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貧しいおじいさんがいました。
一軒家に一人きりで住んでいました。
いつも、コンビニの店の裏で
「ウレノコリ」をもらっていました。
おじいさんは店の周りを綺麗に掃除していたので
怒られることはありませんでした。
でも、本当は
おじいさんの笑顔がとっても明るくて
誰も、なぁんにも
言えなかったのです。
ある雨の夜
二匹の子ネコが捨てられているのを見つけて
おじいさんは大事に家に連れて帰りました。
白いのが「しいちゃん」
ぶちのあるのが「てんちゃん」
おじいさんはそう名付けて
とっても可愛がりました。
おじいさんの笑顔は
一層いい笑顔になりました。
・・・
ある寒い冬の朝
コンビニの店長さんが
おじいさんの家で
おじいさんが倒れているのを見つけました。
どこかに行ったのでしょうか?
しいちゃんと、てんちゃんは
見つかりませんでした。
その年のクリスマスの夜、コンビニの店長さんは
売れ残りの「ケーキ」を
嬉しそうに持って帰ったおじいさんのことを
一人で思い出していました。
「あぁ・・・・・!!」
気が付いたんです
「そうだったんだ
・・・・あのねこ達はじっさまを
天国に連れていってくれたのかもしれない
だって
「てん」「しい」
アイツら『天使』だったんだよ・・・」
そうですね
もう、誰も。なにも。
心配いらない・・・。
また。
静かに時間が流れていきます。
きっと今夜は雪が降るでしょう・・・・。
「てんちゃん」「しいちゃん」
今は2匹揃って
だれの側を暖めてくれているのでしょう。
ぎゃらり・とっぷ