お話のネタになるかもしれないメモ書きの群れです。
順番もジャンルもめちゃくちゃですがどうぞ。
なお、以下に書かれている事はすべてフィクションです。

Neu 断片39
断片38
断片37
断片36
断片35
断片34
断片33
断片32
断片31
断片30
断片29
断片28
断片27
断片26
断片25
断片24
断片23
断片22
断片21
断片20
断片19
断片18
断片17
断片16
断片15
断片14
断片13
断片12
断片11
断片10
断片9
断片8
断片7
断片6
断片5
断片4
断片3
断片2
断片1
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     


断片39



それは絶望の淵に浮き沈みする葦
天を仰げど空は見えず
地を這えど道は見つからじ
我幾億の屍の荒野に立てり
彼らの死は必然
ならば我が死もまた必然
よらば大樹と人の言う
鶏口牛後と人の言う
真に苛烈なるは
何れの屍になることか






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断片38



山野深くに穿たれし
諸仏諸神の無数の型は
諸行無常の理に
従い削れ霞めども
人がこの地に残せし業は
未だ朽ちることは無し
衆生の祈りと求道の標(しるべ)
因あり縁あり果ありて
一打ち一打ち鑿(のみ)の音
高く天地に谺(こだま)せり
幾年干支(しかん)廻りしか
地に現れし巧の行
山野深くに穿たれし
仏は笑みて唯座せり



              アジャンタ第二十六窟前にて





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断片37



清河緑水とうとうと山の端に消ゆ
天蓋悠然たる雲幕を従え唯蒼く
岩肌さらす山々薄霞を纏いて遠く続く
天地の間に人が築きし祈りの塔は
複雑に構築された仏と神々の理論をもって
人と空との境を取り払わんとそびえ立つ



              ラダックの川辺にて





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断片36



彼方 物語の来たる場所
白雲海の光の中 空の青との境界線の
複雑に重なり合う 世界の果て
其は唯去来し 心に留まりて
薄く広がれども 消えることなし

彼方物語の来る場所
世界はたゆとう雲の如し



              インドに向かう機中にて





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断片35



夜中にコンビニの袋を下げて、一人暮らしのアパートに帰り着くと
机の上で小人が組体操をしていた。
小人と言ってもただ小さいだけで普通の人間の形をしている。
なかなか憂鬱な光景だ。彼らは俺の視線など意にも介さず、
声も立てずに淡々と演目をこなしていく。
倒立、扇、つり橋、2人タワー、3人タワー・・・・・
幻覚だ。明らかに幻覚だが、冷静に自分にそう言い聞かせてみても
彼らは消える気配が無い。
冷静?
冷静とはどんな精神状態のことだった?
俺は今、冷静なのか?
それとも錯乱しているのか?
「錯乱」とはいったい何に付けられた名前だった?
そうだ、俺は今狂っていて、ではこの小人は現実なのだ。
演目は淡々と進む。
今ちょうど5段ピラミッドが完成したところだ。
最上段に一人(無表情で四つんばいになっている)、
次が二人、次が三人、次が四人、次が六人、次が九人、次が十三人・・・・・
ピラミッドは何段だった?
ピラミッド?
目の前のこれはピラミッドではない。
小人たちはもはや人間の形をしておらず、一人一人の境界もあいまいだ。
肉は融合し、ひとかたまりになって、しかし部分部分は人間のパーツを残している。
目、口、毛、手、足、腹、尻などが大きさを変えつつ、どろどろと蠢いて
だんだんと大きくなっていく。広がっていく。
もはや見渡す限り、薄桃色の肉肉肉だ。
数え切れない虚ろな目が俺を見ているようで見ていない。
数え切れない空をつかむ手が俺を招いているようで招いていない。
そうだ、俺もあれの一部になるのだ。
俺はそのために生まれ、今まで生きてきたのだ。
あのなかはとても柔らかくて暖かいだろう。
ああ、目たちがやっと俺を見てくれた。
無数の視線が俺を生暖かく見つめてくれる。
手たちが俺を捕まえる。
もうおれはかれらのいちぶだ。
おれかつかれら……われわれ
もう、憂鬱ではない。





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断片34



雲海にたたずむ少女のかたわらで子犬の骨が言う
なあ、ここは天国なのか地獄なのか
少女は答えない
ただ、天はどこまでも青く
雲はどこまでも白い
不意に強い風が吹く
少女は長い髪を押さえる
子犬の骨が何か言いながら飛ばされていく
土のないあの町で死んだ俺はどこへ行くんだ
どこに帰ればいい
なあ、教えてくれよ
あんた、知ってるんだろう―――――
声は聞こえなくなった

少女は雲海にひとりたたずむ
天はどこまでも青く
雲はどこまでも白い





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断片33



言葉は人間を表せない
言葉を基礎とする西洋論理科学では
「人間」という疑問を解くことはできない。
新たな「世界視」が必要なのだ。
宗教が担ってきた真理的、超越的世界観を
信仰以外の手法でみる視点が――


       『ある夢想家もしくは哲学者の謹言集』より





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断片32



落日の残照、雲に錦を引きて山の端に消ゆ
五色に染まりし空、刻々とその彩りを変え
彩雲、高空の風に乗りて刻々とその形を変える
昼の名残と夕の名残、あい混ざりて
空気をすみれ色に沈めれば
地平の向こうの夕日を浴びて、
色をなくしかけた雲は再び緋に染まり
風景は美しい紺を経て、
やがて、ようようと闇にとけゆく





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断片31



集合無意識の中心に坐す、全てを知るものよ。
私は知りたい。世界がかくも光を失ってしまったその理由を。


ならば問を発するがいい
我は全てに答えようぞ


システムによる精神世界の植民地化はなぜ起こったのだ。


ヒトが望みし故に
ヒトは支配を望んでいる
支配階層が経済目的合理システムでさらに富むことを望み
被支配階層がシステムの目的を自己の目的として従い、自らものを考えることを拒否したのだ


どうすればヒトはシステムの呪縛から解放される。


それは不可能
ヒトが二人以上在れば社会が生じる
その社会こそヒトを縛るシステム
ヒトは独りでは生きていけぬという
なればヒトは永久にシステムの虜
否、解放される方法はある
仏陀の道をたどり悟りを開くのだ
至極少数の人間以外には無理であろうがな


では、どうすればヒトを不幸にしないシステムが作れる。


力を求めよ
対話を求めよ
世界を見渡せ
ヒトの不幸はすべからく世界を誤認することにより生じる

世界の在りように一打ちを加えられるような強き力を求めよ
他者の望みと自己の望みが何処に在るのかを知り、その望みが何故に生じたかを対話より知れ
ヒトの身で、ヒトの世界がどれほどの広さと狭さをもっているかを見渡すのだ

さすればシステムは変わる
いかなる方向にシステムを向かわせるかはそなたらが決めることだ





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断片30



彼の言葉を記しておこう。いつか何かの役に立つかもしれない。


「時よ留まれ。お前はいかにも美しい。」
ゲーテはファウストにそう言わせた。
其れを過去に求むるも未来に求むるも愚者の行いである。
エピメテウスがパンドラの開いた壺の前で呆然と立ち尽くす。
ヒトの生は取り返しのつかぬ事の繰り返しなのだ。
あのときの気分は、たとえ再び同じ場に立ったとしても
もう味わうことはできぬのだ。
されば、今この時のなんとも得難く、貴重であることか
「生きるためにやらねばならぬこと」とは
なんと愚かしい言葉であるか。
それをやることそのものが生きることだというに。
勉学のための勉学、労働のための労働、人生のための人生、ただ空虚なり。
ヒトは「いま・ここ」にいる。世界はそのヒトが「いま・ここ」で見ているもの。
情報通信の発展などというが、あれは既に他者の意図の介在した他者による虚構。
世界は所詮言葉によって造られた虚構であるにしても
その虚構は自身で創り定めたもでなければ「いま・ここ」の世界にはなり得ない。
ヒトよ創世せよ。
話せ。書け。描け。歌え。動け。世界を創れ。
他者の意識の中に自らの望ましい姿を増大させることこそ、
ジーンとミームの太古よりの望み。
神を語るすべての人間に解放を。
金を語るすべての人間に智性を。
支配を欲するすべての人間に世界の虚ろさを。
破壊しか知らぬすべての人間に
瓦礫の前に裸足で立つ少女の怒りと悲しみとかつての笑顔を。





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断片29



 初め、そこはただ青く、しだいに黒となり、やがて視覚は意味を失する。
感じるのは、全身を押しつぶそうとする水圧と、かすかに広がる海のどよめきだけ。
されどここは同胞(はらから)の還りし青き楽園、生命の来し方、
事象の転輪の在るを知る、世界そのもの。
そうだ、光とどかぬ海中で我らが感得したものは
原初からある世界の鳴動、世界を”見る”能力のある生物すべての精神の深く深くで
繋がっている、あの懐かしい深淵だったのだ。
 地に棲む人たちよ、あなた方は何故浅薄な言葉で事象をくくり、
それで済ませて平気でいられるのだ?
世界はかくも深く青く広がっているのに、何故もっと世界と繋がらなくて平気なのだ?





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断片28



夜天に白いコートを羽根のようにたなびかせ少女は歌う
頭上と眼下の星空に向けて
その様子は汎銀河ネットワークに中継され
10の銀河、10億の星系、10垓の知性体が
そのメッセージを受け取った
そして、確かにその時
闘争の絶えることのなかった汎銀河の全域が一つになった
それはそういうメッセージだった





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断片27



日のもとの国3


 この国で芸術や学問が特殊な人種の領域か、好事家の手なぐさみとしか
見なされないのは、学校が企業労働のシミュレータとしてしか組織されて
いないからだ。誰がそうしだしたのか知らないが、この国は戦争に負けて
以来、芸術、学問、伝統などの価値を下げ、資本主義経済が唯一価値のあ
るものだという悪意すら感じる洗脳政策を布いてきた。GHQの政策実験
だという話すらある。だとすれば、この国は未だ「戦後」なのだ。
 学校が資本主義偏重の端末組織であるから景気が悪くなると権力が弱ま
り、教育システムが成り立たなくなる。これが学級崩壊だ。この国は国民
の精神的充足を資本主義経済に依存しきっているのだ。金こそ正義、金こ
そ力、金がすべて、金のために働け働け働け。システムの上位に属する者
はその上前をはねて更なる金を得る。子供はすべて組織労働者となるべく
教育せよ。そういう循環システムをいつだか誰かがつくり、始動させ、今
はシステムそのものがシステムを再生産させているのだ。
 この国が自分で考える頭と自分で歩く足を持った人々によって、価値の
多様化を認められ、人間が「活きる」ことに最上級の価値が置かれる「人
の国」となれる日は、果たして来るのだろうか。





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断片26



君は望んでもいないのに
世界に放り出され、独り
世界は君のささやかな望みなど
全く無視して荒れ狂う

それでも望みを捨てないように
自分自身を折らないように
がんばって
ぎりぎりの所でがんばって
持ちきれない荷物は大好きな人と分けあって
二人なら、二人分より少し多く持てるから

世界に冷たくされたなら
世界に傷つけられたなら
うんと幸せになって見返してやれ

幸せな時間を作り
みんなで幸せな時間を過ごそう
「独り」という自由を売り渡して
独りになろうとする
昔の自分に別れを告げて

その痛みがきっと
今日より良い明日を運んでくれるから





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断片25



風継ぎの歌


飛べ 風よ 光超えて
まだ見ぬ詩詠じつつ
伸ばせ 枝葉を混沌に
まだ知らぬ歌も高らかに

そうだ我らは旅をした
詩を紡ぎ 歌を継ぎ

真空無窮の絶大に
意思の反旗を翻し
悠久時空の峻厳を
超推進で跳び越えて

かくて我らは互いに出会い
そして共に生きたのだ

なおもて我らは先へ往く
虚空の深さに微笑を向けて
いざ、今こそ船を出せ
千億の朝が出迎える海に





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断片24



突然彼らが何をやっているのか理解できなくなった。
外界からの刺激に対する意味付けの喪失
世界の喪失

私は境界に立って
人と世界のカタチについて問う
『虚ろ』と答えが出かけたとき
道化が耳元でささやいた

「世界の心音はあまねく響き
 そのエコーに身を投ずるならば
 繰り返されきた転輪はさらに廻り
 汝は汝のあるべき姿を知るであろう
 まずは導きに身をゆだね
 彼の者の手を取るがいい」

境界は遠のき
再び世界は舞い降りる
ここは最果て
否
未だ至らず





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断片23


そのすべてが幻なのだとあなたは言うが
私はそうは思わない
あなたはこうも言った
脳が見せる幻と現実を人間は区別することはできないと
ならば幻と現実の間には
いかなる違いもないではないか


そのとおりだわが弟子よ
人間が体験する世界に
現実も幻もない
しかし
人間は「現実」という言葉と「幻」という言葉を用い
それらを区別しようとする
都合のよいものは現実と
都合の悪いものは幻と
その「都合」こそが人間を苦しめているというのに
体が必要とするものを最低限採り
無限に肥大しようとする脳の欲求を無視しなさい
日々
心静かに人に笑みを向けて暮らしなさい
そうすれば
生老病死がそなたを苛むことは
二度とないだろう





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断片22



「また明日」と言われることに
どれだけ救われることか
俺にも待っていい明日があるのだと
世界に赦されたような気がして





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断片21



媚び、へつらい、すかし、時に騙し、
他人から身銭を切らせるのが第3次産業だ
ストレスと金しか動くもののない虚構の世界
おもしろいか?
気は晴れたか?
いつまでこんなくだらない椅子取りゲームを続ければいい?
無能容疑で無期懲役!
ははっ、すばらしい世界に乾杯





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断片20



真実だと嘘をついている幻想に
一撃を加える力を持つものは
自ら嘘だと主張することにより
真実性を獲得している幻想なのではあるまいか





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断片19



「みんな」なんていないし
「世間」なんてまぼろし
たしかにあるのは
「あなたとわたし」
その関係だけ





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断片18



「わたし、友達できないから。みんなの中に上手く入っていけないの。
私の居場所なんてどこにもないのよ。」
そう言ってその女は寂しそうに笑う。
むかっ腹が立った。
「友達ができない?居場所がない?
あんた、甘えてんじゃないわよ。友達作ろうともしないで。
誰でも不安押し殺して、必死で楽しく生きようとしてるのよ。
あんたみたいにだんまり決め込んで、暗い目して独りでいるような奴は
怖くて、気持ち悪いからかかわりたくないの。そんな他人の不安を見ようとした?
他人を受け入れようとした?あんたが考えてるのは自分のことばっかりじゃない。
他人の中に自分の居場所を探すんじゃなくて、
自分の中に他人の居場所作ってみなさいよ。寂しいんだったら。
それができない奴は一生独りぼっちよ。」
「あなたに、私の何が分かるのよ!?」
出た。可愛そうな自分に酔ってるナルシストの決め台詞だ。
「また自分のこと。自己陶酔。自己満足。自己憐憫。
そうね、私も憐れんであげるわ。あなた一生寂しいままよ。かわいそ。じゃあね。」
私は女のわきを通り過ぎる。
そいつはうつむいて、下唇を噛んで、肩を震わせていた。
泣くほど悔しいんならまだ見込みはあるかもしれない。
悔しければ変わって見せろ。笑って見せろ。幸せになって見せろ。
みんなそうして生きているのだ。
ふと見上げると空がピンク色で、雲のふちがオレンジに輝いていた。
ちらりと後ろを見ると女はまだうつむいたまま立っていた。
あたしはもう何も言わず。晩御飯は何にしようかとか考えながら、
家路についた。





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断片17



日のもとの国2


彼らは一体、何を信じ、何に駆りたてられて
満員の電車になおも突っ込んでいくのか。


日本経済新聞を聖典と崇め、
日本という國に押し込められることを是とする日本経済教の信者たち。

毎朝毎夕、同じ道を踏んで欠かさず会社を巡礼する会社教の信者たちの黒い波。

日本経済こそ我らを生かす神たる第一原理と信じ、
巡礼先の「オフィス」という聖地で、午前の礼拝をささげ、午後の礼拝をささげ、
夜の礼拝をささげ、月末に神たる会社からパンとワインを拝領する。

日本の会社員がやっているのは宗教活動だ。
彼らを満員電車へと突き動かすのは、神たる会社への宗教的情熱なのだ。





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断片16



 世界は個人の願望と関わりなく荒れ狂い、
その思いを握りつぶそうとし、その心を踏み荒らそうとする。
人にできるのは戦うか死ぬかだけだ。
死とは生物学的な意味ばかりではない。心を殺すこともまた然りである。
 世界との戦いは、泣いてわめいて、なりふり構わず突っ走るしかやり方がない。
愚鈍にして卑劣、かつ強固な世界に対しては人は
そのように戦って、負けを認識する暇もなく戦い続けるしかないのだ。

 セカイニキバヲツキタテロ





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断片15



子供の頃、人生はただそこにあるものだった。
しかし今、人生は取り返しのつかない出来事の連続だ。

いつも、いつもチャンスが過ぎ去った後に可能性のシナリオを描き、
実現されなかった選択肢たちに責め苛まれる。

自嘲、自責は自信の喪失を呼び、
私は人の中に入っていけない。
私には彼らを愛し、愛される資格はあるのか、と。





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断片14



若い頃の苦労は買ってでもしろと昔の人は言った。
苦労すれば他人の苦労が理解でき、人に優しく出来るから、と。
しなくてもいい苦労はしないほうがいいという人もいる。
苦労は人を歪ませ、他人にも苦労を強いようとするから。
自分はあんなに苦労したのに、他人が楽をしているのは我慢ならない、と。
苦労して人生を悟り、大きな包容力のある人間になる人もいる。
苦労して人生に疲れ、人をひがみ、他人に苦労を強いる人間になる人もいる。
それを分かつものはいったい何なのだろうか?





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断片13



そして唐突に、視界のすべてがあわい光に包まれた

祈りのように静謐なるそれらは
微かな吐息のように空気に浮かび
囁くように宙を舞いだした

私の中にはいかなる言葉もなかった
いかなる感情も、ある一つの波に押し流されて消えていった
ただ―― 私はそこにあって、それを見ていた

『悠久よりただ去来して

 いちどき事象に身を置きて、彷徨し、また流れ去る
 
 そこに意味を問うことなく、無為を語ることもなく』





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断片12



木や森と語ることは不可能ではない。
彼らの発する言葉無きメッセージを読み取ればいいのだ。
所詮は人間型の解釈にはなるが、
(人間は処理可能なフォーマットでしか思考できないのだからこれは仕方ない)
それでも、
植物というものが何を糧とし、どう行動し、
どのように遺伝情報を時間軸に乗せて(子孫を残して)いるのか、
ということを知ることにより、彼らの声を聞くことができるようになるのだ。
セルロース固定体(植物)たちは、ミトコンドリア流動体(動物)よりも、
長い時間をゆっくりと生きる。異種族の声を聞くには、
その生きている時間に思いをめぐらせる必要があるのだ。





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断片11



結局、人間を怖がっている。
誰かが優しく話し掛けてくれるのを待っているだけ。
それはただ他人に甘えているだけだ。
そこまでは分かっていても
それからどうしたらいいのかが分からない。
何も変わっていない。
成長していない。
無駄に年を重ねただけだ。
もはや自分が何を望んでいるのかも分からない。
虚無に呑まれる。





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断片10



怒り、悲しみ、屈辱
やり場のない
やり場のない
やり場のない絶望
体が震え、息が荒くなる
顔を強張らせ、歯ぎしりして
押さえ込む
押さえ込むより他にない
故にそれを絶望と呼ぼう

世界の不条理に対し
否、世界に条理などなく
故に不条理もなく
世界はただ在る
ならばこそその世界に対し
せいいっぱいの虚勢を込めて
声のかぎり叫びを突き立ててやれ
たとえ世界は動じずとも
たとえ何も変わらずとも
声のかぎり叫びを





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断片9



日のもとの国


 彼らには自負がある。この世界で生きてきたのだという。
この世界でしか生きてこなかったという絶望とともに。
 彼らは自分たちはたいていのことは知っていると思っている。
その「たいてい」の外側に目を閉ざしているだけであるということには気づいているのか。
 彼らは就社して給与を得ることが生きることだと思っている。
就社しないでどうやって食っていくのかと。
日本人は日本という閉鎖されきった国土と社会の中で就社して碌を食む以外の生き方を選べないのだろうか。
 その、価値の一元化が社会を、組織を、個人を不安定で壊れやすいものにしている。
勝つまで欲しがることすらできなかった財と富を、
負けることによって欲しがることができるようになったあの日から
その敗北を忘れるために、すべてを貧困のせいにして。
もっと、もっとと飽食を望み、得ては捨てる消費財を望み、あらゆる数字が増えることを望んだ。
そして、強迫観念的に合理化、効率化を推し進めた。
無駄を廃し、目的のためだけに人間関係を先鋭化させた結果、数字と物は増えたが、
人は喜びを得ることができなくなった。





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断片8



つきつけられた困難に対して
自分を殺して、諾々と従うのではなく
我を強張らせて、他者に押し付けるのでもなく
自分を自分のままにして立ち向かう
自分を見つめ、心をさらし
他者を見つめ、心を見つめ





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断片7



足りぬ足りぬと常に嘆きながら
それでも現れては消えるイメージの断片を
世界のしっぽをとらえようと
なにがしかを書き付ける
無意味を有意味に
無価値を有意義に





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断片6



其は地より飛び立ちて蒼穹に至る
流霞を経巡り、透空を突き抜け、雲幕と戯れ、
障風に身を載せ、時に切り裂く

速く疾くと其は思う
高く貴くと其は思う

やがて赤暮は絢爛と天空を染め上げ
臙雲は雄大に高空に弧を描く

色彩の変転を楽しみ
世界の広さに涙する

陽光はすでになく
宵闇に身を沈めれば
天蓋は銀河を映じ
無窮に至る道は
光波の先へと更に続く





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断片5



甘いだけの言葉はいらない。
厳しいだけの突き放した言葉もいらない。
もっと深い言葉がほしい。
人格の奥底から染み出るような
深い言葉が。





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断片4



たとえば君が
道に迷ってしまったなら
僕のうたを思い出してくれないか
目指すべき光は君の中にある
それに気付くきっかけを
僕のうたが作れたらと思うんだ

たとえば君が
自分で考えるのをやめてしまった人たちの言葉に疵つき
道をあきらめてしまいそうになったら
僕のうたを口ずさんでくれないか
僕は絶対に君を応援する
君が信じているものは
君だけの大切な宝物だから
僕はいつも君の近くでうたっている
精一杯大きな声で
がんばれ、がんばれと

たとえばあなたが
愛を見失って、疵だらけで
独りぼっちになってしまったら
僕のうたを思い出してくれないか
きっとそのうたは
そっとあなたのそばによりそって背中を押すだろう
ほら、新しい恋はすぐそこにある
安らげる場所はすぐ近くにある





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断片3



世界は共有幻想だ。
固執すれば、正体のないものにさいまれることになる。
しかし、その幻想を支える取り決めを通して
世界に対して訴えかけることをやめてはいけない。
世界を見ろ、他者を見ろ、己れを見ろ。
他者と対話し、働きかけろ、自らの世界を。

取り込まれることを選んだもの達は言う。
「青臭い」と。
それが嘲りの言葉であるなら心せよ、
自称大人たち。
あなたたちは他者を貶めることでしか自らの存在を認めることができない
さもしく醜い考え方をしている。
椅子取りゲームはそんなに楽しいか?





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断片2



社会というシステムは人の外側にあるのではない。
人と人の関係そのものが社会システムなのだ。
ならばこそ、それは人の内側にあるものである。
人は自らの中に社会を内包しているのだ。
そして、この社会の持つ力とは、その大きな力の正体とは
そうしなければならないと人に思わせる力、
古くは呪力と呼ばれた力、
すなわち人の認識力、頑固なる世界観。
人が自分で自分に信じさせた「こうあるべき物事」に固執する力なのだ。
最低限従うべきと信じられている「ちゃんと仕事をする」とういう
規約、取り決め、プロトコル。
人は独りでは生きられない?
生きるために他者とコミニュケートする必要から、従うべき取り決め、
共有幻想。
組織、集団、多数の人間。その方向性を定める呪力。
「従え。されば餓えざらん。」
大きな力に飼育されるのはきっと楽な生き方なのだろう。
しかし、組織の正体が内在する世界観であるならば、
人間は自らの世界を自ら作り、自らの足でその世界を歩くことができるはずだ。
他者の作った世界観に踊らされることなく、むしろ牙をむき、
世界に世界を突きつけることができるはずだ。





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断片1



目を閉じ、深く息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。
そうして冴えわたった頭に浮かぶ形象。
精神が上位構造に繋がって、広がる認識に聞こえる音は、
世界を回す車輪の駆動。





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