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  アオドクロ
「髑髏城の7人」感想 /腐女子の視点に基づく※専門用語・お約束多数含有。分からない人は置き去りです。  
  2004年10月7日、26日日生劇場(共にマチネ)

 日生劇場の1階席は前の人の頭で見づらすぎると思います。トイレも少ないしあんな大劇場なのに。少ない上に誘導が悪い。休憩時間がトイレ待ちで終わるんですよ。
 それはともかく髑髏城です。アカは1回しか見られなかったのですがアオは2回。アカももう1回見たかったんですけど。
 で、アオですが、まず嬉しかったのが久しぶりの村木さん。カナコさんとのツインボーカル生で聞くのは多分初めてなので非常に嬉しかったです。無明と無音は今回もビジュアルがとてもカッコイイ。2度目に見たときは席の関係で、無界にいるときに二人が目配せするのが見られて、おおっ?!て感じでした。細かいー。カナコさんはアカの胡蝶丸もすごく好きでした。ベストアルバム是非出してほしいですね。売れるんだから作ればいいのにね。
 それから、忠馬です。か、可愛い…!かわいすぎるよ大将!むさ苦しい男どもに囲まれたちっこい大将ぶりがまさに金ちゃんです。新体操が可愛い。才蔵との関係もテイスティ(笑)。<だからって才蔵を長戸呼ばわりはしませんよ、可哀相だから(笑) 彼にはこれからも新感線若手主人公格として出てほしいです。
 それと三宅弘樹のカンテツいかす!新感線テイストの外側なんですが(笑)すげえ面白い。タナカ!
 ラサール石井もよかったです。もうちょっと出番があってもよかったのでは。昼が1時半に始まって5時15分とかに終わって、その後夜で多分10時半とかに終わって、どうやって朝5時半からの生放送に出てるんでしょう、恐ろしい人です。
 ウチダさんは<あ、市川くんのことですよ やはり形の人なのだなと思いました。とにかく見た目に美しいです。でもカッコイイ分どっか軽い。古田のような禍々しさ、毒々しさはないんです。
 天魔王は非常に若い感じで、よりナルシストっぽい。しかもまだ挫折を知らないナルシストみたいな危うさがあってそれはそれで可哀相感があったりしていいかと。最初の方の捨之介の、時代劇や歌舞伎の世話物に出てくるなよなよした2枚目みたいな、変な2枚目のトーンも面白かったです。お地蔵さんも。あと、なんか、蘭兵衛と再会するときに後ろで手鏡見ながらせっせと身だしなみを整えてたのが、あれはどういう…(笑)
 ラストの「柄じゃねぇや」が、2回目のときはすごく7年前の古田に似せてたんだけど、1回目のときは変えてました。ここはやっぱ2回目の方がよかったかな。
 鈴木杏ちゃんは、今まで見た狭霧の中で最も、女の子としてのリアリティがあったと思います。でもそれは、新感線の芝居の中で必要なのかっていうとそれはまた別の話で、土台が少年マンガの新感線にあってはリアルな女性の感情などは元々描かれていないわけで、でも、今の現役高校生である杏ちゃんは女の子の気持ちは無視してよい世界があるなどとは露程も思ったことはないでしょうし、しかもお芝居も上手いから当然ちゃんとしてしまうわけで、結果ちょっと浮いてたとこもあったかなと思います。
 でも、自分が石心斎(字が違う?)だと名乗るとこでは一瞬グッと天才らしく見えてゾクッとしたし、歌声が非常に萌えで(笑)メインの曲などはつい何度も聞いてしまうほどです。顔がヨゴヨゴだったのもいいなあ、忠馬よりでかかったけど。
 曲は、今回なんだかいつもより難しいような…<CDと一緒に歌えないらしいです… 聖子さんと杏ちゃんのメインの曲、例によって問答無用の盛り上がりっぷりでいいんですけど、詞が物語の内容や進行と合致してないのは萎えだと思います。そうかといってじゃあ天魔王の自己紹介の歌の詞が「許しはせぬ」でいいのかっていうと、もうそれは慣れたから(笑)。

 そんで粟根さんですが、まずはなんと言っても陣内孝則ですが似てないよ!(笑)2回も言ってましたけど。誰か似てるって言ったのか?それはともかく(ともかくなのかよ)、裏切りの役は三五の方が合ってたと思いました。まあ、人柄がアレだとかいうこともありますが(笑)、河野さんには裏切り者でもナルシストでも変態でもなんか許せてしまう可愛さがあると思うんです。三五可愛かったしね。。
 粟根さんはもう、そういうキャラじゃないのでしょう。なんだか貫禄あったし。あの、7年前の蘭兵衛をそのまま7年洗わなかったみたいなビジュアルといい、今ひとつキャラがわからなかったと思います。
 しかしまあ本人楽しそうだったからいいかーってことで、ほんとに楽しそうですよねぇああいう役やってると。他の公演では見たけど、新感線の舞台でああいう粟根さんを生で見たのが初めてだったので、ああ楽しそうだなーはじけとるなーって、しみじみと、なんかいっそ和みましたね私ゃ。
 2度目のときはこっちも余裕があったので、いろいろな小芝居も拝見できてニマニマでした。顔の見えない天魔王の手下の中に入ってるのを、目を皿のようにして探したりしましたが1幕1景以外はわからず。今回着物の下は黒いショートスパッツで(こういうとこのチェックは欠かしません。視力が通常の1.3倍になります)。忠馬に馬乗りになられて殴られてるときにガバッとご披露になってるのですが、あそこはムッチャ萌えですな。それと荒武者隊の歌でマイク持って「一課の伊丹」こと川原和久さんと顔くっつけて歌ってるとこが、個人的には萌えポでした。
 衣装は新感線お馴染みの着物にスニーカーの組み合わせで、あれは可愛くて好き。着物の柄はやっぱりゴンタくんなのか?<色を塗ってみたらもうそうとしか思えない… 「でっきっるっかっな?」だけで?ええー?コロスケくんの立ち回りは、1度目の時は前の蘭兵衛を意識した、というかほぼ同じみたいな動きがあって「これはサービス?」と思ったんですが、2度目の時は違ったような…。
 そういえばあの髪、1度目見たときはかなりペタっとしてたのに2度目のときはなぜかパサパサになってたんですが…、油分が衣装を汚すからとかでナシになったんでしょうか。オタクの記号的表現…?

 まあ、でもですね、DVDに入ってた14年前の映像の鳳さんと、アカドクロと今回と見てですね、やはり粟根蘭兵衛だけ異質だと思うんですよ!(笑)
 だから、なんで「ちょっと粟根でやってみよう」と思ったのか、その「ちょっと」の理由を教えてほしいんです中島先輩!!
 7年前版は今見るとかなりおもしろ寄りだから、おもしろさ重視でキャステイングしたらたまたま奇跡のようなことが起きてしまったとか、そんな感じだったのかな…。

 と、今回見るまで実はうっすら考えてました。でもそうではなく、多分粟根さん自身がああしちゃったんだろうと池内蘭を見て思いました。粟根さんが放出した受けオーラが!(大暴走)
 だって池内くん受けに見えないんですよ。池内博之は、第一声がすごく粟根さんに似てて一瞬ドキっとします。スタイルもよくてすごくきれいです。でも、受けに見えない!ダメじゃん蘭丸が受けに見えなきゃ!だって本当に史実にのっとって受けなんだし。いや、殿が受けだった可能性もあるが、つーかウチダさんの天魔王受けっぽかったですが、いやだって本当にあれじゃ、蘭×殿みたいだったですよ!
 なんかこうね、かつて殿のお稚児さんだったってことをみんなが知ってる中で、でも今は8年も男絶って(いや絶ったかどうか知らないが)旦那としていっぱしの商売してる男として立ってなきゃならない居たたまれなさみたいなものが、全然無い。蘭兵衛が女の場合その点は自然にクリアできてしまうわけで、男が蘭兵衛やるときはここは肝だと思うんです。
 池内氏に関しては顔だけは知っててきれいな人だと思ってたんですが、やっぱりあまり顔の小さい人は舞台には向かないのかも。沢口靖子のときも思ったけど、席が遠いと顔見えないですよね。演技もね、あともうちょっとなんかがズレたら笑ってしまうというようなギリギリのところで持ちこたえている感じで、見ててすごくハラハラするんですよ。この緊張感は某Kくんの舞台を見たときにも通じるような…(笑)君この状況ちゃんと分かってるか!?みたいな。
 ドラマでホモに好かれる役をやってたということは知ってたのですが、自分がホモの気持ちは分からんかったか…。でもそういうのは演出が説明しなきゃアカンやないですか!?でもいのうえさん、そういう説明しなさそう…。そう考えると、7年前の蘭兵衛がああでああであんなことになっていたのは、あれは粟根さんの演技力のなしたことだったんですね?!粟根さんはきっと信長と蘭丸のことも知ってたでしょうし知らなきゃ調べるでしょうし。
 ああそうか、そりゃしょうがないですよね粟根っち大ブレイクしちゃっても。やおい系の人の魂に火だってつけますよ(笑) そんで粟根さん的には、ちゃんと芝居して、墓穴掘ったんですね…。
 だからって、今回も粟根さんが蘭兵衛やったらよかったとは思いませんけど、最初蘭兵衛のキャスト発表されなかったし、なかなか決まらなかったのかなと思います。もうちょっとなんとか以下略。

 それから今回コソリとお気に入りだったのが川原正嗣さんの非道丸でした。十六夜無明之助系列のキャラで、いのうえさん本当に気に入ったネタは何度でも使うよね!なのですが、あまり新感線にはいなかったタイプの、ものすごく私のツボにはまるキャラで(頭はともかく)、幕開けにいきなり川原さんの美声が背後から聞こえるというあざとい演出もさることながら、あの、先走りを無音に諫められたときの「…ハイハイ」って去るところの軽さが、あの「ハイハイ」がもう何度でも聞きたい!ハァハァ…
 ここ、もし蘭兵衛が粟根さんだったら私大変なことになっていたと思いますよ。川原さん、攻めキャラとして頼りになる数少ない人です(笑)。

 最後の、例の天魔王の首問題のところは、アカもアオも別にやらなくてもよかったんじゃないかなあと、自分でつっこんどいてなんですが、思います。だってどうしてあえて家康の目の前で、天魔王の首を切らなきゃいけなかったのか相変わらず分からないし。切れてる首を持っていったんじゃなぜいけなかったのかな。どうせ無理があるんだからすっきり終わった方が。2枚刃仕込み剣は、前の形の方がかっこよかったと思います。
 2回目に見たときあのシーン、カンテツが出てきてからの間がものすごく長かったんですけど、あれはカンテツが出るのが早すぎたのか、カワハラ天魔王が「なぜだ?」を忘れたのかどっちなの?<後者かな…(笑)
 カワハラ天魔王といえば今回、非道丸と天魔王と捨之介が一緒に出てるシーンがあるんですよね。あのときの天魔王に誰が入ってたのか気になってるんですが…。あのシーン、名前のある髑髏党員全員出てると思うので、じゃあ無界側?あの天魔王ちょっと小さいんですよね。立ち回りはないけど台詞はある…。タイミング的に粟根さんは無理だと思うんだけど、じゃあ誰やろ?クイズ?これもしかしていのうえさんからの挑戦ですか!? 気になる。DVDとかで教えてくれるかしら…。
 
 んーと、そんなところでしょうか。髑髏城はビデオとDVDで死ぬほど見たし、話知ってるし蘭兵衛はんも粟根さんじゃないので(笑)、そんなに何度も見なくていいかなと思ってたんですが、見てみるとやはり2回ぐらいは見たかった、見るべきと思いましたアカもアオも。1回目のときものすごく音響が悪くて、台詞が聞き取りづらく歌詞は全然聴き取れずしかも染がカミカミで(笑)、初めて見た人は絶対話分からないと思ったし、2回目のときも喫煙所で「ストーリー追えてないのー」と言ってるお客さんがいましたが、舞台ってお話見に行くもんじゃないねんな、と思いました。特に新感線は。まあ、お話も分かるに越したことはないですけどね。
 それと、舞台上をのたうち転げ回る人は、それが誰であろうとやっぱ男の方がいいなと思いました(笑)。
 これからもがんばって劇場に足を運ぼうと思います。チケット高いけど。新感線はその分必ず楽しませてくれるから。
 てなことで、久しぶりの長文感想でした。
 7時間かかってます。