花巡り


春にさく

はこべ たんぽぽ さくら


春の野原を歩いたあのころ

桜吹雪の中を歩いたあのころ


夏に咲く

かんな 朝顔 ひまわり 


夏の野原を

走り回ったあのころ


秋に咲く

こすもす ききょう すすき


秋の野原の夕暮れ時


冬に咲く

さざんか 福寿草 


木枯らし吹くあの道

雪解けの中にぽっかり顔を出す

黒い土



あぁ あの季節の風

あのころの思い出


わたしの思いをのせ

心に

幾度となくふりつもる花たち



風が花びら

吹き上げるたび

懐かしい花の香りは

舞あがり

こころをくすぐる


懐かしい

帰らぬあのころ


めぐりめぐる季節の花が

心の中に

降りつもる


かすかな風をはこんで


今年もまた




きりばん