身も心も 第1章「流れ姉妹」〜たつことかつこ〜
青山円形劇場2005年5月20日初日
私以前にも書いたように思いますが、女の人の書いた小説や脚本って解りすぎることがあっ
て、そこがなんか不満だったりするんですな、ホントに「なんか」という程度なんだけど。それ
は多分「少女漫画」を読んだような気分になってしまうからだと思う。少女漫画は女子向け
オーダーで作られてますから解るのが当たり前で、もともと少女漫画で育ってますから少女
漫画以外の物には違うコトを求めるんですね、多分。男性作家が書いたものだとマンガだろ
うが小説だろうが必ずや全く理解できない部分があって、そこが新鮮だったり面白味だった
りあるいは「馬っ鹿じゃねぇの」だったり「ハァ?」だったり「ケッ」だったりするのですけど。
んで、これもいつも思うのだけど、男性キャラが洩れなく格好良いですな。<これも「少女漫
画」な気分にさせる一因。基本ダメなヤツばかりなのに、最後はちゃんと救いますな。これが、
例えばいつも血みどろの某氏脚本だったら最後みんな死んでますなきっと<沖縄のあの子
と獣医とウタガワは確実に死んでると思う(笑)。でも、女性作家は救う。回復に向かう。そもそ
もなんでそんなにダメを突き詰めねばならないのか解らないし。つーか、自慢か?ダメが。転落
願望か?アホめ。
話がそれましたがそんなわけで、ウタガワ君などもとてもカッコイイ。というか、まぁ正直萌え
なんですけど、ウタガワ君の部分だけ取り出して見たら本当に解りやすい、ちょっといい話なラ
ブストーリーだし(しかもアンハッピーエンドで私好み(笑)、全体にもこれといって複雑なところ
のない話だったはずなのに、妙に混乱しとったのは、河原氏のオトコフェロモン溢れる演出
のせいだったのではないかと。思う私。それはそれで面白かったんですけどね。でもちょっと、
比重が、もうちょっとどっちかに寄せて統一した方が…でも、まとめなくてもいいのかな。演劇
としてはそれでいいのか、そのヘン畑違いなのでまだ解りませんが、でも、見たの初日だった
から、何かうまくいってなかったり固かったりしたとこがあったのかもしれない。もう1回見に行
くんで、その時にどうなってるか楽しみにしてみます。
ここまでは脚本と演出の話。
役者さんは、知ってる人も知らない人もみんな面白かった。やっぱり女優さんが面白いのはい
いなあ。脚本の千葉雅子さんも、村岡希美さんもとても面白かったです。私の好きな伊達暁さ
んも(笑 劇中で「セクシーな顔」とか言われてたのは脚本にあるのかアドリブなのか<言ってる
のも千葉さんですけども。でも、演出で「アドリブでほめろ」と言われてるんだったら可笑しいな(笑。
微妙な沖縄弁も可愛かったし。この方の出演作はまた見たいと思っています。できれば血みどろ
でないヤツを(笑。※余談ですがR某さんは中山佑一郎さんが好きらしいです。「中山さんが出て
て、怖くないヤツが見たい」と言ってます。それは無理なのでは?
松重さん(チラシ無くしてしまったので役者さんの名前間違ってたらすいません;)のカラダの大き
さは卑怯だと思うくらいでした。あんなに大きかったらいろんなことが表現できてしまいますよ、
と、私役者でもないのに思いました。なんか羨ましかったー。目が笑ってないのもよかった。
そんで粟根さんですけども<ええ、相変わらず別枠で書きますよ、ウタガワ君って実いうと私の
思っている粟根さんのイメージそのものなんですわ(えー!)
「おまえたちは愚者だ」とか「この世から消えればいい」とか言いながらホントは怖くてさわれない
んだぜーみたいな。きっと千葉さんにもそう見えていたに違いない(笑)。きっとそんな粟根さんが
とっても好きなんだと思う(勝手に)。そんなウタガワ君が後にそば屋になってるあたりがまた、阪
大中退で新感線の役者になってる粟根さんを思わせるのです<そば屋!?
全部の物語を知ってから思い返すと、最初の「今ではこんなこともできるようになりました」のシー
ンがとてつもなくいい。ていうか萌え。萌えすぎる!かつこさんの「そんな人だから好きになったの」
というところもいいし、そこから繋がるメモも粟根さんキャラとは思えない粋さ(笑)。全体的にウタガ
ワ君もの凄く私のツボにはまるキャラで、粟根さん本人とイメージが重なってる(あくまでも主観で)
こともあり、とっても好きなのです。萌えー。
御本人も相変わらずいろいろやってはりました(笑)。ゲタはきちんとそろえるし、池に飛び込むとき
はちゃんと耳抜きだし、団扇で決めポーズだし。個人的には「お兄さんからおじさんに呼び方を変
えたワケを説明してもらおうか」が一番気にいってます。
あの、そば屋とか、『パラレリ』の2番目の鴨苗君みたいな軽薄なトーンの芝居って新感線では粟
根さんやらないじゃないですか。私はあれがとても好きなのでもっとやってほしいと思う。レイプシー
ンみたいなのも絶対新感線では無いし、もっとよその舞台にも出てほしいと思います。
全体に衣装もよかったです(浴衣も含めて!)。パーマ頭は気に入ってはるんでしょうか?ていうか、
暮れのパーマがまだ取れてない…?でも、なんかあれも似合ってるような気がしてきました。<慣れ
た?
そしてまぁ、なんと言っても近いです青山円形劇場!大好きだ!いつもはおしりが痛いけど今回は
座布団があったので大丈夫!<うう、ありがたい…。粟根っちが目の前で着替えてはりますよ!?
私は初めて劇場にカメラを持ち込む人の気持ちが切実にわかりましたよ!?いいですね
舞台が近いって!<そういう意味でなくても!
一緒に行ったR某さんは「笑っていいのかどうか分からない」と言ってましたが、私は普通に笑いま
した。ほとんどが笑っていいところだったと思うよ。キル・ビルみたいなもんで(意識して作ったと思い
ますが)昔の日本映画のパロディなんですよね。作った当時はまじめに作った物だけど今見ると笑
えるという、それをわざとやってるわけでしょう……は!?もしかして元をの時代を知ってるかど
うかの違い!?そういえば、開演前のナツメロを全部歌えると言ったらR某は驚いておった…。あ
んたそんな年違わないじゃんか〜;; パロディは難しい部分もありますね…。
お話は全部語られていないし、タイトルも「第1章」だから続きがあるように見えますが、ホントか
な〜。無いような気もしますが、もしあったら粟根さんが出なくてもまた見に行きたいと思います。
ああ!そういえば牛が!あの牛は良かったわ〜、ホンモノみたいだった…(^^)。