† 想い出 †

青空の中に、どこまでも続く雲がたくさんあった。
変った形の雲、何かの形にも見える雲・・・・
そんな青空の下で、クレイは草の上に寝っ転がっていた。
自分を通り過ぎる風が心地良い。
草や花の匂いにフーレン族特有の鼻をくすぐる。

とくに忙しいわけでもない。
そんなヒマをもてあそぶクレイの所に、純白な羽根を持つ金色の髪の姫はやってきた。
幸せそうな、楽しそうな笑顔と共に。

「ここにいたの?」
優しい声が、自分の上から降ってくる。
寝っ転がっているクレイの顔の上から、エリーナは座らずに彼に話しかけてきた。
彼女の髪の色と、空の色のコントラスト。
クレイは少しその二つの色をただ見ていた。
「ああ。今日はオームの世話も終わったし・・・時間も沢山余ってたんだ。」
クレイは少し笑うと、それにつられてか彼女も少し笑った。
いつもの、幸せな時間。
風が彼と彼女の髪をなびかせた。
一国の王女・・・エリーナを好きになったクレイ。
例え彼女が王女ではなくても、飛翼族じゃなくても。
きっと好きになっていただろうな、とクレイは何度も思った。
しかし、彼女はもう婚約者がいる。
クレイ自身、彼女の幸せ、彼女の国の幸せを考えると自分の思いを伝えてはいけない、と思っている。
そんな事を思いながら、クレイはエリーナの傍にずっといる。
「クレイ、何か考え事でもあるの?」
「ない。」
すぐに答えを出す。
自分の悩みは彼女の事。
エリーナに知られたらこの幼なじみ、という関係が崩れてしまう。
クレイが苦い顔をしているのに、エリーナはニコニコと笑っている。
「クレイがすぐに答えを出すときって、いつもウソをついているのよ。」
傍に居た分、エリーナはクレイを理解しているし、クレイもエリーナを理解している。
相手のささやかな癖も。相手のしたい事も。
「それって、ウナさんの事?」
エリーナ自身、自分の声が少し冷たくなった事がわかった。
彼女にとって、クレイはどんな人よりも身近な存在で。
そんな彼は誰が好きなのか、エリーナにとって気になる事だった。
何時、どんな場所で彼が誰に自分の想いを伝えるのか分からない。
エリーナは強がって、彼に笑ってみせる。
「言いたいことがあったら、すぐに言った方が良いわよ、クレイ。」
自分の隣に座りながらそう言うエリーナをクレイは見る。
そしてエリーナと、視線が交わる。
「言わないままだったら、自分も辛いし、相手に自分の気持ちを知ってもらえないんだから。」
そう、彼女は言った。
綺麗な空の下で。綺麗な草の上で。


妙な耳鳴りがする。空気がなんだか重い。息苦しい。
そんな中でクレイ達は探していた彼女を見つけた。
色んな場所に行って、色んな人に会って。
やっとの思いで彼女を見つけた。
諦めていた時がウソのように感じる。
クレイはとても嬉しかった。

彼女の傍にいって。
彼女に触れる。本当に、あのエリーナだった。
何も恐れなくてもいい。
大切な彼女は、もう目の前にいるのだから。
昔の幸せだった想い出を、何度も思い出さなくでもいい。
昔、自分の想いを伝えられなかった。
今なら、エリーナに伝えられるかもしれない。

これからエリーナの口から出てくる事実を聞くまで。
そしてエリーナの願いを聞くまで。
自分の思いを伝えるまで。

クレイとエリーナは、一時の幸せを感じる。


----------------------------------------------------------------------


クレイ×エリーナ!!!!
ああ、スキさ!この二人!!
悪いか〜〜〜!!!(暴走)
いや、クレイ兄貴×女性なら・・・
だれでもいいかもしれない・・・。
(かも!!だから、そんなに気にしないで・・・ホント。(爆!!!)
まぁ、甘い世界を作ろうと思ったら。
結果を知っている人なら、ツライお話に・・・。
このリクエスト小説は、柊 らみ子さんです!! (*^-^*)

ありがとうございました〜〜〜!!!(作者様より)