●「天保12年のシェイクスピア」感想2002.3.5 ※ネタばれ有り。これから見る方はご注意ください。
最近ファンになったばかりで過去の舞台をビデオでしか見たことのない私にとって、待望の2度目の新感線観劇です。でも正確にはこれは劇団☆新感線公演ではないのですね。だもんで新感線出演者が少ないです。ちょっとちぇって感じ。
席がスピーカーに近かったため、音量にダメージ食いました。大きい音苦手なんですよ(←新感線向きじゃない…)。今度からスピーカーとの位置関係には気をつけようと決意。音も割れてて聞きづらかったです。特に1幕2幕とも幕の始めの方。しかし後半になるとわりとちゃんと聞こえたような。音響の調整とか、ちょっとづつ直してるんでしょうか。それともこっちが慣れたから?
全体に、舞台も客席も固いという印象。初日のせいでしょうか。いつもと違う感じのお芝居で違う客層だからでしょうか。見ていてここは笑うところなのか迷ったりしました。戸惑うというか、ね。
戸惑うといえば、今回衣装とメイクがフツウです(^^一部除)。私は橋本じゅんさんを轟天と西遊記の金閣銀閣でしか見たことがないので普通の顔で出てこられるとわかりません(失礼な)(※間違いでした。橋本じゅんさんは「髑髏城」でも「スサノウ」でも「阿修羅城」でも「ロストセブン」でも見ているのです。よほど轟天と金閣銀閣の印象が強いらしいです)しゃべってるのをしばらく聞いてやっと気づいたぐらい。と思っていたら紋太役もそうだったのか!パンフ読むまで気づきませんでした;(ちー先生は両方気づかなかったそうです…)でも池田成志は判った(笑)素顔でもインチキくさい顔ですか(さらに失礼な)。新感線の人たちがフツウのメイクで出てくるとなぜか恥ずかしいです;なぜだ;;池田さんいつもより線が細くていい男に見えました。銀縁眼鏡でインテリやくざっぽい利根の河岸安とか。池田さんはこういう役も見てみたいなあ。古田新太は、あくの無い役をやってるとキショクわるごほごほ、ずいぶんと痩せてたように見えましたがやっぱり労咳で寝てる役だから?見せ場も少なく寂しい感じでしたが、忠治役でイッパイ笑いをとっていたのがさすがです。村木よしこさんはこういう芝居の方がいい役があるのではと思っちゃいました。上手でしたよ。右近さんは出番も少なくて寂しかったなあ…。
沢口靖子は舞台で見るには顔が小さすぎるような気が。阿部サダヲと並んでもまだ小さいです。その阿部サダヲは可愛かったです。実はこの人が阿部サダヲだと意識して見たのは初めてなんですが、かわいかったな〜。ハムレットってショタキャラかも(もしくは馬鹿好きキャラ。単純馬鹿でツッパリで考えるの向いてなくて可哀相なとことか)などと新たな発見も。
いつもはHなシーンもハレンチ学園の域を出ないのが新感線ですが、今回古田さんの濡れ場はエロかったですよ。少年漫画が急に大人向け劇画になった感じ。
全体としてはなんとなく散漫な印象の話。いろんなものが詰め込まれてる分印象が薄くなったというか。どのキャラも出てきてはすぐに死んじゃうので、どうも薄い感じです。主役の上川隆也も後半までずっと狂言回し的な役割だし。本当は四時間以上ある戯曲だそうですから、仕方ないのかもしれません。お光とお幸をなんとかしたらポイントになったんじゃないかと思うんだが…。そしてやはり今の時代には古くさい話という気がします。70年代な感じだよ…。セリフはさすがに面白かったです。歌詞になってる部分も楽しい。でもきっとみむちゃんには(<最近の身内基準。今の若者にわかるかどうかを計る物差しがみむちゃんです)90パーセントわからないと思う…。
※前日の毎日新聞が劇評で「若者に大人気の劇団☆新感線」と紹介してましたが、30代を若者とは言いません。適当なこと書くな>毎日。
とはいえ。私は今回粟根さんを見にいったのです。粟根さん良ければ全て良し!<いいんだよ!だって個人の感想なんだもの!きい!
出番は少ないものの(でも3役。賭場にもいます)見所は多彩。私的ポイントは濡れ場があったということ!シルエットとはいえドキドキしたよ〜(^^)。旦那(粟根さん)の方が下から縋る感じなのがいいです。そしてその前にちゃんと眼鏡をはずすシルエットがわかりやすく映ってたのが激萌え!それから、障子からずーっと出ていた腕です。いつまで出てるかずーっと見ちゃいましたが、セット転換のときまで出てました。きっと撤収されるセットの向こうで、腕突っ込んだまま一緒にずりずり撤収されたに違いない…(もしくは粟根さんがあのまま運んだのかも)。やくざの親分もいいよ、似合ってなくて(笑)。きっとあの組にはドラゴンロックやブラックマムシ団みたいな、へッポコな手下ばかりいるに違いないです。粟根さん、親分のときには濃い色のドーランを塗っていたようです。そしてドレッドヘアーにレイバンタイプのサングラス。どういうコンセプトなのか今一つ不明。まあ、一緒に出ていた古田新太はさらに不明だったからいいんです。歌も歌ってます。ケンケン将軍も歌ってたけどソロの部分がずっと多い!幕間にCD買っといてよかったです。
だいたいこんな感じ。結構楽しんでますね私。よしよし。
ラストはカッコ良かったです。絵的にもセリフも好みだ。スパっと終わるのも好きなタイプなんですが(今考えたらあのわずかの間に上川隆也がいなくなってるのは結構凄いのでは…)、カーテンコールもなくあっさり終わってしまってちょっと寂しいなと思いつつ、時計を見たら10時半です。確かにのんびりカーテンコールしてる時間じゃありません。帰れなくなる人が出そうだったので、お友達とおしゃべりもせずご飯も食べずに即座に撤収。お腹空きました…。かなり短くしたとはいえ休憩入れて4時間は長いですよ。ロッカーのとこで知らない女の子達が「女郎の歌はあんなにいらないよね」と言ってましたが私もそう思った。大体客席見ても女性客がほとんどなんだし、あーゆー部分はそんなにあってもしょうがないんじゃないかという気がします。いのうえさんがやりたいんならしかたありませんが。
次は8月の新感線公演を見に行きたいと思っております。やっぱり新感線の人がいっぱい出る方が嬉しいですよ。でもなんか今芝居見たい気分にむくむくとなっているので、全然別の劇団なども見てみたいにゃぁという感じです。いじょ。(長いよ!)
※文中いつものいつもの連発してますが、ファン歴長い友達から情報だけは色々仕入れているので、ついそんな気持ちになってしまうのです。勘弁したってください。
※閉幕直後、目の前をいのうえひでのりさんが通って、いち早く横手の出口から出ていきました。客席から見ていたのでしょうか。初日の客席の反応をどう思われたか気になるところです。