驚き?を何万年も離れた我々が、タイムマシンの助けも借りずして、全く同じ驚きを共有できる訳です。・・・・・何かこの植物のまわりには、縄文人のひそやかな気配さえ感じさせます。
葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり(折口信夫)といった古代人を偲ばせる「かそけさ」や「ぬくもり」を感じさせる不思議な植物です。
13.7.16善福寺上池の北側

ひまわり

遂にヒマワリの到来です。異常気象でしょうか7月早々咲いてしまうとは。向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ 前田夕暮は神奈川県秦野生まれ。この素晴らしい表現力、自然主義の歌人の面目躍如と云ったところです。
カナダのマニトバ州や米国テキサス州が原産地で、それがペルーやメキシコに伝播。コロンブスがヨーロッパに持ち込み中国を経て日本には江戸初期に渡来。漢名向日葵、和名ひまわり、英名SUNFLOWER、仏名TOURNESOL(太陽に向きを変える)独名DIE SONNEBLUME(太陽花)、ラテン語學名HELIANTHUS ANNUUS(太陽花)、新ラテン語FLOS SOLIS(太陽花)。
中南米のインカとはケチュア語で「太陽」の意味。皇帝は太陽の子孫。ひまわりは太陽の花で国花とし、黄金とひまわりを崇拝。
フランス絶対王政最盛期のルイ十四世は「太陽王」と呼ばれ、ベルサイユ宮殿を造営し、ひまわりを紋章とし、その威光は太陽の如くであったという。ちなみに、ひまわりを植えた人なら誰でも知っているでしょうが、根元周辺は養分・水分を全部奪われてしまって、雑草すら生えません。
オランダの後期印象派の画家「ゴッホ」は南仏のアルルで、「炎天下の、この太陽、この光、どう表現すれば良いのか・・・」(1888年8月弟のテオ宛)と云って、この夏に6点のひまわりを描き、極限の太陽エネルギーを画面に噴出させました、勿論、躁状態という事もあったのでしょう。「向日葵がすきで狂ひて死にし画家」という高浜虚子の句が「客観写生」の凄みをもって迫ってきます。
13.7.11南荻窪2-15区民農園

むくげ

道のべの木槿は馬に喰はれけり」有名な芭蕉の俳句です。毎朝人知れず次々と咲いて、夕にしぼむ木槿(むくげ)の「はかなさ」と、もののあわれを実に良く捉えています。
ところが朝鮮では無窮花と呼び、夏から秋にかけて、長期に次から次と「粘り強く」咲く様子が国民性を表すとされ国花ともなっています。何たる感受性の違いなんでしょう。
ちなみに季語は「秋」で西荻では、通常8月から咲き出すようです。
西荻にはアオイ科で似た花が沢山咲きます。植物図鑑で調べてみました
1.芙蓉は低い木で、いちばん見掛けます。
2.ハイビスカスは花が大きく派手な木です。
3.紅葉葵は葉が大きなモミジのようになった草です。
4.立ち葵は花の付いた茎が高く直立する草です。
これではなんの事だか判らないでしょう。8月にはいると咲き出しますので、続々、掲載します。13.7.11南荻窪2-19

のうぜんかずら・のうぜんはれん

のうぜんかずら13.7.8南荻窪2-19 のうぜんはれん13.6.24西荻南2-9

のうぜんかずらは真夏の日照りに立ち向かう派手な花です。漢名は「凌霄花」という難しい漢字で中国原産。「凌」はしのぐ、「霄」はそら・天。つる性で空をよじ登っていくと言う事なのでしょうか。
のうぜんはれんは「金連花」のほうが有名。のうぜんかずらに似た花と言うことで植物学的には全く関係ありません。葉が蓮の花に似ているので「葉蓮・はれん」となったというのが通説です。私は小さいときから、版画を刷るときの「バレン・波連」だと思っていました。また葉を千切ったりすると、とてもいやな臭いのする植物であまり好きになれませんでした。調べてみると英名はNASTURTIUM(ナスターチューム)でNAS(NOSE・鼻)とTURT(TORTURE・拷問)と云うことで、やはり「鼻の拷問」でした。イギリス人のハーブの本を読んでいたら「葉と花は料理に風味豊かな辛みを与える」とあったので、好い加減な事を書くんだとビックリして食べたてみたら、特に臭くなくピリッとした辛みがあってなかなかでした。昔はとても臭かったという記憶があるのに・・・・。13.7.10

あかまんま

小さいとき「おままごと」で、お赤飯の代わりにしました。正式な和名は「犬蓼・いぬたで」別名「あかのまんま」「はなたで」ともいい、路傍で見掛けるのはほとんどこれです、蓼科ですが辛くありません。
辛いのは「・たで」鮎を食べるときの「蓼酢」につかいます。外見は「犬蓼」にそっくりですが、田舎に行かないと見掛けません。
英語名でも犬蓼はKNOTWEED(結び目の草)、蓼はWATER PEPPER(水辺の胡椒)と区別しています。
蓼科は草の形から2つに大別できます。
犬蓼系が蕎麦、藍、水引など。
スガンボ系が大黄、イタドリ。
大黄は重要な生薬で紀元1世紀頃から使用され、後漢末3世紀初に仲景が著した漢方医学の古典「金匱要略」と「傷寒論」にも出てきます。現在でも便秘薬には良く使われています。 13.7.8 西荻南4-12

夾竹桃

紅色や白色が多いが、これは珍しく桃色です。インド原産ですが日本には江戸時代末期に中国経由で渡来。日本の風土に順応したのでしょう、公園・緑地帯・砂防・防音用や排気ガスに強いので、道路際に植えるほどです。原爆のあと最初に咲いた花としても有名。花瓶に挿しておいても必ず根が出てくるほど強い木です。季語は夏で、高浜虚子の「病人に夾竹桃の赤きこと」という、夾竹桃の特性を余すところ無く捉えた、名俳句があります。
漢名「夾竹桃」は葉が狭く竹の葉のようで桃の花に似ているという意味でしょう。
夾竹桃科はアルカロイド類を含有しているため有毒植物が多く毒矢にしたり、強心剤、抗ガン剤などとして用いられます。13.7.4 西荻南1-15


ざくろ

子供の頃、近所の洋館の鉄格子塀の内側に燈黄色のしゃれた花が咲き、その後に結実する、色鮮やかで・美味しそうな果実はあこがれでした。異国の得体の知れない奇妙な形の果実は夢を膨らませてくれました。社会人になって早速、果物やさんで買って食べてみて、またビックリ。こんな種だらけの酸っぱいものを異国の人は古来、何故珍重するんだと。
英語名GRANATEはラテン語がもとで「タネが多い」。英語のGRAIN(穀物・穀粒)、手榴弾(GRENADE)も同類語。やはり異国の人も種が多いと思っていたんですね。ちなみに、スペインのグラナダ(GARANADA)はザクロの木が多いからだそうです。
漢名は「安石榴」安息(石)国から伝わった、幹にこぶ(榴)の多い樹という意味で、「榴」の一字でもザクロだそうです。漢の武帝の頃(紀元前176年頃)、張騫(ちょうけん)が大月氏国(中央アジアの甘粛省にいたイラン系遊牧民の国で安息国の東にあった。今のイラン地方)を訪れたさい持ち込まれたと言われています。安息(アンクシー)は古代パルティア王国に対する古代中国人の呼称。この王朝が始祖ARSAK(アルサク)にちなんで、アルサケス朝(ARSACES)と呼ばれていた事に由来する。
ラテン語学名はPUNICA GARANATUMといいます。PUNICA(フニカ)はフェニキアに住んでいる人達でPOENICUS(ポエニクス)とも云います。ローマ人は彼らをPOENI(ポエニ)と呼んだそうです。元々はギリシャ語ではPHOINIX、すなわちフェニキア人(原義はPHOENIX=フェニックス=エジプト神話の不死鳥)と呼ばれていたそうです。紀元前219年にカルタゴのフェニキア人ハンニバル将軍(HANNIBAL)がローマと熾烈な戦争をしますが、この戦争はポエニ戦争と呼ばれています。ローマ人にとってざくろは「フェニキア人がもたらしたタネの多い果物」だったのです。13.6.26 西荻北2-21

あおぎり13.7.19西荻南2-26 アメリカ芙蓉13.7.19西荻南3-19
胡瓜13.6.24南荻窪2-15 茄子13.6.24南荻窪2-15 トマト13.6.24南荻窪2-15
芙蓉 西荻南4-28 ねぎぼうず13.6.24南荻窪2-15

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