夜の森


漆黒の闇が

全ての音さえ包み込んでしまう

静けさの中

生きるものの気配だけが漂う


透明な光が 

まぶしいほどにあたりを照らす満月の夜

プラチナ色の月明かりが降り注ぎはじめると

森は 輝き出し

新しい世界が姿をあらわす


あたりに漂う空気

草木の放つ何かが

わたしの五感をとぎすますころ


森の時間は ずれて

魔法の扉が開かれる

暗闇からすべり込む

境目のない世界


心を澄ましてみれば

なんと生命力に満ちた


生きるものたちの

心通い合う

不思議な世界





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