動力機械的燃焼工学

空燃比とは?

結論を先に言うと

⇒空燃比とは燃料と空気の重量比のことで,その最も理想的な重量比のことを理論空燃比といいガソリンエンジンの場合,その値は14.7である!(ディーゼルでは14.9)

 

どういうことかというと・・・

日本で売られているガソリンの化学式はCH1.9と書くことができます.
ガソリンエンジンの中で起こっている爆発(燃焼)を反応式で書いてみると次のようになります.

CH1.91.475O2=CO20.95H2O+熱

この式の意味は,燃料であるガソリン(CH1.9)と酸素(O2)が反応して,熱エネルギとともに二酸化炭素(CO2)と水(H2O)が出るということを示しています.また,中学校か高校で分子量を習ったと思いますが,気体の標準状態(1気圧,0)では,1モルは(6.07×1023個の気体分子,体積が22.4g)質量は分子量g(グラム)であるということをまず思い出します.炭素(C)の分子量は12,水素(H)1,酸素(O2)32なので,先ほどの化学式で出てきたCH1.91モル質量を考えると

12g+1.9g=13.9g

同様に13.9gのガソリンを燃やすのに必要な酸素(O2)1モルの質量を考えると,

1.475g×32g=47.2g

となります.

したがって,13.9gのガソリンを燃やすには酸素が47.2g必要だといえます.

次に空気中に酸素(O2)21%含まれます.空気の分子量は29gなので,

47.2gの酸素を含有する空気の量は204gとなります.

つまり,13.9gのガソリンを燃やすのに空気は204g必要ということになります.これを比率で表すと,

この14.7という数字がガソリンエンジンの理論空燃比(Stoichionetric Air Fuel Ratio)です.

この数値よりも大きい,つまり,空気を過剰にした場合の空燃比をリーン(Lean)といいます.リーンバンエンジンというのは,このような空気を多めにして燃費を良くするというようなことをしています.逆に,燃料を多くする状態をリッチ(Rich)といいます.

おわり

 

2003年12月01日更新