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このコーナーは、太鼓台としては最もポピュラーな形態である蒲団型太鼓台に積まれている
“蒲団”について考えるコーナです。
その類型を各地に訪ね、共通点を確認し、太鼓台がどのように発展してきたか、各地間でどの
ような関連があるのか、そして、なぜ“蒲団”なのか、を皆さんと一緒に探ります。 ![]() ![]()
本物蒲団を積む太鼓台。四本柱から張り出した碁天井の上に三枚を積み重ね、十字にしばり
天井に固定する。現存する本物蒲団型太鼓台としては、広島県豊町沖友の櫓よりも小型・素朴 であり、播州地方のかっての絵馬の太鼓台に近いと考える。なお、愛媛県南予地方にはこの 規模の太鼓台が多いが、そのほとんどが既に枠蒲団型となっている。 ![]()
「上に載せているのを“蒲団”と言うそうですよ」。 でも、「本当に蒲団ですか?」と尋ねても、
「絶対に、間違いありません」とは、誰も自信を持って言ってはくれません。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
この四ツ太鼓は、前項の雨井(宇和海側)に近い、磯崎(伊予灘側)のものです。外観は、規
模・形態とも雨井によく似ています。 ![]()
これは、蒲団部の一辺一辺です。こんな風に部材を細分化することで、運搬や保管が極めて容
易になります。(しかし、形作るとなると複雑で、伝承していくのが大変です) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
同じ保内町の雨井では、一面が逆台形型の木枠の四周に、モミガラを入れた“輪”5本を、きつ
くはめ込むことで、五段の蒲団に見せている。(鉢巻型蒲団太鼓台)
磯崎では、この木枠はなくなったが、代わりに、外の面が丸みのある木の枠五段(枠蒲団型太
鼓台)に変化し、それも各段・各辺がバラバラに分解できて、保管・運搬のしやすいものとなって いる。
同じ町内で近接する両地の四ツ太鼓は、似通う外観とはうらはらに、全く別な構造となっている
のだ。
このような差異は、一体どのような理由や必然で、生じてきたのだろうか。
私は、蒲団部の構造は、元々は雨井のような構造であったものと想像する。運搬の容易さ・保
管場所の確保・形作る作業の簡便化(あまりならないとも思うが…)などの理由により、磯崎の ように一段毎・バラバラな構造に変化していったと推理している。
両地の違いを見ていると、私には、太鼓台が豪華・大型化していく過程で、鉢巻型から枠型へ
と変化・発展する図式が、読み取れるような気がして仕方ない。 ![]() ![]()
豪華な屋台(太鼓台)が多い播州地方の中にあって、比較的簡素な屋台である。
実は、この蒲団部も雨井と同様、木枠と鉢巻型のもの。左側写真の木箱の「台」は“一代前の
木枠”である。その上の赤・白・黒の三段蒲団の中に、この箱と同じサイズの新しい木枠が入っ ている。また、天部が丸いのは竹籠を伏せているためで、雨井では木枠内部に密封されていた のが、千本では“依り代”として天井部に顕在化させている。 ![]() ![]() ![]() ![]()
この太鼓台も木枠(箱)の周りに輪(鉢巻)を巡らす形式。五段蒲団に見せているが、4本の輪
と1枚の本物蒲団(一番上)を用い、形作る。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
雨井の四ツ太鼓と同様、鉢巻の中身はモミガラである。蒲団天部は、わらを積み重ね四隅をし
ばるため、丸みができる。竹籠は入っていない。この帯を「タスキ」と呼んでいる。 ![]() ![]() ![]() ![]()
種子島・西之表市の太鼓台(太鼓山)である。太鼓台が「海入り」する地方は多い。四本柱の上
は碁天井になっていて、その上に紅白の大きな「輪」を積んでいる。この中身はわらを束ね、細 紐で巻いたものである。
種子島のこの形態も、各地の鉢巻型太鼓台に合い通じていると、私は考えている。太鼓台は、
近年一回り大きくこしらえ直したので、鉢巻もそれに合わせて大きくなっている。 ![]() ![]()
ごく簡素・小型の太鼓台。花飾りの太鼓台であるが、造花の内側・天井部分に俵を積んでい
る。乗り子は二人。この太鼓台の特徴は、造花を挿している四本柱・上部にある。現在は、周囲 が「棒状のわら束」・四本となっているが、かっては間違いなく、ぐるりと巡らした「輪・鉢巻」であ った。この造花を挿す部分が、これまでに紹介した「鉢巻型太鼓台」の鉢巻部分と何らかの関 連がある、と私は考えている。
※鉢巻型蒲団を有する太鼓台への考察は、「探訪・太鼓台/千本の屋台」にも掲載していま
す。
常日頃、何気なく眺めている太鼓台の蒲団部ですが、各地を見学していると「ハッ」とする思い
がけない事実に遭遇することがあります。
今回、このコーナーを、あえてカタカナ書きの「フトン」考と表記したのは、もしかすれば、この部
位、本当は「蒲団ではないのかも知れない」ぞ、と頭のどこかでいつも考えているからです。… 反面「いやいや、やはり蒲団なんだ」とも。
蒲団・布団・ふとん・フトン…それぞれの「FU・TO・N」。私は、太鼓台の「FU ・TO・N」部を言う
時は、意識して<蒲団>を使用していますが、<布団>でももちろん良いと思います。他意は 全くありません。
フトン部の謎解明のポイント、それはそれそぞれの地方のフトン部を客観的に知ること。そして、
各地の共通点・類似点から、関連を類推し、議論しあうことです。そのための情報共有化が避 けられません。
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